630調査開示請求の活動全国に拡がる!

東京地業研 飯田文子

 

 2月12日、参議院議員会館で「630調査の今まで通りの情報開示を求める院内集会」が開
催されました。この集会で、各地で私達と同様に630調査を元に個別病院ごとの情報を利用してきた仲間達が初めて一堂に会したのです。基調報告、当事者からの訴え、各地域からの声(大阪、東京、奈良、埼玉)、弁護士としてとの発言があり、その後、集会アピール文*が満場一致で決議されました。集会には、新聞記者も取材に来ており、その後幾つかの新聞に630のことが、掲載されました。
集会後の2月19日、集会代表が、アピール文*(根本大臣宛要請文)を厚労省に提出し、記者会見を行い、これも幾つかの新聞で報道されました。
一方各地の活動も地道に行われており、兵庫県、神戸市は、従来通り開示すると兵庫県精神医療人権センターに回答しました。神戸新聞によると、記者の取材に対して《兵庫県は「県の情報公開条例に基づき検討した結果、患者個人が特定される恐れはないと判断した」と回答。神戸市は「調査票をそのまま出すことはできないが、これまでのと同じ内容は提供できる」とした。》これは、東京都に対して情報開示請求をした結果、開示されなかった私達としても大きな希望となります。これから都に対して審査請求をする予定ですが、大きな武器となるでしょう。

* 集会アピール文
精神保健福祉資料630(ロクサンマル)調査は、個々の精神病院の情報がわかる貴重な資料である。今まで全国において、市民が各自治体に対して情報公開条例に基づき開示請求し、精神科病院の状況がわかるように情報誌を作成するなど地道な活動が行われてきた。しかしながら、近事、この630調査の情報開示請求に対して非開示決定が相次ぐ事態が発生している。
昨年の8月21日に毎日新聞は、精神病床のある全国の病院で、50年以上入院する精神疾患をもつ患者が全国で1773名いると報道した。これは全国の630調査を丁寧に開示請求してわかった人数である。同時に鹿児島県の精神科病院に55年入院している80歳の女性を取材し、生の声を掲載している。これらは素晴らしい調査報道であり、これにより国民の知る権利が実現されることは望ましいことである。ところが日本精神科病院協会は、その2ヶ月後の平成30年10月19日に「精神保健福祉資料(630調査)の実施についての声明文」を発表し、この中で上記毎日新聞の報道に触れながら「個人情報保護の観点から問題点が多い」としたのである。さらには、「患者の個人情報につき責任を持つ立場の精神科病院としては、必要な措置が行われない場合は、630調査への協力について再検討せざるを得ない」ともしたのである。
言うまでもなく、630調査の中には、個人情報保護法でいうところの「特定の個人を識別できるもの」は存在しない。それにもかかわらず、「個人情報保護」を連呼し、調査そのものの非協力をちらつかせる態度に理は無い。むしろ630調査にあるような医療に関する情報は、非常に高度な公益性があると考える。情報の共有化による医療の質の向上、患者の医療選択権の保障の観点からもその公開は極めて重要である。
これに対して国は、昨年7月3日の参議院厚生労働委員会の答弁で「国の方で、都道府県が公表するなとか、そういうようなことを決して申し上げるつもりはございません。」としている。これは正しい態度である。しかしながら、国はその10日後の7月13日にその答弁に反し、各都道府県・指定都市宛文書を発出し、その中で630調査について「個々の調査票の内容の公開は予定しておらず」などとし、「管内の精神科医療機関に調査への協力依頼・調査票の送付を行うに当たっては、その旨を明示した上で協力を求めること。」としたのである。これは明らかに7月3日の政府答弁に反している。さらには同文書では、医療機関から提出された調査票について「個人情報保護の観点から、各自治体において定められた保存期間の経過後に速やかに廃棄」することまで求めているのである。
このような文書を発出されることにより630調査の非開示決定が全国で相次いでいる。現に各自治体は、何故今回から開示を非開示に判断を変更したかについて、厚生労働省の同文書、日本精神科病院協会の声明文をあげて説明している。
私たちは以上のような状況を早急に改善することを国に対して強く求める。 具体的には、以下の通りである。 1 平成30年7月3日の政府答弁通り、国から自治体に対して630調査の個々の調査票は非公表であるなどということを述べることを止めること。厚労省発出文書によって発生している事態については、国は責任を持って、7月3日の答弁通りの内容が実現されるように何らかの措置を行うこと。 2 個人情報でない貴重な情報の「速やかな廃棄」を推奨するような取り返しのつかないことを止めること。                  

