「医療観察法は廃止されるしかない」-医療観察法廃止全国集会に参加して

にしの木クリニック 伊藤朋子

集会があったのは、まだ暑い夏の頃だった。会場の空調も悪く、全国から集まってきた人たちの熱気の中で、発表者、発言者の話をぼんやり聞いて帰ってきただけの私。この原稿を頼まれてしまい、若干、困っているが、なんとか、記憶を掘り起こして、感想を書いてみようと思う。

 医療観察法に関しては、正直、遠い存在のように、以前は感じていた。そもそも、措置入院制度がすでにあるのに、その上に触法精神障害者の一部に限定した特殊な法律をつくり、特殊な治療体制をつくる、という考えが腑に落ちず、法律の成立前に反対の署名ぐらいはしたように思うが、その後は「知らない世界のこと」だったので興味はそれほどなかった。
 しかし、このところ私の勤めるクリニックを受診される方の中で、医療観察法にかかわった方が、何人かいらしたことから、にわかに、この制度はどうなっているのかと考えるようになってきた。未治療であった頃に、重大な事件を起こしたことを契機に治療がはじまったという過去がある方が、この法律成立以後に起こした新たな事件により医療観察法の対象にされたり、されそうになったり(こちらからみると、かなり司法側が強引にもっていこうとしているように見えた)といった経験をしたためである・・・

 以下、全文は、おりふれ通信354号(2016年10月号)でお読み下さい。
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私たちの手で ニュージーランドの当事者運営ショートステイ‐精神病院入院に代わるサービス‐に参加して

全国「精神病」者集団 運営委員・ 
大田障害者連絡会代表 山田悠平

 体調の波は人間につきものですが、とりわけ精神障害者には切実な問題です。精神障害者の僕の経験でも今日の体調が嘘のように翌日には体調が一変することがあります。体調の急変、それ自体が僕には困ることですが、それに対して希望するケアが担保できていないこともまた当事者として困っていることです。というのも、「これは入院が必要なのでは?」という僕の認識に関わらず、医師の判断によって入院が出来ないこともありました。また、自宅から少し離れて環境を変えるために、安易に入院を選んでしまう時がありました。このように自分が受けるケアを選択出来ない状況に課題を感じていました。それは、僕自身の医師とのコミュニケーションの改善というよりも、当事者ニーズに即した社会資源そのものを創ることで解消されると思っています。その折に、『私たちの手でニュージーランドの当事者運営ショートステイ‐精神病院入院に代わるサービス‐』という学習会(2016年3月・東京中野開催)に参加することができました。

 学びの報告の前に講師の新開貴夫さんという人物にフォーカスしてまずは筆を進めさせていただきます。新開さんは国立病院機構熊本医療センターにて精神保健福祉士としてお仕事をしています。しかし、今回の海外での学びは、なんと個人の取り組みとして視察をされたそうです。既存の精神医療体制の代替のあり方を海外にまで足を運ばれて探求されているとのことでした。そのこと自体にすごく感銘を受けたのですが、新開さんが学習会開始早々におっしゃったお言葉が、失礼ながらニュージーランドの実践のお話以上にとても印象に残っていました。「いろいろな海外の良質な実践が、国内の既存の体制の補完として機能しては元も子もありません。」確かに、至極当然のことではありますが、僕には衝撃でした。なぜなら、日本の精神医療体制は部分的な修正での改善ではなく、抜本的な見直しが必要と専門職のお立場でありながらのお言葉だったからです。いや、むしろ良識ある専門職のお立場だからこその大変意義深いご発言に思いました。これは、僕の想像ですが、障害学について造詣が深い一方で、日々現場でのご苦労があり、本来の希求すべき姿からギャップがあったのかもしれません。そのもやもやとした気持ちをひしひしと感じました。

 今回の学習会は、ニュージーランドの社会情勢、福祉制度、労働観、クラブハウスの機能、ピアサポートワーカーなど多岐に及びました。ここでは、ピアサポートワーカーについて学んだことを書きます・・・

 以下、全文は、おりふれ通信350号(2016年5月号)でお読み下さい。
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投稿・香山リカ講演「こころの病は'ひとごと'ではない!」に共感

