医療DXにおける情報管理と懸念

福冨一郎 with Gemini(AI)

 

医療分野でのデジタル変革(以下、医療DX)は、私たちの医療体験をより便利にする可能性を秘めている一方で、医療情報の管理やプライバシーに関して、いくつかの重要な懸念も生じています。

 

<医療情報へのアクセスとプライバシーの懸念>

誰があなたの医療情報にアクセス(読んだり書き込んだり)できるのか

現在、あなたの医療情報、例えばカルテ(医師が診療内容を記録するものです)には、主に以下の人々がアクセスできます。

 * 医療機関のデータ管理者: 病院やクリニックのシステムを管理する人が、電子カルテなどのシステムを適切に動かすためにアクセス権を持っています。

 * システム開発者・保守担当者: 電子カルテなどのシステムを作ったり、トラブルが起きたときに直したりする会社の人が、その作業のためにアクセスすることがあります。

 * 医療従事者(他科の医師、看護師など): 緊急時や、あなたの治療に必要だと判断された場合に、あなたの情報を見ることができます。

しかし、将来的には、より多くの人があなたの医療情報にアクセスできるようになる可能性があります。例えば、障害年金や障害者手帳の審査を行う担当者、地方自治体の福祉職員、企業の障害者採用担当者、さらには相談員やケースワーカーといった各種支援職の人々もアクセスできるようになるかもしれません。

懸念されるのは、このように医療情報の利用範囲が福祉や就労支援といった場面にまで広がることで、あなたの情報がどのように使われるかが見えにくくなり、プライバシーが侵害されるリスクが高まることです。

「誰が自分のデータを見たのか」という問題

私たちは、自分の医療情報が誰に、いつ見られたのかを知る権利があるはずですが、現状ではその仕組みが十分に整っていません。

 * アクセスログの非公開: ほとんどの医療機関では、誰がいつどのデータを見たかというアクセスログ(閲覧履歴のようなものです)を記録しています。しかし、患者である私たちがこのログを自由に確認できるような仕組みは、まだ整備されていないのが現状です。

 * 情報漏洩のリスク: もし、本人確認が不十分なまま医療情報へのアクセス権を持つ人を増やしてしまうと、かえって情報漏洩や不正利用のリスクが高まる可能性があります。

 

<データ管理体制の複雑さと国際的なリスク>

複雑なシステム管理

医療DXを推進しているのは厚生労働省ですが、実際のシステム運用や開発、管理の多くは、外部の企業に委託されています。さらに、その外部企業がまた別の下請け企業に再委託することも珍しくありません。このため、「最終的に誰が私たちのデータに触れているのか」が非常に不透明になりがちです。

サーバーの分散管理と国際的なリスク

あなたの医療データは、サーバーと呼ばれるコンピューターに保存されています。サーバーとは、簡単に言うと「データやサービスをインターネットを通じて提供するコンピューター」のことです。災害対策のため、これらのサーバーは日本全国の様々な場所に分散して設置されています。しかし、その具体的な設置場所は非公開であり、どこにデータがあるのかを把握するのが難しいのが現状です。

さらに、もし外国の企業が日本の医療データの管理を請け負っている場合、国際的なリスクも存在します。例えば、その企業がある国で戒厳令のような非常事態が発令された場合、その国の政府によってデータが押収されてしまう可能性もゼロではありません。インターネットを通じて行われるデータ管理は、事実上、国境を越えており、国家単位での管理が非常に困難になっているという現実があります。

 

<精神科カルテ情報の特殊性と共有の課題>

特に精神科のカルテ情報には、他の診療科とは異なる特性があり、その共有には特別な配慮が必要です。

精神科データの性質

 * 主観的な記載: 精神科のカルテは、血液検査のような客観的な数値データだけでなく、患者さんの感情や医師の所見といった主観的な記載が中心となります。

 * 記載の統一性の欠如: 医師によってカルテの記載スタイルが異なったり、同じ病気でも医師によって診断名にずれが生じたりすることもあります(例えば、薬を処方するための診断名と実際の診断名が異なる場合など)。

 * 医師と患者の関係性: 医師と患者さんの相性によって、カルテに記載される内容が影響を受けることもあります。

他科医師に本当に必要な情報とは?

