学会に初参加して演題発表を体験!

飯田明楽 

 

私は若輩者の20代当事者である。今回、学会に初めて参加し、ジャーナリストの月崎時央氏と向精神薬が原因で起きた自分の体験について共同発表を行った。

奇しくも私の祖父が住む神奈川県横須賀の地で、第66回日本病院・地域精神医学会総会神奈川大会は開催された。今学会のテーマは『生きる基軸を求めて〜基本に立ち返っての提言〜』である。プログラムには医師に限らず、看護師・精神保健福祉士・当事者・弁護士と多種多様な人々による演題が掲載されている。

身体拘束に関する演題を聞いて

学会初日、私は一般演題①のテーマ『身体拘束・人権』の部屋に参加した。

身体拘束や人権にまつわる演題発表では、実際に病院で身体拘束を全廃にした結果と研究、車椅子ベルトの課題について、精神保健支援弁護士制度を活用した患者の権利擁護の報告などが発表された。身体拘束を全廃した研究では、現場スタッフから改めて身体拘束について検討した結果、否定的な意見が多く見られたそうだ。

実は私の祖父は家族が身体拘束を受けている場面に立ち合い、心に傷を被った1人だ。権力ある著名な精神科医がメディアで拘束について賛成的な意見を述べていた事は記憶に新しい。しかし身体拘束は、患者の人権と心を傷つけるのはもちろん、医療現場の医師や看護師だけでなく、祖父のように当事者の家族など、関わる人の心に傷やしこりを残すものだ。

私は当事者として、患者の人権を大切にしようと取り組む多くの発表者の姿勢に希望の光を見出した・・・

 

<以下、全文は、おりふれ通信429号(2024年1月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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当事者の皆さんと一緒に『学会へ行こう』プロジェクトを続けて

ジャーナリスト 月崎時央

 

私は精神保健福祉について‘90年代から取材をしているジャーナリストで、病地学会には以前から時々参加してきた。

2016年頃にメンタルサバイバーチャンネル(代表・不破令 以下MSCと表記)という向精神薬の問題について情報を発信する当事者メディアを作り、現在もその世話人をしている。

  MSC は2017年の松本大会を機に当事者とともに『学会へ行こう』というプロジェクトをスタートし、2018年の東京大会、2022年の京都大会(オンライン開催)でも交流企画『お薬・当事者研究』として多剤処方や誤診の問題を何度かとりあげてきた。

私が『学会へ行こう』プロジェクトを始めたのは、ジャーナリストとしてさまざまな学会に参加してみて、その場がいかに専門家の解釈や言葉で埋め尽くされ、当事者不在で進行しているかを目の当たりにしたためだ。

そういった精神保健福祉の状況の中で、病地学会は、小さいけれど、当事者や家族に門戸を開いている魅力的な学会だという印象を持っており、当事者の皆さんと一緒に学会に参加する機会を大切にしている。

 このため、4年ぶりの対面開催が叶った今回は『向精神薬と眼瞼痙攣についての考察』という演題発表と交流企画『お薬ダイアローグカフェ出張版!薬とリカバリーについて話そうよ』という2つを企画した。

実は、演題発表を行った20歳代の若手当事者飯田明楽さんは、昨年京都大会でM S Cが企画した交流企画『お薬・当事者研究』にオンラインで参加してくれたことが縁で、以来一緒に勉強会などを行うようになり活動をともにしている・・・

 

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11.22滝山病院事件を放置しない!入院者の地域移行を進めよう!都議会内集会

地域で暮らすための東京ネットワーク  早坂 智之

 

11月22日都議会内で、「滝山病院事件を放置しない!入院者の地域移行を進めよう!都議会内集会」が行われました。報告と感想を書いてみたいと思います

 

この集会は、多くの団体の共催で行われました。滝山病院事件がNHKの報道で発覚したのが今年の2月。それから9ヶ月。遅々として進まない入院患者さんの地域移行。それに対する怒り。又、滝山病院は以前から死亡退院率の多い精神科病院として有名でした。それを何年にもわたって放置し続けた我々の贖罪の意味が込められていたと思います。