クリエーション 森重寿一

 トライ・ザ・ブルースカイという北区の自助グループの有志と、クリエーションという杉並区の自助グループの有志で(といっても2人だけだが)、表題の香山リカさんの講演会に参加しました。2016年1月24日、寒かったのですがコンビニで有志と待ち合わせて、練馬区立区民・産業プラザ3Fココネリホールにすんなり着きました。
 主催者の挨拶の後、講演者が現れました。香山リカさんは精神科の医師になって30年。成り立ての頃は精神科を口にするのはタブーだったと言われました。有志は、香山さんはいまどきの若い女性のような気さくな方と言っていました。同感でした。以下、香山さんの話と、自分の考えを取り混ぜて書いてみます。

 香山さんとは同じ年という川島なお美さん(故人)の話が出て、川島ファンとして興味深く聞きました。
「クリスタル族でシャネルやルイ・ヴィトンのブランドでもって東京をカッポする川島さん、他方わたしは田舎から出てきた女子大生、ライバルじゃないが。川島さんは癌が発症したことを公表し、抗がん剤を使うかどうか悩んだ末、使わないで女優として皆の前に出る事を選択しました。入院してブログに、「ちょっと入院しました」と病院のベッドで寝ている写真を載せた。キレイに化粧して、髪もブローしていた・・・

 以下、全文は、おりふれ通信349号(2016年4月号)でお読み下さい。
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今求められる「権利擁護者」とは何か

弁護士 姜 文江

 2016年1月23日、日本弁護士連合会は「精神保健福祉法の改正に向けて ~権利擁護者について考える」と題するシンポジウムを行い、私はこの中のパネルディスカッションのコーディネーターを務め、事前質問や打ち合わせも行いました。今回は、この準備段階から当日までに聞いて考えた、私の個人的な「権利擁護者」についての意見を書かせていただきます。

 権利擁護制度を巡っては、様々な案や研究が聞かれますが、私には「本当に入院している患者さんにとってそれが最優先で作られるべき制度なのだろうか?」と思われるものばかりでした。そこで、今回、外部のパネリストの方に「入院している患者さんにとって権利擁護が必要な場面とはどういうときか」ということを事前に質問しました。その結果を私なりにまとめると、こうなります。
① 不安な時、話を聞いてくれる人がいないとき、これは時期的に、
 ①-1:納得できない入院をさせられた直後
 ①-2:その後の不安や疑問が生じたとき、  に分かれます。
② 暴行など虐待が発生しても放っておかれるとき
③ 退院したくても支援してくれる人がいないとき
④ 隔離処遇され不安なとき、病院と交渉する人がいないとき

 弁護士の目から見ると、②はそもそもあってはならないことであって、外部の人が自由に出入りできれば防げることです(少なくとも弁護士が出入りできれば虐待の相談を受けられます。)。そしてこれは障害者虐待防止法の対象に病院が含まれていないことと関係しますので、精神保健福祉法の権利擁護者制度の議論からは分けておくこととします・・・

 以下、全文は、おりふれ通信348号(2016年3月号)でお読み下さい。
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障害学国際セミナー2015@北京 参加体験記

立命館大学客員研究員 安原 荘一(七瀬 タロウ)

昨年11月末から12月はじめにかけて北京で開かれた障害学国際セミナーに参加する機会を得ることが出来ました。障害学国際セミナーと言うのは、2009年度より開始された〈生存研究センター〉(立命館大学)と韓国〈障害学フォーラム〉との連携関係を基礎とし、両国の障害学関連の研究者・当事者を中心として継続されてきた国際研究交流で、2014年にソウルで開かれた際に新たに中国からの参加も加わって、2015年は北京で開催される運びとなったわけです。
 私は当時気になっていた、障害者施設の利用者タイムカード制について、諸外国の人はどう思うのか?聞いてみたかったのと最近海外に旅行する機会がなかったこと、また中国の精神障害者のおかれている事情はどうなっているのかを知りたくて、ポスター発表を応募いたしました。旅費は大学持ち、セミナー中の滞在費は中国持ちと言う大変良い条件でしたので、10月半ば頃から必死で応募書類等を書き、英文ポスター原稿を制作したり慌ただしい日々が続きましたが11月30日に関西空港から北京へと無事なんとかたどり着きました。

11月30日の夜は情報交換会(交流会)で、主に韓国から来た障害学研究者・当事者と交流いたしました。言葉は基本英語です。最近かなりの情報がネットでも得られるようになっていますが、やはり具体的に人とあって交流を深めることは非常に大切だと思います。情報化社会と言ってもあまりに情報量が多いので具体的に何が問題なのか。どのあたりにどうアクセスすれば自分の問題関心にそった情報に出会えるのかは結構わからないものです。