他の診療科の医師が精神科の情報を必要とする場合、通常は「現在服用している薬の情報」や「血液検査、脳波検査などの検査記録」など、治療に直接的に関わる最小限のデータで十分なことが多いです。

提案:情報共有の細分化

このような特性を踏まえると、精神科の詳細な情報をすべて開示するのではなく、必要最小限の情報だけを共有するような設計が望ましいと考えられます。具体的には、電子カルテに入力する際に、「どこまで他の診療科や外部機関に共有するか」を患者さんや医師が選択できる機能の実装が求められます。

 

<将来に向けた予測と懸念>

遠隔診療とデータ化

近年普及が進む遠隔診療(オンラインでの診察など)では、ビデオ診察の録画データが電子カルテに保存される可能性もあります。これにより、さらに詳細な患者情報がデータ化されることになります。

製薬会社によるデータ活用

患者さんのデータが詳細化され、量が増えれば増えるほど、それは製薬会社にとって非常に価値のあるマーケティングや研究資源となり得ます。患者さんの同意なしにこのような情報が活用されることのないよう、慎重な対応が求められます。

 

<全体まとめ>

医療DXは、医療の効率化や利便性の向上を目指すものですが、同時に情報漏洩のリスク拡大、管理主体の不透明化、そして個人の尊厳侵害といった重大な問題を抱えています。特に精神科領域においては、情報の性質上、より慎重な設計と、患者さん本人の同意と選択権を重視した情報管理が不可欠です。

あなたの医療情報がどのように扱われるべきか、あなたはどのように考えますか?

 

<編集部から>この福冨さんの記事(AIが共著者というのがさすがというか、デジタル化に乗り遅れている私には、デジタル化は既に進んでいて、だからどうつきあうか、歯止めをかけるべきかの工夫は必須なのだろうと感じさせられました)は、4月号の「医療のDX化はバラ色の未来なのか?」から毎号つづいているシリーズの一区切りとなるものです。これについては、全国の当事者グループにお送りしてご意見をお願いしていますが、今のところ反響はありません。自分のことを考えても上記のように、取り組みが必須と感じてもどうすればいいのやらという感じなのでそういう人も少なくないとは思いますが、ずっと続く課題なのでねばり強く取り組んでいきましょう。

 

 

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医療DX(デジタル)化と精神医療の交差点:バラ色の未来か、それとも新たな分断か2

【編集部から】この記事は、前の記事の冒頭に記したように5月1日の「医療DX(デジタル)化と精神医療の交差点:バラ色の未来か、それとも新たな分断か」の続編で、内容が編集部にはむずかしかったので、紙の「おりふれ通信」には解説版を掲載し、ブログにはこの黒岩さんの原稿も掲載しているものです。

精神疾患を抱えた)システムエンジニアの視点から 黒岩 堅

 医療DXの一環として、電子カルテやマイナンバー保険証を用いた医療情報共有における監査ログ(アクセスログともいう=誰が、いつ、どこから、どの患者さんの情報を見たかの記録)の有無や仕組みは、非常に重要なプライバシー保護の観点です。以下に確認方法とポイントを整理します。

■ 監査ログの有無を確認するための観点

1】電子カルテシステム単体での監査ログ

  • 多くの電子カルテベンダー(富士通、NECPHC、富士フイルムなどの業者)は、アクセスログ機能(誰が・いつ・どの端末から・どの患者情報にアクセスしたかを記録する機能)を提供しています。
  • ただし、病院ごとに設定・活用状況が異なるため、「システム上の機能があっても実際に記録・確認していない」ケースもあります。

確認方法

  • 通院中の病院の診療情報管理室または医療情報システム管理部門に対して以下のように尋ねてみてください:

