精神病院全廃から40周年のイタリア・ボローニャを訪ねて vol.2  ~精神病院を廃止した国イタリア 治療と働く喜びは回復に必要な車の両輪

ジャーナリスト 月崎時央 tokio tsukizaki

 私は2018年5月、バザーリア法により精神科病院が全廃されて40年目のイタリアのボローニャを訪れ精神保健福祉を視察した。隔離や身体拘束について考えた前回に続き、今回は回復と労働について考えてみたい。
 精神障害を持つ人々が地域で尊厳を持ち暮らすために必要な要素は、住まい、仕事、そして社会の受け入れの3つであることはどの国でも共通だ。 ボローニャの精神保健局は市内に11の精神保健センターを持っている。
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 各保健センターには、医療職の他に福祉関係の支援者が複数いて当事者の地域での暮らしを支援する。当事者本人の全体的な支援に関わる職種がエデュケーターと呼ばれ、ソーシャルワーカーは就労関係のコーディネイトを専門に行う役割のようだ。エデュケーターやソーシャルワーカーなど福祉職には毎年50回もの研修が保健局より義務づけられ、当事者の人権を守るための教育が徹底される。「長年同じように働いているとつい緩んでしまいますからね」と担当者。

当事者は希望だけでなく
責任も持って就労に向かう

 今回は、当事者を取材する機会はなかったので、主に支援者側からの就労支援について書いてみたい。ボローニャでの支援は、本人がどんな仕事をしたいのかを丁寧に話し合うところから始まる。次にそれを実現するための計画や教育プログラムが検討され、職業教育などにかかる費用の具体的な見積もりも本人や家族に提示される。公が負担する多額な支援費を見える化することで、当事者にも自覚と責任が生じるという。 就労先は一般企業の場合も精神障害者のための社会協同組合の場合もある。イタリアの企業には、障害者だけを集める特例子会社のような仕組みはなく、普通の労働者に混じって働くことになる。初期には支援員がついて、職場の安全性の確保や仕事の基礎を一緒に行いながら雇用を安定させていく。障害者であることをカミングアウトする場合もしない場合もある。就労定着のための過程は日本と大きな差はないようだ。

エコロジーとアートのマインドで
運営される社会協同組合

 ボローニャ市郊外にあるEATBETA(エータベータ)は精神障害者の職業訓練や就労支援を行う社会協同組合で、木工製品やガラス工芸の他、布おむつの宅配業務を行なっている。日本でいう作業所や授産施設にあたるが、製品のレベルは市販品以上。特に工房で制作される食器の美しさは格別だ。未経験の当事者でも、本人が望めば、レベルの高い一流の専門家から技術を時間をかけて学ぶことが可能だ・・・・

 以下、全文は、おりふれ通信371号(2018年8月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ

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精神病院全廃から40周年のイタリア・ボローニャを訪ねて  ~精神病院を廃止した国イタリア 精神保健福祉改革に必要なのは人々の対話とハグの力だ

ジャーナリスト 月崎時央 tokio tsukizaki
   
 2018年5月13日から20日の1週間、私はイタリアのボローニャを訪れ現地の精神保健福祉を視察した。
 私が参加したのは『東京ソテリア2018都市交流ツアー』と題する研修旅行だ。東京ソテリアは東京都江戸川区のNPO法人で地域活動とともにボローニャの精神保健福祉と交流を続ける団体。今回は『イタリアボローニャで考えるバザ—リア法40周年記念イタリア精神保健の現在と日本のこれから』がテーマだ。