12月1日に障害学国際セミナーが開かれました。会場はなんと北京にあるホテルニューオークラの会議室で私には少し縁遠い世界でしたが、朝9時頃に会場に行って壁にポスターを貼り付けセミナーの開催を待ちました。

さて皆さんご存知のように現在東アジア(日・中・韓)の間には、政治的に大変厳しい対立状況があります。また中国国内でも昨年7月人権派弁護士100人以上が一斉に拘束されるという事件が起きていて、中国政府はNGOや人権擁護団体に対する監視を強めています。今回のセミナーがぎりぎりまで開催正式決定が遅れたのは、このセミナーを実質的に主催したHI(Handicap International)というNGO団体(運営資金はEUから出ている)と中国政府との交渉が難航したと言う事情があるようです。開会のオープニング挨拶で長瀬修客員教授がおっしゃっておられましたが「3ヵ国の政治主導者が最近やっと顔を合わせたのは、嬉しいこと」であり「政治主導者が会わない時にこそ、私たちは会うべき」です、とのことでまずはセミナーが開催されたこと自体に大変意義があったと言えるでしょう・・・

以下、全文は、おりふれ通信347号(2016年2月号)でお読み下さい。
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精神医療、福祉について専門知識がない人が、伊藤哲寛氏の講演をがんばって理解することにより社会の偏見、無関心を変えたい

コミュニティサポート研究所 齋藤明子

 11月14日大阪精神医療人権センター設立30周年記念講演会に参加し、長年精神医療改革に取り組んでこられた伊藤哲寛さんの『権利擁護活動から考える精神保健福祉の今後』と題する講演を聞いた。約3時間、パワーポイント59コマの力のこもった講演であった。精神医療・福祉の職についたことも無い一(いち)ボランティアには、難し過ぎる内容であったが、私が理解できた範囲内で、個人的に納得した部分(独断です)を紹介したい。

◆精神病床数は世界で唯一、40年間同一水準を固守
 講演は精神病床数、医療の質、アドボカシー制度など『精神医療の点検』から入った。
私はその時、自分が名付けた日本社会の「オーバーラン現象」のことを思った。導入された時にはそれなりに役に立ったり必要性があったりしたモノやシステムが、いったん軌道に乗ると止められなくなり、必要以上に増えてしまい、数を減らしたり、原点に戻ったりすべきなのに、既得権を強烈に主張して、増えないまでも存続し続けてしまう現象を指す。道路、建物、議員数、様々な資格etc. etc. そして精神科病院。
 伊藤さんは精神病床が減らない理由の中に「患者の生活より従業員の生活」「病床数が減ると政治的圧力団体としての力が削がれる」といった病院側のセコい理由も忘れず挙げている。「患者が地域で暮らせないから」という理由より真実味が感じられる。
 欧米各国との精神病床数の推移の比較でオヤッと思ったのは、1980年頃のアメリカは、人口当たりの精神病床数が今の日本よりはるかに多かった、という事実である。そして多過ぎるところから20年間でイタリアに次いで少ないところまで減らしている。グラフの中で日本以外に病床数を減らしていない国は無い。「諸外国並み」「普通の国」が大好きな日本政府がこれほどまでに無策に徹し、惰眠をむさぼっていたというのは驚きだ。ただし、北海道十勝地方の病床数は確実に、欧米並みに減っている
公的な金で民間病院が「さあ、どうぞ」とベッドを用意して待っている時に、そして公的な金で堂々と利益を上げられる体制がある時に、だれが必死で精神障害者が地域で暮らし続けられるための医療を考えるだろうか。私は、精神病床の90%が民間の単科精神病院にあること自体、大スキャンダルだと思っている。「退院促進」施策は政府の免罪符に見える。他の国で議論されているのは「退院促進」ではない。「いかにして入院を回避するか」である・・・

 以下、全文は、おりふれ通信346号(2016年1月号)でお読み下さい。
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第58回日本病院・地域精神医学会東京多摩総会 2015年11月6日~7日夢のようにおもしろくてたくさんの贈り物をもらった2日間でした

就労継続支援B型事業所職員 なかだともこ

 私が立川で働き始めた頃から、「ビョウチ、ビョウチ」と毎年幻聴さんのように聞こえていたのだけれど、なんだかずっとご縁がなかった学会。でもやっと今年はご縁があり参加することができました。その2日間のあまりに雑な感想なんですが、文章に残しておきたいと思いました。