    平成31年(2019年)2月12日           

    630調査の今まで通りの情報開示を求める院内集会 参加者一同

 

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630調査について東京都との交渉その後

東京地業研 飯田文子

 おりふれNo.376(2018年11月号)で報告した続きです。
 11月9日、前回「どうせ開示されないから」と都側に言われて請求を見送った調査票の5票、6票の情報開示請求をしました。請求書提出時、中村係長他1名の係員と相談しながら請求書を作成したので、全面黒塗りよりは、少しは黒塗りでない部分もある物が出てくるのではと甘い期待をしていました。2週間以内での回答期限に対して11月16日2ヶ月の延期の通知がきましたが、その理由が「本件開示請求に係わる公文書が大量であり」ということでしたので、都は真面目に検討していると考え更に甘い期待を抱きました。今年に入って1月4日、決定通知書が届きましたが、驚いたことに全面非開示の通知書でした。甘い期待は、本当に甘い期待でした。

1月22日、全面黒塗りであろうCDを受け取りに再び都庁にに行き、中村係長他1名の係員と話しをしました。私たちは、誰が、どのような検討をして、どんな理由でこのような決定になったのかを聞く予定で臨んだのですが、中村係長の返答は、木で鼻をくくったような簡単なものでした。「判断は担当課の自分達がした。理由は、文書に書いてあるとおりです。」「時間が掛かったのは、総務部、福祉局、生活文化局の判断を待っていたからです。何の異論もありませんでした。」以上終わりという感じでした。それでも、精神病院協会の圧力や厚労省からの圧力は無かったのかと聞くと「自分達の判断です。」と「それに厚労省の文書は貴方たちが請求している平成29年度については関係ないですよ」と指摘されました。最後に私たちは、今まで保障されていた権利を侵害されたことに対する怒りがあること、27年も前に勝ち取った権利について掲載した「おりふれNo.377(2019年1月号)を渡して帰ってきました。

 ところで開示しない理由についてですが、都が提示してきたのは、「条例第7条第2号」「①特定の個人を識別される可能性があるため。②個人の人格と密接に関わる情報であり、公にすることにより、個人の権利利益を害するおそれがあるため。」ということでした。
 東京都情報公開条例第7条2号をそのまま転記すると「個人に関する情報(第8号及び第9号に関する情報並びに事業を個人の当該事業に関する情報を除く。)で特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。イ 法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報 ロ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報 (ハについては略)
27年前と同様にロについて争うこととなるが、今回は、イについても慣行として公にされてきた経過があるので争うこととなります。

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630統計情報公開運動アーカイブ

編集部から
新年もひき続き630統計情報公開問題での幕開けです。
1月7日 東京都は東京地業研の2回目の個別精神科病院情報開示請求に対して、性別、年齢、病名、入院形態、入院年月日・・・すべての項目のデータを黒塗りにした表を開示すると回答してきました。今後対応を検討し、また報告しますが、今号では、630統計が最初に情報公開された時の記録(おりふれ通信1992年8月号)と、12月の病・地学会でこの問題について発表した際、会場で配ったアピールを掲載します。

<おりふれ通信118号 1992年8月号巻頭文再掲>
東京都精神病院統計ついに全面公開 
どこに行っちゃったのー非開示の理由
東京地業研 多田朝子

 この7月、東京都は地業研の5回目の個別精神病院情報公開の請求に対し、全面的なデータを開示しました。
個別病院データの公表は、地業研が東京都の精神医療を変えていくことを考えた最初からの要求であり、十数年間事あるごとに、都に申し入れてきたものです。都は病院との信頼関係を壊すからとか、国の意向だからとか言って拒否し続けてきました。1984年東京都情報公開制度の発足に伴い、86年に第1回の開示請求を行いました。お決まりの非開示決定があり、異議申し立て、公文書開示審査会が開かれました。ここで都は①病院経営上根幹的な情報なので、公開すると病院の社会的な地位を著しく損なう ②国より開示は適当でないと指導を受けている ③病院との信頼関係が失われ、協力が得られなくなり、行政の円滑な運営が損なわれる という3点を理由に非開示の立場を強調し、審査会はなぜかこの理由にならない理由を追認しました。
納得のいかない私達は、なあんだそんな理由しかなかったんだと呆れながら、翌年、請求→非開示→訴訟と登りつめていきました。私達がこの裁判を自治体の精神医療行政のあり方を問う裁判にしようと意気込み、「精神病院に風穴をあけよう」という機関紙をつくって、関係者の協力と資金援助をいただいたのは周知のことです。