日本とイタリアの
精神保健福祉は何が違うの?
 私がきょうだいの発病をきっかけに精神科の取材を始めて25年あまりの月日が流れた。しかし日本の精神医療は隔離収容、拘束、多剤大量処方など深刻な人権問題を抱えたまま迷走している。私はずっと「精神科病院の改革」を求め執筆活動をしてきたが、最近は精神科病院という存在自体に疑問を感じ、「改革ではなく廃止が必要」と考えるようになった。そして今回はイタリアで全廃できた理由を知るために研修ツアーに参加してみた。
 イタリアの精神保健の実践を見て特に印象深かったのは、1、誰もが対等に対話し触れ合うこと、2、人間を中心に支援を組み立てること、3、労働が回復に重要なことと位置付けていることの3点だ。これについて二回にわけて書いていきたい・・・

 以下、全文は、おりふれ通信370号(2018年7月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ 

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日本における個人通報活用の意義

山本 眞理(精神障害者権利主張センター・絆)

 5月15日に国連恣意的拘禁作業部会(以下WGADとする)への個人通報を代理人として行った医療扶助・人権ネットワークの弁護士内田明さんのところにWGADより、4月のセッションの結果として一人の精神病院への強制入院について恣意的であり、直ちに釈放と賠償をという意見が届いた。
 内容は法によらず、適正手続にも欠いた拘禁であることと、障害者差別による拘禁であるということ、この2つによりこの事例は恣意的拘禁とされた。
 日本の精神病院への強制入院の個別事例に関し、初めての恣意的拘禁という判断である。もちろんこれには強制力はないが、とりわけ差別ということで恣意的と判断されたことの意義は大きい。一切の強制入院を禁止している障害者権利条約に沿った判断とも言える。
 1987年精神衛生法から精神保健法に変わった時、精神保健指定医制度が創設された。なぜ指定医かという質問に厚生省(当時)は、刑法に堕胎罪があるが、一定の条件で中絶を認めるため堕胎罪の免責のために優生保護法(当時)には優生保護法指定医がある。それと同じで、刑法逮捕監禁罪の免責のために精神保健法があり、精神保健指定医がいる、と説明した。政府も精神病院への強制入院が拘禁であると位置づけている。政府も、単に医療と保護の目的があるからすべての強制入院は正当だとしているわけではなく、逮捕監禁という犯罪を免責するための手続き実体要件が必要としている。
 それゆえにこそ拘禁の正当性が問題になる。障害者権利条約は障害者差別を禁止し、障害を根拠とした一切の拘禁を否定している。すなわち精神保健福祉法のように障害を根拠とした強制入院法の廃止を求めている。法律上の強制入院は全て精神障害を要件の一つとしている。障害者権利条約委員会の14条(人身の自由及び安全)のガイドラインも明確にその旨述べている。したがって精神保健福祉法による逮捕監禁罪免責は障害者差別に基づくものであり、明らかに条約違反であり、恣意的拘禁とされるべきものだ。
 国連人権理事会の特別報告者の一つである恣意的拘禁作業部会は、拘禁を単に刑事手続過程のみならず、自らの意志で入ったのではなく、自由に出られないときに拘禁とするとしており、法による拘禁である精神病院や入管の収容所、さらに法によらない障害者施設や高齢者施設あるいは学校の寮なども対象としている。そしてこれらの拘禁に異議申し立てされたときには拘禁した側にその合法性合理性などを証明する責任があるとしている・・・

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国連恣意的拘禁ワーキンググループについて

永野 貫太郎

1.はじめに
今般原稿を頼まれて、手持ちのテキストブック国際人権法などの参考文献を開いてみたが、ほとんど記載がなく、日本では、学者の間でもあまり研究されていないようであった。ネットで「国連恣意的拘禁ワーキンググループ」英語で“UN Working Group on Arbitrary Detention”をグーグルで検索してみた。日本語のページで目を引いたのは、同ワーキンググループへの個人通報を呼びかけたものや、同ワーキンググループによる日本訪問調査を呼びかけたもの等であった。いずれも精神障害者関連の団体によるものであり、受刑者や入管施設に収容されている難民、移民などの関連団体などからの情報は見られなかった。また、学術論文などは、一点もひっかかってこなかった。英文での検索では、学術論文2点(うち1点はネットで読む事が出来た。)特に、ニュースを見たところでは、ウィキリークスの創始者アサンジ氏の件はもちろん、お隣の韓国のケース(長期抑留されていた労働組合指導者の拘束)に対しても同ワーキンググループが恣意的拘禁を認め、韓国政府に対して同ワーキンググループが意見(Opinion)を出した事、及び、同韓国の前大統領パク・クネ氏の長期勾留について同国内から個人通報が申立てられたこと等、筆者の目から見ると、興味深いニュースが目についた。