 

集会は15時半に開会。司会挨拶の後は、一般社団法人精神障害者地域生活支援とうきょう会議代表理事の鈴木卓郎さんによる「滝山病院入院患者の退院支援をどう進めるか」と題した基調報告。滝山病院事件の現状・この先、東京都がやるべきこと・支援者である私たちがやるべきこと・市民社会の一員として私たちができることの4つに分けてお話しいただきました。鈴木さんのお話は、分かりやすく示唆に富んでいたと思います。

続いて、れいわ新選組・参議院議員、「滝山病院問題を考える市民と議員の連絡会議」の天畠大輔さんの報告。議員としてできること、市民としてできることの提起をわかりやすくしていただきました。その後、NPO法人トモニの細江昌憲さんからの「滝山病院へのアクセスの会」の設立の経緯と東京都への要望書とその回答書の説明。NPO法人全国精神障害者地域生活支援協議会あみの伊澤雄一さんから「滝山病院へのアクセスの会」の今後の活動方針の説明がありました。

 

ここで時間の関係で、都議会議員の方5名の方の発言。東京都議会生活者ネットワークの岩永やすよ議員、グリーンな東京の漢人あきこ議員、立憲民主党の五十嵐えり議員・関口健太郎議員・阿部ゆみ子議員でした。

 

そして、杏林大学教授・精神科医療の身体拘束を考える会の長谷川利夫さんから、11月20日に行われた社会保障審議会障害者部会の報告がありました・・・

当日の集会の模様は、以下のHPからご覧になれます  

https://www.youtube.com/watch?v=h_rhK-R37wo

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スィートタウン心の旅@静岡へ行ってきました。

おりふれ通信編集部 木村朋子

 

 

 寺澤暢紘さんのお誘いで、11月小春日和の日曜日静岡へ行ってきました。寺澤さんは、おりふれ通信昨年11月号、12月号に「なぜ精神障害者は議会の傍聴ができないのか」を寄せてくださった方で、長年静岡で「心の旅の会」という精神医療についての市民運動の会をしておられます。毎月の定例会は、会員の情報交換、バイオリン演奏などをして、内容を「心の旅の会々報」として発行。今回は年に一度の、人を集めて精神医療のことを知ってもらおうというイベント「スウィートタウン心の旅」でした。この会もコロナで3年間は内輪の集まりとなっていた由。以前は、バザリアの映画会や浦川からベてるの人々を招いた会などで100人もの人が集まったこともあったそうです。

 

今回は、静岡県沼津市のふれあいグループ精神科病院での昨年末の虐待事件に次いで、NHKの番組「ルポ死亡退院~精神医療・闇の実態~」等で滝山病院事件が社会問題化したことで、精神科病院の問題を取り上げようということになったそうです。そこで私が、長らく滝山病院の630統計を見てきて気づいていた問題、それが事件になり、今どのように入院者の退院促進が進んでいるか(いないか)というお話をするためのお招きでした。

  

この間おりふれ通信紙上でずっと取り上げてきたことをお話ししました。情報公開で得た死亡退院率の異様な高さや、看護職員数の極端な少なさと圧倒的に非常勤であることなど問題はずっとわかっていたのに、明るみに出し変えることはできなかったが、データがあったから今回の弁護士・テレビの働きが生まれ、議員・マスコミもデータを見て続く動きを作ってくれていること。身体障害当事者である天畠大輔議員や、大田区(生活保護入院者が地元八王子市より多かった)の鈴木敬治さんが、精神障害者が閉じ込められ、虐待されたことを、我がことのように問題にし、発言・行動されていること。東京都の入院者への意向調査で、滝山病院から退院したいと意思表示した人が、5月時点で39人いたにもかかわらず、9月時点で34人がそのまま残っていたこと、その間22人もの人が亡くなっていたこと。地域の相談支援センターやグループホームなどで働く人々が、東京都に退院支援に参加したいと言っているにもかかわらず、都は個人情報や家族の反対等を理由に退院支援の輪を広げようとしてこなかったことなどです。みなさん熱心に聞いて下さり・・・