 7回の公判は、都の前記3点の主張を問うものに終始し、閉鎖的な精神医療を守るという行政の姿勢を浮き彫りにする結果となり、裁判官ですら早期和解を勧めざるをえないようなものでした。
89年2月の和解に基づき、開放率と看護者数を除く項目については開示されました。私達はこれを部分的勝利と考え、さらに空欄になった部分の開示を請求(中略)、昨年2度目の訴訟に踏み切りました。(中略)そして今度は上手に裁判をやるぞと勢い込んでいたところ、アッサリと全データをいただいたわけです。
 都側はこの5年間、理由にもならない3点をひたすら言い続けてきました。審査会も2度にわたってそれを是としました。閉鎖的な精神病院と25,000床に及ぶ長期入院者をもたらした東京の精神医療に対する責任の半分はこの行政の姿勢にあったはずです。今回の開示決定にどのような行政の方針の転換があったかわかりませんが、私達は今まで得たデータを活用して、精神病院の密室性をとっぱらっていく活動を進め、さらに行政に迫っていくことを考えたいと思います。(後略)

 

<病・地学会で配布したビラ>
アピール 630統計の激変について@第61回病・地学会東京大会2018.12.13~14
-個別精神科病院の情報公開を取り戻そう

 毎年6月30日現在で、厚労省が精神科医療機関から集めていたいわゆる630統計が、2017年6月30日付のものから、調査票も調査方法も大きく変わった。
それまでは、患者年齢別、病名別、入院期間別などの集計を書き込む様式だったのが、全患者に通し番号をふり、性別、年齢、入院形態、病名、入院年月・・・と患者個別情報の一覧表に調査票が変わった。また都道府県と各病院間で調査票をやりとりしていた方法が、国立精神保健研究所のサイトから、各病院が調査票をダウンロードして記入する方式に変わったため、都道府県が独自に集めていた調査項目がなくなった。(東京都の場合、前年6月30日から1年間の入退院数と、軽快退院・死亡退院などの内訳等の調査票を加えており、各病院の平均在院日数や死亡退院率がわかる貴重なデータだった)

 私たちは、個別精神科病院の情報は市民のものという視点で、630統計を毎年東京都に情報開示請求し、それをもとに5年に1冊「東京精神病院事情(ありのまま)」を刊行してきた。しかし2017年からは、私たちの開示請求に対して、東京都は個人が特定されるおそれがあるとして一部しか公開せず、病名、入院形態、入院期間などその病院がどんな患者構成、活動性であるかを表すデータが非公開になってしまった。
このままでは2013年統計に基づく出版が最後になってしまう。私たちのみならず、この活動は大阪、埼玉、新潟などでも取り組まれており、同じ問題が起こっている。
これまでのデータの蓄積、経年変化の追跡もここで途絶えてしまう。次ページのような比較もできなくなる。
厚労省、国立精神保健研究所は、このデータは医療計画等の立案のためのものであり、正確な統計を迅速に集めるための調査方法の変更であると言うが、統計は市民のものであり、まして長い間市民に開示され、分析され、患者・家族を含む市民に利用されてきた経過や蓄積を無視し、何の事前の話し合いもなくこのように変えてしまうというのは、行政の市民への態度として暴挙である。
630統計の情報開示は簡単にできたことではなく、東京でも京都でも裁判を起こして勝ち取ったものだった。京都地裁が開示を認めた判決(1999年10月)「先行開示している大阪府や京都市で弊害が出ていない。精神病院には高い公益性が要請されており、影響は病院が受忍すべき範囲」を再度共通認識とし、個別精神科病院の情報公開を取り戻そう。
630

 

 

 