「電子カルテの閲覧履歴(アクセスログ)は保存されていますか?また、希望すれば自分の医療情報に誰がいつアクセスしたか確認することは可能ですか?」

2】マイナ保険証を使ったレセプト情報のオンライン閲覧ログ

  • マイナンバーカードで医療機関を受診した場合、「マイナポータル」(=デジタル庁が運用するオンラインサービス。正式名称は「情報提供等記録開示システム」)というインターネットサイトで、自分の薬や病名などを確認できます。
  • しかし、医療者側の誰が・いつ、その情報を参照したか(閲覧ログ)は、現時点で、マイナポータル利用者には公開されていません。

確認先

  • デジタル庁または厚労省「オンライン資格確認等システム事務局」
  • 一般の問い合わせは以下:
    • オンライン資格確認等コールセンター(0120-95-0178
    • マイナポータル お問い合わせフォーム

■ 問題点・懸念点

項目

現状

懸念点

電子カルテの閲覧ログ

ベンダーごとに存在。ただし活用に差

患者本人が確認できない施設も

マイナ保険証経由の情報共有ログ

医療者側の閲覧履歴は非公開

誰がどこまで見たかが患者に不透明

患者への説明義務

不明瞭(機器操作で同意が取られているが)

実質的な同意か疑問が残る

■ 改善提案と要求の方向性

  1. 「患者自身が監査ログを確認できる機能」の制度化
  2. 医療者側に「閲覧理由の記録」義務を持たせる
  3. アクセスの粒度(処方だけ、病名だけ等)を選択可能にするUI改善(=誰が、どの情報に、どこまでアクセスできるかを細かく設定できるようにすること)
  4. 同意を取った記録の文言・操作ログの保存

まとめ

  • 電子カルテの監査ログはシステムとしては存在しているが、患者が確認できるかは施設ごとに異なる。
  • マイナ保険証での情報共有における「誰が見たか」の記録は原則非公開で、制度的な課題が残る。
  • 確認のためには、診療機関・電子カルテベンダー・厚労省窓口へ個別に問い合わせる必要があります。

    補足
    https://www.soumu.go.jp/main_content/000760676.pdf のP10で下記の内容があります。マイナンバーは住基カードと同様のことは起こりえるシステムとなっております。

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4.23精神国賠傍聴記

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本人の意志を顧みずまわりが勝手に決めていく
そういう社会はいつ変わるのか?        ピープルファースト奈良支援者 渡辺哲久
4月23日、伊藤時男さんの長期入院国賠訴訟の控訴審にピープルファースト奈良3名で参加しました。裁判長は事実調べの申請を却下、即日結審しました。地裁の不当判決を見直さないという宣言なので、敗訴が確実です。でも伊藤さんは「裁判には負けても、少しでも何かを残せれば」とおっしゃっていました。伊藤さんが入院中に、退院したいと言って退けられ自殺したなかまのこと、鉄格子の部屋に閉じ込められたけど隙を突いて飛び出し、池に飛び込んで溺死したなかまのことを話されていました。
「法に基づいてやったから合法」というのは、優生保護法裁判で国が主張し続けた主張です。まだ言うか。「本人は退院の意志を明確に伝えていない」というのは、優生では「除斥期間の20年の間に訴えを起こさなかったから無効」と言われてきました。「差別があり支配されていたから訴えられなかった」と優生の最高裁判決は言っています。
報告集会では、渡辺から「優生保護法の裁判では、地裁判決で当初7件敗訴が続き、2022年に大阪と東京の高裁で逆転勝訴して以降の地裁判決は6件すべてで勝訴。最高裁が差別を認め完全勝利しました。国が除斥期間を主張するのは職権濫用とまで言いました」と優生手術裁判の経験を報告。参加したピープルファースト奈良の阪本里恵さんは「私は入所施設に入ったことがあるが、何もかもまわりが決め、私の意志は関係なかった。自分の意志では出られなかった」と発言。同じく西本春夫さんは「生まれてすぐ乳児院に入れられてから32年施設にいました。そこで生きていくのに精一杯でした。施設を出て仕事がうまくいかなくて精神科にも入院しました。7月10日の判決も来ます」と発言しました。
精神病院と入所施設
入所施設をなくせ!がピープルファーストの始まりであり、目標です。今も13万人のなかまが入所施設に閉じ込められています。
ピープルファーストは、この2月に厚生労働省と十数年ぶりの交渉をして、「施設をなくせ」と求めましたが、国は「ピープルファーストが施設をなくせと主張していることは知っているが、施設に入所している人の親の人たち、施設を運営している人たちは施設をなくすなと主張されます。国が言えるのは地域移行を進めることだけです」と相も変わらずの答えです。
この壁を突き破れません。
みんなで力を出し合わないと進めません。それでピープルファースト奈良のなかまで話し合って、「精神病院のことを学ぼう」「伊藤さんの国賠訴訟を応援しよう」と今回初めて参加しました。
2022年9月、国連の障害者権利委員会が「精神病院と入所施設への隔離はやめろ」と勧告したのに政府は無視しています。
みんなで力を出し合って、あきらめないで進みましょう・・・