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10月3日滝山病院前行動のこと

特定非営利活動法人こらーるたいとう  加藤眞規子

 

はじめに

 私は現実的に滝山病院に入院している患者さんが、一日もはやく、一人でも多く安心安全な場所に退院されることを願うばかりです。その応援がしたいです。そのために、私自身の健康を大切にすること、足元のNPOこらーるたいとうの活動を丁寧にすることに努力していきたいと思っています。

 

1 滝山病院へ初めていったこと

 930日に立川市の特定非営利活動法人トモニの細江昌憲さんと滝山病院へ伺いました。行きも帰りも八王子駅―滝山病院間はタクシーを使いました。「103日午後3時頃に要望書を提出させていただきたい」と申し入れに行ったのです。内容的には「入院中の患者さんを速やかに全員退院させてほしい。私たちもできる限りの協力・応援をさせて頂きたい」というものでした。

 八王子駅へ戻り細江さんとお別れをして、私は再度、北口6番バス乗り場から西東京バス「工学院大学経由樽原町行」に乗ってみました。滝山病院へは、「陶鎔(とうよう)小学校前」で下車し、長い坂を登っていきます。バス代は370円(片道)、乗車時間は30分ほどかかります。このバスは、毎時6分、26分、46分に出ています。

 私はできれば103日滝山病院前行動に参加して下さる方々全員が「要望書」を提出するところに立ち会えるようにしたいと思っていました。しかし滝山病院内に入ることは無理かもしれないと思いました。すでに呼びかけ文に応えて賛同者賛同団体はかなりの数になっていたからです。

 滝山病院は「非常に辺鄙なところにある」といわれて来てみると、バスで賑やかな八王子駅周辺に出ることができ、もよりのバス停から10分から15分歩く精神科病院は都内に結構あるのではないかと思います。

 滝山病院の受付のところに、パンフレットが置いてありました。そして並んでおいてあったパンフレットは「民間救急移送」のものと、「心肺蘇生法」のものでした。これだけ見て、入院を決められてしまう患者さんもあったのだと思うと、大変恐くなり、つくづく患者さんが他人事とは思えなくなりました。まっとうな精神科病院では、民間救急移送を使ったり、患者さんが裸に近い状態で運び込まれたりした場合は、入院を断る病院もあります。

 患者さんを精神科治療に繋げることはいわば関わりの正念場であり、多くの仲間が「精神病になったことよりも、酷い病院に強引に入院をさせられたことのほうが傷になっている」と訴えています。こらーるたいとうの電話相談に寄せられる相談の中に、「いい病院を紹介して下さい」というものがあります。「いい病院」は一人ひとりの方との相性の問題もあり、難しい質問ですが、「やめておいたほうがいいという悪い病院」については答えるようにしています。患者さんもご家族も情報の少ない中で非常に大切なことを決めるのですから、私たちはなるたけ正しい情報を得る努力をして、答えてきました。

 

2 103日(火曜日)滝山病院前行動

 事前の呼びかけに、33団体、個人が賛同してくださいました。当日230分現地集合。6070人が滝山病院前に集まりました。しかし結局、私たちは滝山病院の門のチェーンの中には、入れてもらえませんでした。理由は事務長がインフルエンザに罹患して不在であること、「患者さんの最後を看取ることのどこが悪いのか」ということでした。しかし要望書を渡すときは、玄関の前で渡すことになりました。

 午後230分から3時までの間、チェーンの外側の急な坂で、参加者同士で、自己紹介と今日参加した理由等を伝えあいました。

以下、一部の方の発言を紹介します。

天畠大輔:私は参議院議員の天畠大輔です。私は14歳の時、医療ミスにより四肢麻痺、発話障害、嚥下障害、視覚障害を負いました。障害があることで人生の選択肢は本当に狭かったです。幸運なことに、昨年7月からは参議院議員として国会で仕事をさせていただいています。