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精神科病院630調査について東京都と話し合い

東京地業研 木村朋子

 前号巻頭の質問状の回答を聞きに、10月19日金曜午後5人で東京都庁へ行ってきた。都側は精神保健医療課の係長中村さんほか2人。

 質問状に沿って、630調査の激変によって、これまで東京都が独自に加えていた前年6月30日から当年6月30日までの患者の動き(その病院の平均在院日数や死亡退院・軽快退院の率など)がわかる調査項目がなくなり、ここで途切れてしまうことがとても残念、都独自に調査を行う予定はあるのか、またこの貴重なデータを都はこれまでどのように活用してきたのかをたずねた。中村係長の答えは、都独自の調査を加えた経緯はわからないが、病院負担を減らすため630調査に併せて行ってきた。保健医療計画策定等に活用してきたと思うが、具体的にどう利用してきたとは言えない。都独自の調査をする予定は今はないが、今後今のデータでは不足となった時にまた考えることはあり得る。都としてはこれまでの630も個別病院ごとには見て来なかった。都全体として集計し、『東京都の精神保健福祉』にまとめている。個別病院に問題、不祥事などが起こった時はその病院の調査票を見ることもあるが、それは例外的な利用である。

 これに対して、地業研から、個別にみると、死亡退院率が極端に高い、職員が少ない、平均在院日数が超長期等、明らかな問題のある病院がわかる。全体としても開放化は過去のことになって閉鎖率が上がり、隔離・拘束も増え続けているなどの意見を出した。対する中村係長の発言は、以下のとおり。長期入院患者を減らしていくのは国の方針でもあり、注意している。体制整備事業等で、1年以上の入院者が19,000人から10,000人に減ったところで下げ止まり、病院・患者への働きかけのみでは限界。地域で住居を整備し、支援態勢を整えていく必要がある。回転の速い病院にはまた回転ドア現象の問題があるとも思う。

 さらに、地業研から、当事者としては個別病院データの公表が必要かつありがたい。個別病院データを見た上で、医療圏や都道府県ごとのまとめを見ると、個別病院のばらつきがあまりに大きいのにそれを圏域ごとにまとめてしまって何が言えるのかと疑問に感じる。現在の630調査票で、患者の性別・年齢・病名・入院形態・隔離拘束指示有無・在院期間・居住地のデータを、病院ごとに集計して出してくれれば今までに近い病院情報公開となる。東京都としてそれを是非やっていただきたい。また630調査の現担当者である国立精神・神経医療研究センターの山之内部長は、各自治体から求めがあれば、個別病院ごとに集計できるソフトを作って配布することもできると言われていた。都として要望していただけないかと、今日の本題となる発言をした。中村係長の答えは、技術的には個別病院ごとの集計は可能だが、今やる予定はない。自分たちでできることを山之内さんに頼むことはない、というもの。

 情報公開制度は開示を目的とするもの、もっと積極的になるべきでは?の指摘には、「公開するなら(調査票を)出さないという病院は実際にある・・・」とのことだった(その後同日付で日精協会長の声明文が出ていることを知った。これについては次の飯田の文を参照)。しかし、都としては、どんな形でどこまでなら出せるのかを今後も話し合っていく姿勢は示し、東京地業研は再度開示請求し、やりとりすることを決意している。

 

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2018年10月19日付の日精協声明文について

東京地業研 飯田文子

 10月19日、この日は奇しくも私たちが東京都に提出した630調査についての質問状をめぐって、都の担当部局と話し合いをした日です。この時都側が、この声明文について知っていたのかは分かりませんが、私たちは知りませんでした。
声明文は、「患者の個人情報保護について責任を持つ立場の精神科病院としては、必要な措置が行われない場合は、630調査への協力について再検討せざるを得ない」と脅しともとれる内容です。
 私たちは、2017年から突然変更された630調査に関して危惧というよりも危機感を持ち、新たな調査票を作成した国立精神保健研究所の担当者とも話し合いを持ちました。このことについては、おりふれ通信366号、370号に掲載しました。
日精協の言う「調査票(患者個票)に入院患者に関する多岐にわたる情報が含まれ、その取扱いによっては、患者個人が特定される等、個人情報保護の観点から問題の多いものであると認識していたところである」については、私たちも同様な認識をしています。東京都では、私たちの情報公開請求に応え、1992年から630調査を全面開示してきました。しかし、2017年630調査の公開請求には、個人情報保護を理由に患者個表の部分を開示しませんでした。このことにより私達都民は、これまでは分かっていた都内精神科病院に入院されている人たちの状況について、個別病院毎に知る権利を奪われました。東京都に対しては個別病院毎に集計したものを開示するよう交渉中です・・・