 

<全文は、おりふれ通信443号(2025年5/6月号)でお読み下さい。ご購読(年間3,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

 

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医療DXと精神医療の交差点:バラ色の未来か、それとも新たな分断か

精神疾患を抱えたシステムエンジニアの視点から 黒岩 堅

  1. 精神医療における情報共有のリスクと葛藤
  • プライバシーの深さと共有の危うさ

精神科の診療では、患者が過去の体験、対人関係、内心の葛藤を語り、それがカルテに記録されます。これらは他科の「客観的データ」と異なり、極めて主観的で個人の尊厳に深く関わる情報です。この情報が医療機関間で共有されることで、患者の「語る自由」や「隠す自由」が脅かされかねません。

  • 差別や偏見の温床

現場では、精神疾患が他科で軽視されたり、「精神科の薬のせい」と決めつけられたりする事例が後を絶ちません。情報共有が進むことで、むしろ不当なレッテル貼りや治療差別が助長される危険性があります。

  • 「便宜的病名」や誤解のリスク

保険制度上の都合でつけられたレセプト病名が、電子カルテで他院にそのまま伝わってしまうこともあります。こうした“制度と現実のズレ”は、患者への誤解や不利益な対応につながりかねません。

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  1. 医療機関ごとの治療方針の違いが生む構造的なズレ
  • 診断名や処方方針の多様性

精神科医療は、大学や病院によって診断基準や治療方針に幅があります。同じ症状でも「統合失調症」と診断されるか「適応障害」とされるかで、患者の社会的な受け止められ方は大きく変わります。

  • カルテ記録の文脈性

記録スタイルも大きく異なります。ある医師は対話を丁寧に記述し、別の医師は評価スケール中心で記載します。その差が共有された際に誤読や偏った判断を招く可能性があります。

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  1. システム設計上の限界と改善の方向性
  • データは「正しい」か?「意味が通じる」か?

電子カルテ共有の前提は「共有される情報が正しく解釈されること」ですが、現実には医療機関ごとの記録方針・診断傾向の違いにより、“情報の意味”が異なることをシステムは考慮していません。

  • アクセス制御と選択の自由の欠如

現在の設計では、精神科の情報が他科と同様に共有される設計が基本です。患者が「一部情報を見せたくない」と希望しても、その実装は不十分であり、“全てを見せるか、何も見せないか”という二択しか与えられていないケースが多いです。

  • UI/UXの配慮不足

患者が情報共有を「拒否する」選択をするには、直感的で分かりやすいインターフェースと、選択によって不利益が生じないという明確な保証が必要です。現状は、説明不足・誤解を招く設問・心理的圧力などが拒否の自由を奪っています。

結論:医療DXは“誰のため”かを再確認すべき

医療DXの本質は、患者中心の医療を実現することにあるはずです。しかし、現在の制度や設計は、管理効率や行政目的を優先し、当事者の尊厳や文脈を置き去りにしている側面が否めません。

特に精神医療では、診療内容が極めて個人的かつ機微なものであるため、「情報共有=善」と単純に語ることはできません。多様な医療文化や個人の意志を尊重する設計思想、そして分岐可能な選択肢と説明責任を持った運用が必要です。一当事者としては思います。

 

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ピア・レスパイトとは?

