埼玉県精神医療人権センターの立ち上げ準備を始めました

星丘匡史

 2017年4月23日(日)に、さいたま市市民活動サポートセンターで第1回のミーティングを開きました。東京精神医療人権センターの木村さんにオブザーバーとして参加していただき、弁護士や精神科医も参加され、病院情報冊子「データから見た埼玉県の精神科病院」を作っている「埼玉県の精神医療を考える会」のメンバーや埼玉で何かやろうと集まった「だからこそ委員会・埼玉」の方々を中心に13名の参加で、活発な意見交換が行われ順調な滑り出しと感じました。しかし、第2回のミーティングは7名の参加で、不安と期待が交錯しつつどうなることやらと思いながら準備を進めているところです。東京や大阪や兵庫の人権センターを参考にしつつ、できるだけシンプルに、細々とでも継続できる運動にしていきたいと思っています。病院に外の空気を入れるためにも入院患者さんから相談を受けたらできるだけ早くに面会に行けるようにしたいと考えています。納得できない入院をしている方が一人でも退院できるように力になれればと考えています・・・

 第3回ミーティングは、2017年6月29日(日)13:30~、さいたま市市民活動サポートセンターラウンジ(JR浦和駅東口浦和パルコ9階)です。
 その後も月1回くらいのペースでミーティングを重ねていこうと考えています。よろしくお願いします。


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初めて見た拘束にショック!!

香澄 海 

 人権センターに松沢病院に入院中の方から連絡があり、会いに行った。

 ピカピカの広い廊下を通って閉鎖病棟のインターフォンを押す。看護師が迎えにきて、カードキーで二重扉を開けていく。先立って歩く男性看護師は「今ね、拘束しているのでね」と事もなげにスタスタ歩きながら言った。後ろからついていったので、その表情までは見ることはできない。「拘束?」 本人から一人で歩くこともままならない状態なので、歩けるようリハビリしていると聞いていたがと、いぶかりながら病室に入ると、本人は両手両足、胴を拘束帯で固定されていた。私は初めてのことだったのでとてもショックを受けた。一緒に行った先輩相談員が名乗ったので、私も名前だけ言って頭を下げる。ここに居て良いのだろうかという思いを抱く。看護師は私たちの目の前で、てきぱきと拘束を一つひとつはずしていく。

 別室で話すことにして、車椅子を押して移動した。聞くと、一週間前から手を、昨日から両足を縛られたということだった。食事のときだけは解いてくれる、オムツを着用させられているという。一人で歩けないほど弱った人を拘束する必要があるのか、病院ではトイレ介助してくれないのか、そんなに長い間の拘束をしたら筋肉が尚のこと無くなってしまうのではないか、私の中で様々な思いが交錯した・・・

 以下、全文は、おりふれ通信356号(2016年12月号)でお読み下さい。
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または FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ

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精神医療、福祉について専門知識がない人が、伊藤哲寛氏の講演をがんばって理解することにより社会の偏見、無関心を変えたい

コミュニティサポート研究所 齋藤明子

 11月14日大阪精神医療人権センター設立30周年記念講演会に参加し、長年精神医療改革に取り組んでこられた伊藤哲寛さんの『権利擁護活動から考える精神保健福祉の今後』と題する講演を聞いた。約3時間、パワーポイント59コマの力のこもった講演であった。精神医療・福祉の職についたことも無い一(いち)ボランティアには、難し過ぎる内容であったが、私が理解できた範囲内で、個人的に納得した部分(独断です)を紹介したい。