 以下、全文は、おりふれ通信375号(2018年11月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ

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埼玉県庁に開示請求―精神科病院630調査

埼玉県の精神医療を考える会 村田京子

 10月30日、二度目の情報開示請求に、埼玉県庁に行ってきました。

 一度目の時(猛暑の7月)に、「県は630調査をどう活用しているのか」「個人を識別できない範囲でなるべく情報開示ができるよう工夫・検討をしてほしい」「病院ごとのデータ集約は大事だ」という質問、要望、意見を担当に伝えていたので、言いっぱなしでは無責任だし、無念でもあると、とにかくもう一度は行こうと日は決めました。
しかし、二度目はどうアプローチすればいいのか、正直全くわからず、どうしたものかと思いあぐねたまま、日が過ぎていきました。
前日、切羽詰まり、とりあえず思いや考えを整理するために、先般の地業研の「東京都への質問状」を真似して書き始めてみました。折よくその晩に地業研の皆様に校正していただけ、何とか「埼玉県の精神医療を考える会」としての質問状とすることができました。そして一度目に個人情報を理由に非開示となった個票(5,6)の開示請求をするとともに、担当にお渡ししました。

質問状の内容を簡記すると、以下の通りです。
質問1 前回の非開示理由の「個別の情報をつなぐことで、特定の個人を識別することが可能となる情報」を具体的に提示してほしい
質問2 条例には部分開示の条文もあるので、工夫をして極力開示への努力をすべきではないか
質問3 「病院ごとのデータの集約」は行うのか? その検討はされたのか?
質問4 10月19日の日精協会長の声明を県はどう理解したのか? 情報開示請求に影響があるのか?
情報公開で患者にどんな不利益があるでしょうか。守られるべきは、患者の心身であり、人生であり、人権です。埼玉県からどんな開示・回答があるのかないのか(11月半ばに判明)ですが、行政、ユーザー、また広く市民・国民が情報を共有してこそ、精神科病院・精神科医療の改善につながっていくと信じ願っています。

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新・精神保健福祉資料(630調査)について なぜ個別病院のデータが必要なのか

村田 京子

 精神保健福祉資料は、精神医療行政施策に資することが目的であり、行政(都道府県・政令市)への提供資料であること、今回の改変が定義の厳密化、データの精度、公表の迅速性などにおいて改善になっていること、また、入院形態の変更、患者の住所地、隔離拘束の指示数、病院直営でない訪問看護ステーションの利用患者数、再入院率などの貴重なデータが新たに盛り込まれていることは理解する。しかし改変に伴い、都道府県単位、医療圏単位の集計のみとなっていることは、施策に資するのに不十分ではないかと考える。何故ならば、精神科病院は個体差が大きく、医療圏、県単位でまとめてしまうと、特徴が丸められ、見えにくくなる、あるいは歪んでしまうリスクが高いからだ。
 試みに医療機能情報提供システムから得られるデータ(平均在院日数と精神科専門医数)を用い、埼玉県についてグラフ化をしてみた。Photo_1Photo_2 例えば「県央」は、精神科専門医数が最も多く(3.7人)、平均在院日数は414日となるが、精神科専門医数(0.7~7.1人)も、平均在院日数(85~1182日)も、域内に非常に大きな差異を内包している。病院ごとにばらつきが大きい、特徴があるのは明白である。

  以下、全文は、おりふれ通信372号(2018年9月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ

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精神科病院統計が激変! あらためて個別精神病院統計の公表を求める

東京地業研 木村朋子


 「東京精神病院事情(ありのまま)」の元データとして私たちが愛用してきた「東京都精神病院統計」(近年この名前は表題から消え、630統計と呼ばれていました)が、知らないうちに、昨年6月30日付から、国立精神・神経医療研究センターがつくった、これまでと全く違う調査票(エクセルの表)を、各精神科医療機関が入力して、原則メールで各都道府県に提出する形に変わっていました。

 変更については、同センター精神保健研究所のウェブサイト『「精神保健福祉資料」が変わります』に説明があり、「平成30年度からの第7次医療計画および第5期障害福祉計画に参照となるべく」ということで、認知行動療法や依存症集団療法等の届け出をしているか、それら療法の研修を受けた職員が何人いるか、訪問看護の実施状況など、国が現在力を入れていることが調査項目に上がっています。