松田 博幸

すでに精神科病院に入院している人が地域で暮らせるようにするということは、いうまでもなく、とても重要なことであるが、加えて、地域で暮らしている人たちが精神科病院に入院せずにすむようにするということもとても重要だと思う。そして、後者を実現するにはどうすればよいのかを考える際に、アメリカにおいて、当事者の運動から生まれ、展開されるようになったピア・レスパイト(ピアラン・レスパイトとも呼ばれる)について知ることが、とても参考になるのではないかと思う。以下で、ピア・レスパイトとはどのようなものなのかを示すことができればと思う。

個人的なことから書き始めたい。

一昨年の11月に長年連れ添った連れ合いが突然倒れた。私は救急車を呼び、連れ合いは病院のICUにおいて意識のない状態で治療を受けることになった。てんかんの発作とのことだった。状態はどんどん悪くなり、いつ亡くなるかわからない状態になった。ほぼ奇跡的に命は取り留め、その後意識は戻ったが、脳が委縮し、私のことも含め、記憶がほとんどなくなってしまったことがわかった。その後、状態が悪くなり、身体は動かなくなり、言葉を発しなくなった。現在は寝たきりで、意思疎通ができない状態で施設に入所している。

精神医療、精神保健福祉の領域においてクライシス(危機)という言葉が使われる。ようするに、心の調子が崩れてどうしようもなくなる状態のことであるが、一連の出来事を通して、私はクライシスを何度となく体験した。それまで当たり前に存在していた「日常」が壊れてしまった。そして、常識的な考えや価値観がまったく役に立たなくなってしまった。住み慣れた家を焼け出されたような感覚をもつようになった。「日常」や「常識」とは違う何かを頼りにしないと生きていけなくなったが、その「何か」を自らの手で見つけ出す、あるいは、創り出すしかなくなった。

 そんななか、私の助けになったのは、他の人たちとのつながりや、苦しい状況を生きのびた人たちの言葉だった。薬も役に立ったが(抗不安薬のおかげで、自分の状態を他の人たちに向けて書くことができた)、大きく役に立ったのはそれらだった。

 また、生きるというのはどういうことなのか、生命(いのち)とは何なのか、意思疎通のできない人とどうやってつながればよいのかなど、「常識」は答えを出せない問いに自分で取り組まざるをえなくなり、そうすることが私の生活や人生そのものとなった。世界観が一転した。

 私がそのような状況に置かれているなか、このたびピア・レスパイトに関する原稿の依頼を受けたことは、何かの縁があったようにも感じる。なぜなら、ピア・レスパイトというのは、まさしく、人が体験する、以上のような状況に対応するものだからだ。

 アメリカにおいて展開されているピア・レスパイトは、人がクライシスにあるとき、短期間滞在し、精神科病院への入院を回避することができる場であるが、クライシスの体験をもつ当事者がスタッフを務め、当事者主導で運営されている。医療の場ではなく、病院とはまったく雰囲気が異なる。私も実際に訪問したが(アメリカ、ニューヨーク州の「ローズ・ハウス」)、病院とはまったく異なる場で、人が安心して休息できる場だと強く感じた。(トイレを借りたが、小さなプレートが置かれており、「希望」(Hope)という文字が描かれていたのも印象に残っている。)

2020年に、アメリカにおいて、全国にあるすべてのピア・レスパイトを対象として実施された調査(「ピア・レスパイト基本概要調査」(Peer Respite Essential Features Survey)によると、14の州で計32のピア・レスパイトがあり、27が当事者運営の組織によって運営され、3つが自治体(州、郡、など)によって運営され、2つがそれら以外のサービス提供組織によって運営されていた。予算については、半分を超える18$200,000-$499,000に分布しており、各ピア・レスパイトの資金源の割合を平均すると、最も割合が大きかったのが州政府(メディケイドは除く)であり(53%)、ついで、郡などの自治体であった(28%)。滞在可能な定員は、最少が2人、最多が20人であり、平均は4.6人(中央値は4人)だった。また、滞在可能な日数については、1つが最長日数を定めていなかったが、残りの31については、最短が5日、最長が30日、平均は8.5日(中央値は7日)だった。