◆精神病床数は世界で唯一、40年間同一水準を固守
 講演は精神病床数、医療の質、アドボカシー制度など『精神医療の点検』から入った。
私はその時、自分が名付けた日本社会の「オーバーラン現象」のことを思った。導入された時にはそれなりに役に立ったり必要性があったりしたモノやシステムが、いったん軌道に乗ると止められなくなり、必要以上に増えてしまい、数を減らしたり、原点に戻ったりすべきなのに、既得権を強烈に主張して、増えないまでも存続し続けてしまう現象を指す。道路、建物、議員数、様々な資格etc. etc. そして精神科病院。
 伊藤さんは精神病床が減らない理由の中に「患者の生活より従業員の生活」「病床数が減ると政治的圧力団体としての力が削がれる」といった病院側のセコい理由も忘れず挙げている。「患者が地域で暮らせないから」という理由より真実味が感じられる。
 欧米各国との精神病床数の推移の比較でオヤッと思ったのは、1980年頃のアメリカは、人口当たりの精神病床数が今の日本よりはるかに多かった、という事実である。そして多過ぎるところから20年間でイタリアに次いで少ないところまで減らしている。グラフの中で日本以外に病床数を減らしていない国は無い。「諸外国並み」「普通の国」が大好きな日本政府がこれほどまでに無策に徹し、惰眠をむさぼっていたというのは驚きだ。ただし、北海道十勝地方の病床数は確実に、欧米並みに減っている
公的な金で民間病院が「さあ、どうぞ」とベッドを用意して待っている時に、そして公的な金で堂々と利益を上げられる体制がある時に、だれが必死で精神障害者が地域で暮らし続けられるための医療を考えるだろうか。私は、精神病床の90%が民間の単科精神病院にあること自体、大スキャンダルだと思っている。「退院促進」施策は政府の免罪符に見える。他の国で議論されているのは「退院促進」ではない。「いかにして入院を回避するか」である・・・

 以下、全文は、おりふれ通信346号(2016年1月号)でお読み下さい。
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退院請求制度(法38条4)は役に立っているか?

東京精神医療人権センター  弁護士 内藤 隆

1 はじめに
  宇都宮病院事件(1984年発覚)を契機に1987年、精神衛生法が精神保健法へと大改正された。その要点の1つは、入院者の退院請求権の保障とこれを判断する精神医療審査会の創設である。この権利の目的は、「入院患者の人権保護を強化するため」である(厚労省の解説書)。私はこの制度を代理人として経験し、今日の硬直した運用を知った(但し、東京の事案)。

2 事案の概要
(1)2015年4月の人権センターへの電話相談が端緒である。60代の女性(本人)で、A病院に入院しているが退院したいという相談。
(2)本人は2008年頃、家族の同意によってA病院に医療保護入院した。開放病棟で生活していたが、2012年頃に、外出して帰院時間を守らなかったとして閉鎖病棟に移され現在に至った。
(3)主治医は、本人は「躁の強い統合失調症」と述べ、退院希望を認めない。私が面談した時は、「人権センターの介入は迷惑」と述べた。
(4)2015年6月30日に退院請求等を本人の代理人として申し立て。
(5)同年7月31日、A病院で精神医療審査会の2名(?)の委員(医師、弁護士)が本人と面接(実地審査)、私は不都合で欠席(私に日程調整の連絡なし)。
(6)同年8月18日、精神医療審査会の部会が開催。場所は中部センター内。私が出席して意見陳述、本人は欠席。A病院も欠席。
(7)同年9月9日、審査結果の以下の通知。
 (退院請求の結果) 他の入院形態(任意入院)への移行が適当と認められる。
 (処遇改善の結果) 処遇は適当でない。
(8)同日、A病院から退院の指示(退院の強制)。B病院に転院。現在(11月30日)に至る。