 まず6日は金曜日。当然職場は絶賛営業中。しかもB型事業所のサダメで作業はてんてこまい。でもだいぶ前から今回の学会に参加したいがために有休をとってあり…。だから木曜の夕方は必死に翌日の作業の段取りをし、他のスタッフに担当の仕事をお願い。作業納期が迫り若干殺気立っている状況なのに、「明日パルテノン多摩に行ってきますう~」なんて言える雰囲気ではもちろんなく、情報開示もできぬまま、翌日こっそりとパルテノンなどという大袈裟なふざけた名前の建物(多摩市長さんごめんなさい)に向かったのでした。朝のモノレールは気持ちいかった~。

 朝一番の大ホールはなんだかガラガラだし、分科会も発表者の皆さんの熱心さはわかるものの、なんだかマイクの声も小さくていまいち自分のなかでは盛り上がらず、しばらく聞いてたけど、う~~ん。まあ、なにはともあれまずは昨日までの仕事の疲労を癒さねば、と5階のスペイン料理で早めのランチ。これが大当たり! 5階の外のテラス席は風が気持ちよく、スペイン人のイケメン店員さんも感じが良かった(でも日本語話すんなら無理にスペイン人じゃなくてもよくね?)。サラダにパスタに、シュワシュワしてる白いぶどうの飲み物。サイコー♪
もちろん、午後の教育講演「当事者と協働して治療アプローチを決めていく新しい方策SDMについて」はがっつり遅刻して参加。なんとなんと、講師の渡邊衝一郎さんは今から26年前、私が働き始めたばかりの頃の作業所(当時)に来てくれた医師だったのでした!
 
 私はもちろんペーペーだったけど、当時は渡邊さんもペーペーの医者で、O病院から紹介のあった利用者さんの主治医だったのです。その利用者さんを「どうぞよろしくお願いします」とご挨拶にみえたのです。後にも先にも廃屋同然の極狭作業所にスーツ来た医者が利用者さんのことを頼みに来るなんて、初めてだったのですよ。彼の名前の通り衝撃でした。
 そんな渡辺さんは、昔とまったく変わらず低姿勢でやわらかな物言い。わかりやすい説明。変わったのは髪の毛の具合だけ。思わず渡辺さんの診察曜日を調べたくなっちゃう。素敵すぎる医師でした。
 講演内容もすごくガッテンの連続で、「私も利用者さんと何か進路を一緒に考えるときにはこのやり方でやろう!」と説明するときの表とかをイメージしていました。目に見える形で説明して一緒に考えるって、やっぱり大事。お互いの関係が長くなるとつい話しただけでわかるって思ってしまって、怠ってしまうんですよね~。

 渡邊さんの教育講演にすっかり教育されちゃって、さあ後はお待ちかねの柳田邦男さんの講演。「挫折・喪失と生き直す条件~人生の「物語」を見つめて~」・・・・

 以下、全文は、おりふれ通信345号(2015年12月号)でお読み下さい。
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FGC研修に参加して

DPI障害者権利擁護センター 五位渕真美

きっかけ

 2015年7月17日から20日まで、Family Group Conference(以下、FGC)研修 in Tokyoに参加してきました。それまで聞いたこともなかったFGCでしたが、そのタイトルに「支配と強制のない世界へ」とあり、心惹かれたことが事の始まりです。

 幼少期、私は肢体不自由児施設に入所経験があります。障害があるということで地元の幼稚園、小中学校に受け入れを拒否され、また、機能回復訓練で少しでも体がよくなってほしいという両親の強い思いによるものでした。あらゆることが決められ、職員の顔色をうかがう生活に、私はよく「ここは現実ではない。私はずっと眠り続けていて悪夢の中にいるんだ」と夢想にふけっていたものです。思う存分お菓子や御飯を食べたかったし、毎日お風呂に入りたかったし、家族と一緒にいたかったし、もっと勉強がしたかったし、かなえられない望みばかりでした。それを声にできる機会があるはずもなく、自分から発信する力も術も当時は無でした。まさに支配と強制の世界の下、障害者として生まれてきたからにはがんばるしかない、自分さえ我慢すればそれでよいと自分自身を抑圧し続けていたと振り返ります。そして今この時も障害をもつ人の多くは隔離制限された環境での生活を強いられていることを忘れてはならないと常に思っています。