次に、ピア・レスパイトで何が生じているのかを述べたいが、何を述べればそれがもっともよく伝わるのだろう? まず浮かぶのは、ピア・レスパイトに滞在した人の体験談を紹介すること・・・・・・

<全文は、おりふれ通信442号(2025年4月号)でお読み下さい。ご購読(年間3,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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適応障害・うつ病 発病から1年~病気とのおつきあい・療養記~

藤井雅順

 

2023年の11月に適応障害の診断を、そして今年20241月にうつ病の診断を受け、ちょうど1年というタイミングでの執筆になります。この1年は激動の一年間でした。私の労働問題に関することは、三多摩合同労働組合(問い合わせ℡0425260061)より2024929日に発刊されました機関紙「ユニオン」をお求めいただきご一読いただけたらと思います。紙面の都合上、こちらでは割愛させていただきます。

 ここでは当事者となっての病状の変化となった転換点、そのフェーズを振り返りながら生活の変化や工夫を中心に書かせていただこうと思っています。現在、2週間に1回の間隔で精神科への定期通院・カウンセリングを継続的に受け続け、今日に至ります。通院先のメンタルクリニックが新宿ということもあり、通院日は東京見物を含めた楽しみの日でもあります。ディズニーストアやちいかわグッズ販売店など、クリニック近所に楽しめる環境もあります。新宿西口では都庁展望台も楽しめるスポットです。お金をかけずに楽しめるスポットを探してみるのもいいものです。

 さて、発病してから当時は恐怖心・希死念慮の日々、この世から消えたくなる気持ちを通り越したことも少なくありませんでした・・・

<全文は、おりふれ通信439号(2025年1月号)でお読み下さい。ご購読(年間3,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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伊藤時男さんと第67回日本病院地域精神医学会総会兵庫大会に行ってきた2泊3日の話

当事者 小峰盛光

 

精神医療国家賠償請求訴訟研究会代表古屋さんから兵庫に時男さんを連れてきてほしいと言われたのでアテンドとして行く事にしました。1129日時男さんとの待ち合わせは浅草で待ち合わせして東京駅から新幹線で新神戸駅そこから地下鉄で新長田駅でした。

新長田駅から歩いてすぐの場所に予約したホテルがありチェックインをしました。2人とも長旅だったので少し部屋で休んで私は仮眠をしていたら古屋さんが部屋にきて外で食事を3人でしようと外に出ました。何食べると言う話になり時男さんが串カツ食べたいと言うので串カツ屋に入りました。時男さんは講演活動をこれからもやっていきたいと言ってました。講演の依頼もきていて後日は熊本に行くと言ってました。時男さんプライベートも充実して退院できて本当に良かったと言ってました。古屋さんに明日は何時頃会場のふたば学舎に入れば良いのか聞きましたら16時30分くらいにきてくれればと言われたのでそれまでは自由にしてていいと言うので観光マップがホテルにあるからそれを見て検討しようという感じになり、ホテルに戻り時男さん携帯の充電器忘れたと言うので貸してあげました。そしてその日は寝ました。2日目ホテルの朝食は6時半から始まると聞いていたので朝1番で食堂に行きました。時男さんは魚が好きみたいで魚を食べてました。食事しながら本日16時30分まで予定ありますがどうしますかと聞きましたら、お土産屋行きたいなと言われたのでフロントの方にお土産屋はどこにあるのか聞いて買いに行きました。その日は風が吹いていて気温も朝寒かったのでお土産屋さん終わったあとも時間がありホテルの2階のドリンクバーで時男さんと観光マップを見て時男さんの行きたい所を聞きました。海までは少し距離あるしあまり遠く行くと体が冷えてしまうしとなんだかんだ喋ってたら2人とも腹がすいてドリンクバーでお弁当食べようと言う話になり、セブンイレブンに行くことにしました。時男さんはセブンイレブンが大好きで理由はセブンイレブンのおにぎり、パン、お弁当が一番うまいと言うんです。時男さんと行動するときはセブンイレブンがどこにあるのかこれが一番重要になります。お弁当食べてドリンクも何杯飲んだのかとなんだかんだやってたら時間になってきて少し部屋で休んでから会場のふたば学舎に行きました。会場のふたば学舎は昔の学校をそのまま貸し会場にしている所でした。会場には古屋さんがいて精神国賠の会員の方々支援してくれている方々も来てくださいました。初めて会う会員の方々もいて挨拶をしました。時男さんの人気はすごくて次々時男さんのそばに集まってきてました。そして時間になり交流会企画精神医療国家賠償請求訴訟のこれから東京地裁判決を受けて、司会韮沢明さん壇上には伊藤時男さん、古屋龍太さん、有我譲慶さんZoomで長谷川敬祐弁護士が話を始めました・・・