3 退院請求制度の実情と問題点(東京)
(1)退院請求
 ア もともと法的対応能力が充分とは思えない入院者からの請求なので、請求方法はできるだけ易しくしなければならない。「請求は書面をもって行うことを原則とするが、口頭(電話を含む)による請求も認められる」(解説書)。しかし、都の説明文書には口頭の申立も可能なことの説明はなく、逆に書面申立を前提に「請求を行う理由が不明確であると不受理になります」という威迫的な説明がある。そして退院請求の書式が送られてきて、その中に「請求を行う理由(必ず書くこと。詳しく書くこと)」、「入院に至る経緯及び入院してからの経過(詳しく書くこと)」、「退院後どうするのか具体的に詳しく書くこと」などが注記されている。これでは最初から退院請求の意欲が萎える。審査会委員との面談の機会(実地審査)があるのだから、詳しくその場で聴取すればよいことである。申立を少なくするために入口のハードルを高くしているとしか思えない。
 イ 代理人による請求も認められる。今回私が代理人として請求した。ところが応対した審査会事務局員は、「弁護士であることを証明しろ!」というとんでもない対応をする。ここで喧嘩。あげくのはてに私の事務所名を誤って(別の事務所名)記載して、又喧嘩。これは「間違いのないよう職員一同、周知徹底します」と文書で詫びが入って終息(「第1回謝罪」)。案件が少ないせいか、事務局が制度運用に慣れていない。
  又、代理人請求なのに重ねて本人に対して前記と同じ、詳細な書面の提出を求めてくる。その理由と必要性がわからない。代理人の主張を信用しないのだろうか。
(2)実地審査と審査会
  ア 本人は実地審査で審査委員と面談できる。代理人は実地審査での立会、審査会(部会)での意見陳述で審査委員と面談できる。しかしこの運営も硬直している。
  イ 第1に、私は上記のいずれにも出席を希望したが、期日が一方的に指定されたために実地審査に立会することができなかった。聞くところによると、審査会(部会)が活動する期日は年間で決められており、これを動かすことはできない(請求者の都合は考慮されない)とのことである。これはおかしな制度である。退院請求は入院者のためのもので、審査会の利益のための制度ではない。
  ウ 第2に審査会の構成の公開の問題である。私はどこの誰かわからない人(委員)の前で意見を述べることは不自然なので、担当する3部会の委員の氏名と職業と勤務先の開示を事務局に求めた。最初は「わかりました。後でお知らせします」とのことだったが、その後「上司に計ったところ開示できないことになった。申し訳ない」(「第2回謝罪」)となった。
そこで私は、情報公開請求の手続をとった。結果は「審査の結果が本人の意見と一致するとは限らないことが想定される」という訳のわからない理由で非開示決定。私は審査会当日、「審査委員」とだけ書いた名札を前にした人の前で、誰が医者か、法律家か、学識者かわからないまま意見を述べた。なおこの情報公開において、決定文に条例の適用の誤りがあったので指摘したところ、「今後は二度とこのような誤りがないよう、細心の注意をはらう所存でございます。何卒御容赦のほどお願い申し上げます」との詫び状が来た(「第3回謝罪」)。「条例に基づき30円の開示手数料を現金書留(下線は原文)によりお支払い下さい」というふざけた文書も来たのでほったらかしにしている。

4 まとめ
  今回の経験で、現在の退院請求を入院者本人が利用するためには困難が多いとわかった。制度本来の趣旨では、もっと簡単に退院を請求できるはずだった。刑事事件では国選弁護制度で被告人らの権利を補充し、保障している。行政の後見的介入がなければ、退院請求は形骸化するだろう。これと軌を一にして審査会の官僚制、密室性にもあきれる。自己紹介もしないで他人の意見を聞くのは失礼だろう。裁判では廊下に裁判官の名前が掲示してある。
  総じて、1987年の法改正の理念が失われつつあるのがとても心配である。             以 上

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医療保護入院と家族等の同意

弁護士 内藤 隆

1 はじめに
 保護者制度の廃止、家族等の同意による医療保護入院などを内容とする改正精神保健福祉法が2014年4月1日に施行された。重要な法改正なので厚労省から解説文が出されている。その中に医療保護入院の適法要件である家族等(旧法の保護者)の同意について看過できない解釈の変更がなされているのでその問題点を指摘する。

2 問題の所在
(1)医療保護入院後、入院に同意した家族等が同意を撤回した場合、病院管理者は家族等に退院請求を行うことができることを教示するものとされる(2014年1月24日課長通知)。
 厚労省作成の「Q&A」(2014年3月20日)では、この点、退院させるか退院請求の権利告知をすればよいとされる。
(2)いずれにせよ同意を撤回しても管理者の判断のみで医療保護入院を継続してもよい、換言すれば家族等の同意は医療保護入院の適法要件(本人の意に反する身体拘束=監禁を適法とする要件)ではないとの解釈が示された。
 このような解釈がいつから通用するようになったのか?・・・


 以下、全文は、おりふれ通信328号(2014年5・6月合併号)でお読み下さい。
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退院することの難しさ

東京精神医療人権センター 内藤 隆(弁護士) 


 かつての同意入院(現、医療保護入院)が本人の意に反する強制入院に悪用されたことはよく知られている。1983年に発覚した宇都宮病院事件では入院者の多くが同意入院(市長同意)だった。しかし親族が保護者(旧、保護義務者)となる医療保護入院では、医療的な原因ではなく、親族間の不和が原因となって強制的に長期入院させられる例がある。精神保健福祉法の「改正」はこの危険を増大させる(本紙2013年6月号)。