この滝山病院で虐待事件が発覚してから半年以上が経ちました。入院患者の皆さんに心を寄せ、議員として私なりの方法で貢献することはできます。今年320日の予算委員会質疑で滝山病院のことを取り上げました。その際には精神科病院問題を議論する時に人権擁護の観点が足りていない点を重視しました。もちろん、虐待防止発見の仕組み、診療報酬、不正請求の追求、生活保護行政として適正だったか、などの検証と改善は必要です。

しかし、より急ぎ重視されるべきは、虐待を受けた方、間近で見た方、今も病院内に残っている方たちの退院、転院、新しい生活のための支援ではないでしょうか。当事者性の回復、つまり自らが直面する困難がどのようなものかを自覚し、病院をはじめ社会全体に訴えていけるようになっていく。そのような当事者性の回復過程を、病院内外の支援者が支えていく仕組みが必要です。

今年8月には市民団体の皆さんと一緒に「滝山病院問題を考える市民と議員の連絡会議」を立ち上げました。本日時点で280もの個人団体から賛同をいただいています。今日、滝山病院に要望書を持参されたのは、長年、地域生活や権利擁護活動を担ってきた障害当事者や支援者のみなさんです。虐待事件とその後の入院患者さんたちの処遇を気にかける市民がこんなにもいらっしゃいます。 適切な医療、適切な地域生活支援を受けながら、どんな障害があっても自分らしく暮らせるようにしたい。病院側の皆さんには、この要望書に少しでも歩み寄っていただきたいと願っています。ともに頑張っていきましょう。

相原啓介:今日、こういう形で申し入れと、小さい集会みたいな形をとったことは、とてもよかったと思います。「滝山病院をどうする」という問題が残っていますし、もっと構造的な問題――こんなことを繰り返さないようにどうしたらいいのかという問題があります。天畠議員がおっしゃったように、今100人ぐらいの方が残っているわけですよね。それで退院したいと言っているけれども、全然実現しない。残念ながら虐待が今もないかどうか、わからないです。非常にずさんな治療で、寿命よりも早く亡くなってしまう方もおそらくいるんじゃないかと私自身は思っているところです。中に現実にいらっしゃる方と直接つながりたい、お手伝いしたいという声を、今日届けられるのは、とても大きな意義があると思っています・・・

 

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さんきゅう秋祭りと新生存権裁判東京

さんきゅうハウス 神馬幸悦

 

私は現在週3回の人工透析を受けているため、どうしても病院中心の生活にならざるを得ず、普通に働くことはできません。そこで、立川市にある「さんきゅうハウス」という生活困窮者に住居や食事提供等のサポートをしているNPO 法人で働いています。

そこで毎週土曜日、お弁当(他にレトルト食品、お菓子、パン、飲み物)を配布しています。毎回20数食から多い日は30食出ます。

 

10月21(土)11時から15時にてさんきゅう秋祭りが行われました。焼きそば、バーベキュー、コーヒー、ジュース等を提供しました。最後は、恒例のビンゴゲームを行いました。お天気にも恵まれ、スタッフとお客様合わせて5 3人の参加者。またカンパも30,000円を超えるほどいただきました。本当にありがとうございました。

予定していたにもかかわらず相談に来れなかった方がいたらしいのですが、逆に予定してなかった新たな相談者も来たらしいです(申し訳ございませんが、神馬はこの日体調悪くて欠席しました)。いずれにしても相談者は毎月絶えることなく何人か訪れてくる状況が続いております。これから年末年始に向けて生活がいっそう厳しくなる人が来るかもしれませんので、みんなで対応したいと思ってます。

 

10月16日に行われた新生存権裁判東京で神馬は意見陳述をしました。

この裁判は、年内12月121330分より最後の裁判(結審)が東京地裁103法廷室で行われ、判決の日が決まります。

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「滝山病院への偽装による強制入院~所沢市の事件から   医療保護入院を考える」に参加しました