以下、2恣意的ワーキンググループとは、3恣意的拘禁とは何か、4恣意的拘禁ワーキンググループへの個人通報の重要性、5精神医療被拘禁者問題に関する同ワーキンググループの立場・見解と同ワーキンググループへの個人通報の経験、の順に紙数の許す限り述べてみたい。

 以下、全文は、おりふれ通信366号(2018年2月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-201おりふれの会へ

 

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マイノリティーの声を届ける国際人権保障システムについて 「わたしたちの声を国連へ~活用しよう!国連の人権保障システム~」に参加して

全国「精神病」者集団 運営委員・精神障害当事者会ポルケ代表
山田 悠平

12月10日。世界各地では国際人権デーにちなんだ集会やイベントが開催されました。東京渋谷区でも“国連人権勧告実現を!実行委員会”主催の「わたしたちの声を国連へ~活用しよう!国連の人権保障システム~」という集会とパレードが実施されました。今回は、その集会の学びを踏まえレポートします。

◎世界人権宣言と障害者権利条約
国際人権デーは、1948年12月10日に国連総会で「世界人権宣言」が採択されたことを記念して定められました。精神病者に関係深い障害者権利条約をはじめ、国際連合で結ばれた人権条約の基礎となるものです。
障害者権利条約は基本的人権について障害の無い人たちに保障されて来たであろう権利を、障害のある人にも実質的に保障しなさいと世界が認めたものとよく評されます。そういった意味で、障害者権利条約の条文にたびたび登場する「他の者との平等を基礎として」というキーワードは、世界人権宣言の第一条「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」をベースにしているとも言えます。
これは、障害者の権利は、「特権」を付しているのではなく、障害者も「すべての人間」の一員として扱うということを確認するうえでも重要な意義があります・・・


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「日本のMattの町をどうする!」参加報告

佐藤 朝子


10月9日、虎の門ニッショーホールでのイベントに参加してきました。午前中は大熊一夫さんが作られた映画上映、午後からはシンポジウムが行われました。

 映画は“精神病院のない社会”というタイトルのドキュメンタリー映画です。夫により警察官通報され、患者本人はろくに話も聞いてもらえずに、夫と警察官の話だけで措置入院させれた患者のインタビューから始まりました。小さい子供がいるから早く退院したいと医師に話しても「ゆっくりしていってください」と言われ、徐々に本心を言ってはいけないんだと悟ります。本当は夫のDVによるトラブルが精神科病院への入院になってしまったらしいのですが、退院後の方がフラッシュバックのように入院生活を思い出し体調が悪くなっているそうです。

 イタリアでは1999年に県立精神病院をすべて閉鎖しました。2017年には国立司法精神病院も閉鎖し、約12万人の患者が地域に退院していかれたそうです。そのことは“むかしMattoの町があった”という映画になりました。精神科医であるフランコ・バザーリアが奮闘し、バザーリア法と呼ばれる法律が制定され、精神科病院を開放化するまでの失敗と成功が描かれています。現在のイタリアは私立精神科病院の5,000床と各州に散った数百人の保安施設があるだけとお聞きしました。それに比べて日本はどうでしょうか・・・・

 以下、全文は、おりふれ通信364号(2017年12月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-201おりふれの会へ