1 人権センターへの相談
2012年の秋、電話と手紙でS病院に入院しているAさんから退院援助の要請があった。Aさんとの面会、院長との相談、Aさんの知人のBさん(仕事の先輩)の協力もあったが、最大そして唯一の退院障害は家裁で選任を受けている保護者(実妹)の反対である。後日私が電話で話したところ、「どれだけ迷惑をかけられたかわかるか! 死ぬまで入院しているのが一番良い」と言い頑として譲らない。院長は「保護者の了解があれば退院可能。自活能力はある」との意見。つまり医学的には退院可能だが保護者の了解が得られないので入院継続というおかしな話。親族の不和の暴力的な解決=監禁として医療保護入院が利用され病院は利益を得るという構図が露骨に見える。

2 保佐人選任へ・・・


 以下、全文は、おりふれ通信320号(2013年9月号)でお読み下さい。
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大阪精神医療人権センター総会・記念講演 2013年5月11日参加レポート

七瀬タロウ(全国「精神病」集団、大阪精神医療人権センター会員)

 当日は160名を超える会員が会場のエル大阪に集まり熱心な討論が行われました。

 前半はNPO組織としての総会、長年代表を務められた里見和夫弁護士が退任され理事となり、大槻和夫弁護士、位田浩弁護士が代わって共同代表として選出されました。

 後半の記念講演は吉池剛志さん、位田浩さん、山本深雪さんの連続公演。パワーポイント等も使った大変わかりやすいお話でした。当日資料は100ページぐらいもある大変力のこもったものでした。全体のお話はまず今回の「改正案」の様々な問題点を従来からの人権センターの取り組みから具体的に指摘し、さらに昨年6月の「検討チーム」まとめが、なぜこのような問題点だらけの「改正案」になってしまったのかに関する様々な観点からの意見や解説等もありました。「政権交代」と結びつけた話も多かったです。里見弁護士も含め人権センター関係者には無念の感が今回大変強かったようです・・・

 以下、全文は、おりふれ通信318号(2013年6月号)でお読み下さい。
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医療機関のデイケア利用規約の問題~精神医療人権センターの相談から~

東京精神医療人権センター 飯田文子

 2011年11月、精神科クリニックのデイケアを利用している方から電話相談がありました。
 相談の内容は「ほづみクリニックのデイケアを利用しているが、その利用規約にメンバー同士は、デイケア以外での付き合いを禁止する。連絡先や薬や症状を教え合ったりすることも禁止されている。普通の社会人としてデイケア以外での個人の時間について、こんな制約をされるのはおかしい、人権侵害ではないのか。一時期このような規約は、メンバーの申し入れにより無くなっていたが、今年に入りまた規約の中に入った。職員に言うとデイケアから排除されそうで怖くて言えない。なんとか出来ないだろうか。」というものでした。

この相談を受けて、人権センターも間に入るから、メンバーと職員とで話し合ったらどうだろうか等の提案をしたり、ほづみクリニックにも相談の内容を文書で送り、電話で連絡を取りました・・・

 以下、全文は、おりふれ通信316号(2013年3/4月号)でお読み下さい。
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大阪精神医療人権センターのDVDを見て

木村朋子

大阪精神医療人権センターが、DVD「大阪の精神科病棟への訪問活動より」を出した。
約8分の見やすさで、古い病棟・寝床の横にむきだしの穴だけのトイレのある保護室と、今は当たり前になったベッドまわりのカーテンや電話室のある近代的病棟・きれいな保護室の対比が、ビジュアルでよくわかる。(古い病棟・保護室の病院がよく撮影に協力してくれたものだと感心した・・・

 以下、全文は、おりふれ通信306号(2012年5月号)でお読み下さい。
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東京精神医療人権センター総会報告

事務局 木村朋子

                               
 去る6月29日、弁護士会館会議室で、第25回東京精神医療人権センター総会を開いた。参加は9人。
まず代表の永野弁護士から、人権センターも活動開始以来25年を経て、メンバーも年をとり活力が下がってきているが、ともあれ相談活動は続けていると挨拶があった。ついで事務局長の小林さんから2010年度活動報告がされた。定期訪問を続けている松沢病院で、長期措置入院の人の措置解除・処遇改善を求める請求の代理人を3件引き受け、精神医療審査会に申し立てたが、いずれも却下された。長い入院で年もとり、身体症状が主になっていたり、向精神薬もほとんど服用しない状態になっているのに措置解除が認められず、強い行動制限が続いている。・・・

 以下、全文は、おりふれ通信297号(2011年7月号)でお読み下さい。
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