 現在、私はDPI障害者権利擁護センター(注)の相談員をさせていただき、日々、さまざまな障害をもつ方々の電話相談や、場合によっては面談や交渉等の同行も行っています。最近、精神に病気や障害をもつ人たちの継続的な相談が増えています。そこで感じることは、本人に対して、その周囲の人が、本人の理解や納得を得るまで情況の説明ができていないことにより、誤解を生み、それが不信感につながって関係性が悪化するという事例がみられます。もし本人の望む支援を丁寧に聞ける人がいたら…、もし本人を取り巻く現状課題について丁寧に説明できる人がいたら…、本人の生きにくさを軽減できるのではないかとよく考えます。本人と周囲の人たちが、本人の望む支援について同じ理解を得られるようにするものの一つとして、FGCは有効ではないかと思います・・・・

注:DPI障害者権利擁護センターとは
DPI日本会議(障害当事者団体で構成される国際NGO)が個人の権利侵害に対応するため、1995年に設立した権利擁護機関。障害をもつ相談員が自分の体験を活かして、障害当事者の視点から相談に応じている。
 連絡先:03-5282-3138(相談専用)


 以下、全文は、おりふれ通信343号(2015年9月号)でお読み下さい。
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エモーショナルCPR(eCPR)体験記

松田 博幸

◆ eCPRとは?
 エモーショナルCPR(eCPR)は、人がクライシス、つまり、心の調子が崩れて自分でなんとかしようとしたがどうにもならない状態にあるときに、周囲の人たち(友人、家族、近隣の人、専門職者、警察など)がどのように本人に関わればよいのかを身につけるためのプログラムである。2008年にアメリカで、精神障害をもつ当事者たちの手によって生み出された。それ以前に、2001年にオーストラリアで作られた「メンタル・ヘルス・ファースト・エイド」がアメリカに紹介されていたが、それが診断名にこだわった医学モデルに縛られたものであることに違和感をもった当事者たちが自分たちの手で生み出したのがeCPRである。CPRというのは、つながること(Connecting)、エンパワーすること(emPowering)、蘇生させる(Revitalizing)という3つの過程を表すと同時に、心肺蘇生法という意味をもつ。つまり、ある人がクライシスにある際に、周囲の人が本人と心と心のつながりをもてば、本人は情緒・感情的に息を吹き返すが、そのようなかかわりがないと命を落とすことにもなるということである。実際、警官から暴行を受けて亡くなるということが北米でも日本でも起きている。また、強制医療を通して命を落とす人もいる。

 私がeCPRに関心をもち、その開発者の一人であるダニエル・フィッシャーさんを訪ねたのは2010年のことであった。ダニエルさんの自宅でeCPRの説明を受け、その根底にある考えがわかってきた。人は、他の人と心と心のつながりをもっている間、自分の心と頭とがつながった状態を維持できるが、トラウマや喪失体験によって心と心のつながりが断ち切られると、自分の心と頭とが切り離されてしまい、それぞれが働かなくなるという考えである。クライシスをそのような状態としてとらえ、人と人との間の心と心のつながりを取り戻すための方法を身につけるためのプログラムがeCPRである・・・・


 以下、全文は、おりふれ通信342号(2015年8月号)でお読み下さい。
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eCPRのワークショップを開催して

NPOこらーるたいとう 加藤真規子

1.ワークショップ1日目
 怒涛のような3日間、5月21日院内集会、22日・23日ワークショップを終えて、5月の風は優しかった。町内会館での、コンビニのおむすびやスナック菓子、カルピスやウーロン茶での慎ましい打ち上げが、私は懐かしい。

 本当のところ、eCPRのことはまだよくわからない。しかし「勉強になりました」とかそういうご挨拶のようなことはいってはいけないような気持ちがする。ダニエルさんの期待に応えられなかった私だ。難しかった。

 最初、ダニエルさんは、きっと私は多少eCPRを理解しているのだろうと推測したのだろう。松田さんと私がロールプレイヤーに選ばれた。私は松田さんが初めて、こらーるたいとうにやってきた日の思い出を語った。台風の日で、こらーるたいとうは前日、地区の祭りにでたので、ちらかっていたし、私しかいなかった。私は、残っていたさつま芋を、オーブンで焼いた。焼き芋になるまでに4時間もかかったこと、お土産に祭りで使った手作りの看板を差しあげたこと。松田さんはそれでも大変喜んでくださって、カナダのトロントの当事者活動の場に、「こらーるたいとうはよく似ていますよ」といって下さった。遠い異国の、当事者の人々に親しみを感じた。続けて、私はうつ病になった引き金として、仲間と運営していたグループホームが火事になり、足場が崩れるような思いをしたことを話した・・・

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