 個別病院データとしては、職員数、病棟数、それぞれの病棟の病床数、措置指定病床数、開放・閉鎖の別、届出入院料、保護室数、公衆電話の数があるくらいで、あとは全部患者一人ひとりに番号を振り、入院病棟、年齢、性別、主診断、入院年月、入院形態、隔離と身体拘束指示の有無、住所地(都道府県と市町村)という個人データ一覧表に変わっています。情報公開請求をしても、個人データ一覧表をこのまま出すのは不可能という内容です。つまり630統計が公開されても、個別病院ごとの入院者の病名、年齢、入院期間、入院形態の構成や隔離・身体拘束数などを知ることはできなくなったということです。個別精神病院の情報公開を!ということを旗印に、裁判まで起こして入手したデータを広く知らせる活動をしてきた私たちには青天のへきれきでした・・・

 以下、全文は、おりふれ通信365号(2018年1月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-201おりふれの会へ

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精神障害の娘の転院決定までを振り返って!(後編)

娘の母


7)東京精神医療人権センターの人々との出会い
B病院ケースワーカーの山田さん(仮名)は、話を聞き終えると、東京に人権問題に取り組んでいる団体があるから、まずはそこに相談してみると良いとアドバイスをくれた。一方A病院のPSW田中さん(仮名)にも連絡を取り始めてくれたのだった。

 山田さんと出会って、半月後の4月19日、私は東京精神医療人権センターの事務所を緊張しながら初訪問した。藁にもすがる思いで、夢中で話していた私であったが、皆さん熱心に聴いて、対策を考えてくれたのだった。目頭が熱くなるひとときであった。

  その後もN区は「文書は出せない。診療情報も出せない」の一点張りで、いよいよ何か行動を起こさないといけないと意見が一致。私が2回目の人権センター訪問をした6月21日には具体的な行動計画案が出たのだった。

 ひとつは、まず、A病院にいる娘に人権センターの二人が面会し、本人の意志確認をすること。次に担当のPSW 田中さんにも会い、N区とのやり取り、現状の情報を収集すること。三つ目はN区担当者に人権センターから「本人、家族の依頼で病院間で行う診療情報提供を、福祉事務所が禁ずることはできない」などと電話することを決めた。私も娘に手紙を書いたり、田中さん、山田さんに連絡したりと一週間後に備えて緊張の日々であった。

8)福祉行政の固い壁に風穴が開いた!
 2016年6月29日、人権センターの2人がA病院の娘を訪問してくれた。極度の引きこもりの娘が病室から一人で出て、面談室まで来てくれたことを喜んだ二人だが、娘の表現が「それで良いです」「そうして下さい」と、あまりにも控えめなことに驚いたと後日聞いた。いつもは妹たちのいる京都行きには大きくうなずいて意志を示していたのだが・・・


 以下、全文は、おりふれ通信363号(2017年11月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-201おりふれの会へ

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精神障害の娘の転院決定までを振り返って!(前編)

娘の母

1)はじめに
娘は、20才で統合失調症を発症し、今年8月38才の誕生日を迎えた。この春東京N区福祉事務所から転院許可が出て、5月には東京のA病院から関西のB病院へ、私の住む近くの病院へ念願の転入院となり、新たな生活がスタートした。
 
 ここに辿り着くまでには様々な困難があり、到底親の私一人の力では成し遂げられなかった。関西B病院PSWの山田さん(仮名)さん、東京精神医療人権センターの皆さんA病院PSWの田中さん(仮名)らの協力、応援がなければ、今尚家族離れ離れの生活が続いていたかと思う。
昨年3月からの一年間は、固い生活保護行政の壁に少しづつ風穴を開けていく日々だったと、今思い出しても胸が熱くなる。応援して下さった皆様と出会う前から抱えていた問題を、振り返って整理してみようと思う。

2)2011年春、N区より東京都郊外への転院を迫られる! 
 娘は、20代でN区の二つの病院で入退院を繰り返し、最後はC病院に7年間入院したままで、すでに30代を迎えようとしていた。長期入院患者として、都郊外への転院勧告を受けてしまった時の、不安と絶望感は今も忘れられない。

 娘は精神障害1級で、障害基礎年金と生保を受けて長く入院生活を続けていたため、N区には転入院できる病院がなく、不便な遠方、郊外にしか候補がないとのこと。つまり、今までお世話になっていた区内のCとD病院の二つは、どちらも“スーパー救急・急性期対応病院”に変わる為、長期入院者を置いておけないとのことであった・・・


 以下、全文は、おりふれ通信362号(2017年10月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-201おりふれの会へ

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