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拷問等禁止条約委員会 韓国精神医療への勧告

編集部 木村朋子


拷問等禁止条約について、おりふれ通信では1999年の日本政府批准以来注目し続けている。条約を批准すると定期的に条約委員会に政府報告書を提出し審査を受けることになるが、日本の場合、第一回審査が2007年5月に行なわれた。この時は東京精神医療人権センターの小林信子さんが政府レポートに対抗するNGOのオルタナティブレポート作成に関わり、その体験と委員会審査の模様を2007年7月号で報告している(おりふれ通信のブログに全文掲載しています)。第二回目の審査は2013年5月で、この時は全国「精神病」者集団メンバーがジュネーブへ行って直接委員会でアピールしたこともあり、条約委員会からの日本政府への勧告(項目22)には、精神医療での効果的な司法手続きの確立、身体拘束と独居拘禁は最小限にし、効果的な不服申立て機関へのアクセス強化と、独立した監視機関による定期的訪問の確保が盛り込まれた。

ところで今年5月、拷問等禁止条約委員会の韓国政府への最終見解が出た。日本ではもっぱら2015年の慰安婦問題をめぐる日韓合意の見直しを勧告したことと、日本政府がそれに抗議したことで話題になったが、条約委員会は韓国の精神医療についても2項にわたって勧告している。韓国では、朴槿恵大統領弾劾裁判で有名になったあの憲法裁判所において、昨年9月29日、精神保健法の保護入院が憲法に合致しないとの決定がなされた(詳しくは2016年12月号、長谷川敬祐弁護士の「韓国憲法裁判所の保護入院憲法不合致決定について」をお読みください)。最終報告書にはこの判決への言及もあり、2013年の日本に対する勧告より踏み込んだ内容となっているので、以下紹介する・・・・・

 以下、全文は、おりふれ通信360号(2017年7月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ

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イギリスの地域精神医療 その光と陰

福冨一郎

 2016年12月18日、「イギリスの地域精神医療 その光と陰」と題された講演を聴きに行きました。講師はDPI日本会議の浜島恭子さんという方で、場所はあの、中野サンプラザでした。たくさんの人が集まって、有意義な話を聴くことができました。そのときの感想などを書いてみます。

まえがき
 イギリスと聞くと最近、面白いことがありました。イギリスの議会が国営放送であるBBCに対して、こんなことを言ってきました。「放送終了時には、イギリス国歌である God save the Queen を流すように」。
そして、その日、放送終了後に流された曲は Sexpistols の God save the Queen でした。歌詞の内容はこんな感じです。「女王陛下に神のご加護を、彼女は人間じゃない、あんたに未来なんかあるものか!」。さすがあの「モンティーパイソン」なんていう番組を放映している放送局の面目躍如といったところです。しかも国営放送。Sexpistols というのは、1970年代後半のロックバンドです。この頃のイギリスは、失業率が25%。怒りまくった若者が、あちこちで暴動を起こしたりしていました。そこから生まれた文化はパンクと呼ばれ、ファッションや音楽、芸術など、様々な分野に広がりました。その音楽、パンクロックの中心的存在が Sexpistols でした。
 また、イギリスといえば、福祉発祥の地で、それは1601年のエリザベス救貧法に端を発するところです。日本ではまだ江戸時代になる前です。 そんな反骨精神と福祉の進んだ国というイメージがあります。しかしその反面、最近は移民政策に対して不満を持つ人々が増え、国民投票の結果、EUを脱退することになりました。