東京地業研 山本則昭

923日、浦和で開かれた会は、埼玉県精神医療人権センターが主催し、話題提供者は相原啓介弁護士と藤井千代医師でした。

この事件は、所沢市の職員が、家族がいるにもかかわらず市長同意で滝山病院に医療保護入院させたというものです。その方は、精神疾患の治療と共に人工透析も受けていて、精神状態が不穏となり人工透析を拒否しましたが、他の受け入れ透析機関が見つからないということで透析可能な滝山病院に入院させられたのです。この方には家族(姉)がおられますが、「家族は音信不通」と嘘の文書を作成して市長同意の医療保護入院としました。市の生活保護(生活福祉課)と障害福祉(保健センター)の職員7人が書類送検されています。これは、その方の退院支援に相原氏が関わったことで判明しましたが、そうでもなければ闇に葬られたのでした。

相原氏も当日話しておられましたが、どれだけ透析の受け入れ機関を探したのか、強制入院という形をとらなければ透析治療の継続が不可能という判断をどのようにしたのか、文書の偽造までしたのは何故か、入院先は滝山病院でなければならなかったのかなど疑問は尽きません。残念ながら、当日の会でもその疑問は晴れることはありませんでした・・・

 

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滝山病院事件を地域で考える学習会を開催しました

社会福祉法人プシケおおた 青木範子

 

2023年9月9日、社会福祉法人プシケおおた内実行委員会主催で「滝山病院事件を地域で考える学習会」を開催しました。

私の働く社会福祉法人プシケおおたは大田区にあります。主に精神障がいをお持ちの方の支援をしており、生活支援センターⅠ型、グループホーム、B型作業所、地域生活安定化支援事業、自立生活援助事業を行っています。私はその中のこうじや生活支援センターにて地活Ⅰ型業務と計画相談、地域移行、地域定着支援を行っています。

学習会ではNHK「ルポ死亡退院~精神医療・闇の実態~」にて退院支援をされた弁護士の相原啓介先生、NPOトモニ代表で滝山病院退院支援連絡会の細江昌憲さん、横浜市コトブキ共同診療所医師の越智祥太先生、社会福祉士と精神保健福祉士の常数英昭さんが登壇してくださり、108名の方が参加してくださいました。

 相原先生と細江さんからは滝山病院内での違法行為や事件の現状を教えていただきました。今回の報道により社会的非難が集中していることや遅々として進まない退院支援について、また滝山病院でたくさんの方が亡くなっている現状に対して、1日でも早く退院をするためには地域の支援者が協力していくことの大切さを実際に退院支援されているおふた方からお話しいただいたことはとても力強く、切迫したものでした。

越智先生からは現在の勤務地で透析治療を受けながら精神科の外来通院をされている方の実例を挙げて、地域で支えていくことについてや「目の前からいなくなれば安心」という心理が働き「手っ取り早く」解決を求める効率主義と適応主義が人権の軽視を生んでしまうこと、常数さんからは長期入院をされている生活保護受給者の支援や生活保護法に基づいた制度等お話しいただきました。今回の学習会では様々な立場から見える滝山病院問題について考えることができるきっかけになったと思います・・・

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「なぜ精神病院での虐待事件は繰り返されるのか?」に参加しました

山本則昭

5月20日、当事者主体の活動を続ける「ほっとスペース八王子」が主催する学習会に参加した。前半は精神科医師の竹内真弓氏の講演会後半は竹内氏を含む4人の方のシンポジウムだった。

 

[家族に依存する日本の福祉・精神医療]

竹内氏は、現在代々木病院精神科科長をされているが、東京都に勤務されたことがあり病院監査指導に当たっていたこともある。また、「引きこもり成仁病院裁判」で強制入院被害者(原告)の支援にもかかわっておられたという。まずは引きこもりの話で、長期化高齢化と共に興味深かったのは、親との同居率の国際比較で、70%と高いのが日本、韓国、イタリア、スペイン、一方低いのは英国、米国とのこと。自民党は1979年「日本型福祉社会」を提唱し「男性は企業、女性は主婦」という家族主義を日本社会のありかたとした。障害年金受給者も生活保護制度利用者も欧米に比べ日本が低いというというデータを紹介、「日本の国家は、歴史的に家族に責任を押し付けてきた」と竹内氏。日本の精神医療が、民間精神科病院による入院医療と家族による医療保護入院制度に依存して成り立っていることと符合するのだと改めて感じた次第。