<全文は、おりふれ通信438号(2024年12月号)でお読み下さい。ご購読(年間3,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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精神国賠研と私

根間 あさ子

 幼い頃に辛い入院経験を持つ私は紆余曲折した人生を送ってきたが、60代になってようやく穏やかにのんびりと地域のNPOで精神障害を持つ利用者さんと布小物を扱うB型事業所で楽しく働くことが出来ていた。

 その頃、病棟転換型居住施設というとんでもない施策が打ち出されて、私は人生でやり残しをしていることを思い出した。

 私は長い引きこもりから脱して夜間大学で学びながら働いていた80年代の精神病院で、長期社会的入院者と出会い衝撃を受けた。そしてこの国の精神医療の劣悪さ、精神障害者への偏見と差別に満ちた精神医療の構造に立ち向かう力のない自分に見切りをつけた私は、まずは自分の人生を生きることを選んだ。彼らと出会うまでは自分に当たり前の人生を生きる資格などないと思い込んでいたのだ。いずれ再発したら自分で自分がわからなく前に死ぬと決め込んでいた。しかし精神病院に、20年、30年と閉じ込められている彼らの人間性に触れて、私は、精神障害は人間性を損なう病ではないと知った。その過去の自分を思い出したのだ・・・

<全文は、おりふれ通信437号(2024年10・11月合併号)でお読み下さい。ご購読(年間3,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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投稿  日 記    森重寿一

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夜 友人に電話した

伊藤時男裁判関係団体に関わる友人と

僕は、裁判で勝てない負けるや勝つといういろいろな考え方感じ方感情論などあるが、伊藤時男さんは勝つことを信じてます 

そういう気持ちを考えたら負ける、勝てないというのはいかがなものかと思いますがというと

友人は伊藤時男さんの気持ちを踏まえたら勝つというのがいいのではないかと語り

最高裁までは厳しいんじゃないかと話していた

僕もそういう感じだと話して電話☎️は終わった・・・

 

<全文は、おりふれ通信437号(2024年10・11月合併号)でお読み下さい。ご購読(年間3,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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NCNPの入院者訪問支援員事業説明会に参加して

根間あさ子


 8月1日の夜藤井千代氏はじめ、NCNP(国立精神神経医療研究センター)の入院者訪問支援員研修関係者?による人権センター相談員への入院者訪問支援員事業説明会に飛び入り参加をして自分もけっこう喋ってしまった。藤井さんが説明してくれた内容での支援員であるなら、2人一組での訪問者のうち一人はピアであったほうが望ましいように思った。欧米でいわゆる「経験専門家」という立場を日本でも確立するためにも、この制度はピアを積極的に募集し育てるべきではないか。アドボカシーという観点からも、精神疾患を経験していることに加えて、病院に強制入院させられていることへの患者の心情に自然と共感出来るのがピアの最も大きな強みである。
 

 私が加わってきた八王子における病院訪問事業では、独自の養成研修を受講した者や、地域の事業所でピア活動をすることにふさわしいと推薦を受けた者が参加してきている。そして病院訪問活動をする中でのピアたちの疑問や不安を解消するために、定例的な会合を持って互いのケアと研鑽を重ねてきている。この会合にはコーディネート役の職員も加わっているが、彼らはオブザーバー的な参加で基本はピアの主導による会合である・・・

<全文は、おりふれ通信436号(2024年9月号)でお読み下さい。ご購読(年間3,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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