講演内容 1.イギリスの医療
 この国の医療制度は評判が悪くて、もちろん医療費は無料なのですが、何ヶ月も待たされるとのことです。お金のある人は、有料の病院ですぐに診てもらえます。それに加えて、たとえば精神科に行きたいと思っても、直接精神科に行くことができません。一次医療といって、一般登録診療所という指定されたかかりつけの医師のところへまず行って、そこの判断で何科を受診するか照会されて、やっと二次医療の地域精神医療チームのところへ行けて、そこから三次医療の病院または地域デイセンターなどにたどり着くわけです。これでは時間がかかるのも無理はないですね。イギリスにも強制入院制度があります。日本の医療保護入院に当たる、アセスメントのための強制入院制度、それと措置入院に当たる、治療のための強制入院制度です。どちらも、決定は慎重に行われ、期間も定められています。強制入院の申請者は、認定精神保健専門職または、はっきりと順位が定められた、最も近い親族になりますが、親族が申請することは希だそうです・・・

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韓国憲法裁判所の保護入院憲法不合致決定について

弁護士 長谷川 敬祐

本年9月29日、韓国の憲法裁判所において、精神保健法の保護入院が憲法に合致しないとの決定がなされました。韓国の裁判所の決定とはいえ、日本の医療保護入院の問題と通じるところが多々あると思います。本稿では、韓国の憲法裁判所の決定の概要を紹介した後に、日本の医療保護入院制度の問題について私なりの考えを述べたいと思います。
1 韓国の当該事案の概要
当該事案では、強制入院させられたご本人が、韓国の精神保健法24条の規定により、子ども2人の同意と精神科専門医の入院診断によって精神医療機関に強制入院させられたことについてその違法性を裁判で争いました。そのなかで、精神疾患などの強制入院の可否を保護義務者の同意と精神科医1人の判断に任せている精神保健法第24条が憲法に反するなどとして、憲法裁判所に法律の違憲性の判断を求めました。

2 韓国の精神保健法24条について
韓国の精神保健法24条は、保護義務者による入院を定めたものです。保護義務者2人の同意と精神科専門医の入院の必要性の判断がある場合に、強制入院が可能となっています。その際、精神科専門医は、①入院などの治療または療養を受けるに値する程度の精神疾患にかかっていること、②患者自身の健康・安全や、他人の安全のための入院などを行う必要があることのいずれかに該当すると判断した旨の意見を記載しなければならないとされています・・・

参考 韓国憲法不合致判決要旨翻訳文
「korean_judgment.doc」をダウンロード


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アジアの精神障害者の社会運動

伊東香純

 精神障害者の社会運動は、1970年代頃から欧米や日本を中心に活発におこなわれるようになった。国際的な動きとしては、1981年に障害種別をこえた組織である障害者インターナショナル(Disabled People’s International: DPI)が結成し、1991年に精神障害者の国際組織である世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワーク(World Network of Users and Survivors of Psychiatry: WNUSP)が結成した。WNUSPのメンバーは、結成当初は欧米出身者が中心だったが、2000年代以降アフリカやアジア出身のメンバーの参加も増え、2005年にはアフリカ精神障害者ネットワーク(PanAfrican Network of People with Psychosocial Disabilities)が結成した。アジアのネットワークは、結成が待たれながらもなかなか実現しなかったが、2014年ついに精神障害者をインクルージョンする地域社会変革へのアジア横断同盟(Transforming Communities for Inclusion - Asia: TCI-Asia)が結成した。

 私は、TCI-Asiaに昨年度の後半から通訳係や翻訳係として関わらせていただいており、5月号で山田さんがご紹介された「共生に向けたアジアにおける精神障害者の実践――TCI-A 2015報告事業」にも参加した。
 TCI-Asiaは、障害者権利条約の第19条「自立した生活及び地域社会への包容」の履行の促進を優先事項としている。そして、そのために既存の精神医療の在り方を批判し、精神医療のオルタナティブの実践を自分たちの手でつくることを目指している。日本では、精神障害を理由とした非自発的入院を許容する精神衛生法が1950年に制定・施行された。これが多くの精神障害者が精神病院に閉じ込められているという現状を作り出している大きな要因の一つである。韓国では、1995年に精神衛生法(Mental Health Act)が制定され1997年から施行されて、現在日本と同様に精神病院への収容政策が進んでいる・・・

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