[引きこもり成仁病院入院事件]

事件の概要は以下のようだ。2018年、30代男性が引き出しや(=引きこもりの人を連れ出す業者)に拉致、監禁された後成仁病院に医療保護入院させられ身体拘束もされた。病院は家族と引き出しやの話のみで入院を判断、精神保健指定医の診察もなかった。同病院の医師は診療情報を引き出しやに提供、「業者の施設に戻るのじゃないと退院を認めない」と言ったという。後日男性は、引き出しやと病院を相手取って提訴した。その時原告側にたって竹内氏は意見書を提出した。「カルテからは医療保護入院に必要な状態、隔離拘束の必要性が読み取れない。入院時の診察に本人の許可なく業者を同席させたのは問題」等の主張をした。判決は、違法な医療保護入院と業者の不法行為を認め、男性の勝訴となった。報道された情報によると、監禁時警察官も現認していたが、何の手助けもしなかったという。一旦「精神障害」や「引きこもり」とされると白昼堂々と拉致、監禁が可能になってしまう。この事件では病院のやり方が杜撰であり医療保護入院の要件を欠いていたが、手続きが整っていれば不当性を証明するのは至難の業だ。なお報道によると引き出しやが運営する「あけぼのばし研修センター」では、2017年にも入所者が餓死するという事件が起きていて、これも裁判になっているという。

 

[精神保健福祉法は患者を守っていない]

そして滝山病院事件について。竹内氏は東京都の病院監査指導にも携わっていたことがある。「東京都の予定監査は、病院の強力に基づいて行うもので、問題が発見されることは難しい」とのこと。竹内氏も滝山病院に前院長時に入ったことがあったが、何の問題も見つけられなかったという。「精神保健福祉法は患者を守っていない」と言い切った・・・

 

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もうこれで最後にしよう! 滝山病院事件の問題点の徹底追及を通して精神医療体制の転換を目指す院内集会 第2弾 「情報公開」に焦点を当てて 参加記

東京地業研 木村朋子

 

4月13日、表記の会が衆議院第2議員会館で開かれた。第1弾は3月13日。そこで東京地業研として、情報公開で得た1987年以来の東京都精神病院統計(その後630統計)に見る滝山病院について、90年代、2000年代、2010年代、2020年代にわたって報告した。

 1987年以来滝山病院は一貫して、死亡退院率が高く(1987年72%、2021年64%、ちなみに2021年は自宅やグループホームへの退院は0%)、有資格看護職員が少なくかつ非常勤が多く(1987年看護者数非開示、2021年常勤有資格者13人、非常勤120人)、外来がなく(1987年、2021年ともに0)、生活保護の受給率が高く(1987年36%、2021年55%)、地元からの入院が少なく広域からの入院を受け入れているというのが特徴である。良いとされる精神科病院は、回転率が高く(短期入院が多い)、退院した患者さんが外来通院し、そのついでに病棟に立ち寄って入院している人や職員に刺激や励ましを与え、地域との結びつきともあいまって、病院の風通しがよいというイメージがあるが、滝山病院はその正反対の条件をそろえていると言える。
同じ内容をこの間、今号に報告のある東京精神医療人権センター勉強会、精従懇、病・地学会の滝山病院問題オンラインカフェ等で報告し、マスコミの取材も受けてきた。若い新聞記者に「問題がわかっていたのに、なぜこんなに長い間改善されなかったのでしょうか?」とまっすぐなまなざしで問われ、グサッときた。わかっていたけどこの45年変えられなかった。今回のような隠し撮りによる取材とテレビでの放映という思い切った手段によらなければ、世に問うこともできなかった。残念ながらそれが現実だ。

しかし45年前から積み上げてきた情報公開請求と得たデータの個別病院ごとの公表という活動があったから、今回長く続いてきた滝山病院問題ということを明らかにできたという面もある。そのことに焦点を当てたのが今回の院内集会第2弾であった…

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