冊子「2013年データから見た埼玉の精神科病院」ができあがりました!

埼玉県の精神医療を考える会 市民ボランティア 村田京子

 埼玉県の精神医療を考える会では、「東京精神病院事情」に憧れて、手本としつつ、精神保健福祉資料(630データ)を有効に活かしたいと冊子づくりに取組み、今年10月に「2013年データから見た埼玉の精神科病院」(全65病院掲載)を発行しました(A4版150頁、頒価1,200円)。2003年、2008年データに続き、3冊目となります。
5年ごとの変化を見るために、前版と同じ基準で8項目(常勤医・常勤正看護師・常勤コメディカル一人当たりの在院者数、回転率、5年以上・3ヶ月未満の在院者率、家庭復帰の退院率、外来者)を点数化し、病院ごとにチャート図で表わしたり、各項目のランキング表を作るなど、630データの集約がメインですが、今回はユーザーに役立つ冊子にしたいという思いから、病院への訪問・見学も実施しました。また数は少ないですが入院経験者とご家族の心の声(アンケート)も掲載しています・・・
Saitamajijou

 以下、全文は、おりふれ通信356号(2016年12月号)でお読み下さい。
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『続・精神病で運転免許を返上しなくちゃいけないの?』

たにぐち万結


あの聴聞から、1年が経とうとしています。しかし、思い出したくもない煩雑な手続きと苦痛の日々は、過ぎ去ったわけではありません。
結果から先に書きますと、私は、免許停止になりました。6ヶ月の処分でした。

聴聞は、とても威圧的な警察官によるものでした。私は、後で述べるような手続きのため、合計2回の聴聞を受けました。
はじめの聴聞で訊かれたことはいくつかあり、書き出していると枚挙にいとまがないのですが、とても印象に残っている言葉がありました。
「あなたにとって免許は必要ですか?」
耳を疑いました。もちろん、いい意味での『印象的』ではありません。
私にとって免許がどうとか、もうそんなことは言っても通じまい。そう思いましたが、呆れる私にとっても、まさに免許は必要なのでした。
必要だと答えると、さらに質問をかぶせてきました。
「どうして必要なのですか?」
しばしの間、絶句してしまいました。どうして、今までスムーズに更新できていた免許が、突然更新できなくなり、しかも免許がどうして必要なのかとまで訊かれなくてはならないのだろうか。意味がわかりませんでした。前回から、重ねて言いますが、私は『無事故・無違反』なのです。
「これから働くことになれば、免許が必要になるかもしれません。実際、求人で見たら、普通免許が要る仕事はたくさんあります」
そう、確かに、今仕事らしい仕事には就けていないし、車も持っていませんが、いざ免許が必要になった時に、免許がないと困るのです。私は、いろんなチャンスを、失ってしまいます。驚いてしまった私でしたが、きちんと反論できたと思います。法の下の平等にもとる、瑕疵のある法律(注・欠陥のある法律のこと)だと主張し、弁護士にも助けられて、その場では、免許の停止を逃れることができました。
しかし、だからといって、聴聞が終わったわけではありません。私は、2度目の聴聞のための呼び出しを受けたのでした。

その後、警察に提出するための、診断書を書いてもらうため、弁護士と一緒に、主治医のところに行きました。そこでのことも、少し書きたいと思います。
弁護士と私が聴聞のことを話すと、主治医は、医者に運転ができるとか判断ができるわけがない、運転しているところを見たことがないので…と『逃げ』のようなことを言われてしまったのでした。そして、私が警察で聴聞を受けるのも、私が事故を起こしたから免許の停止になろうとしているのであって、自分に責任はない…と言われたのです。
事故もなにも、そんな思い込みで、今まで停止になるような診断書を書き続けていたのか。そう思うと、とても腹が立つのと同時に、悲しくなりました。
この主治医に、事故をしたと言った覚えはなく、勝手に決めつけられたのは、ロクに話もしない数分間の診察のためもあったかもしれません。とにかく、あるかなきかの信頼関係が、もろくも崩れ去っていくのをはっきりと感じました・・・

 以下、全文は、おりふれ通信347号(2016年2月号)でお読み下さい。
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薬とお金と合鍵で・・・ ~ある精神科クリニックの強制「通」院~

あおば作業所勤務 北島沙希

Aさんは約5年前、就職先を探している最中に、あるクリニックのデイナイトケアの利用を開始した。長年勤めた飲食業を退職したあとは、短期の仕事をしながら、仕事がないときには生活保護を受けながら生活していた。
あるときの勤め先の仕事内容は体力的にきつく、なんとか任期満了で退職してからは、次の仕事は慎重に決めようと考えていた。福祉事務所のケースワーカーには、「仕事をするなりしなければ保護費を打ち切る」と言われ、脅しのように感じていた。
その後、ケースワーカーに就職しないのであればクリニックに通ったらどうかと持ちかけられた。決めかねていると、階段の踊り場へ連れていかれ、突然胸ぐらをつかまれて「どういうつもりだ」と迫られた。恐怖のあまり何も考えられなくなった。しかたなく通うことを了承すると、「明日ここに来るように」と紙切れにかかれた住所を渡された。


“リワーク”のために・・・?
向かった場所は、家から電車で片道1時間以上かかるクリニックだった。翌日から週6日、朝から夜までデイナイトケアに来るように言われた。なぜこんな遠いクリニックを紹介されたのか疑問でしかたなかったが、“リワーク”のデイナイトケアであるため就労につながると思い、「6か月通って就職しよう」と通いはじめた。
通いはじめるとスポーツ、音楽鑑賞、クイズなどのプログラムに参加した。休憩時間は2時間と長く、ぼーっとするだけで時間をもてあました。特に就労に役立つと思えなかったので休んだところ、翌日家に看護師が二人来て、脇を挟まれるようにして強制的にクリニックへ連れていかれた。クリニックに着くと何をするわけでもなく、ほったらかしにされて、何のために連れてこられたのか全くわからなかった。
またある夜8時頃、コンビニに行こうと家を出ると、夜道で肩を叩かれた。振り向くとなぜかクリニックの看護師が二人立っていて、「明日は来てくださいね」と声をかけられた。一日でも休めば家まで看護師が来るのが怖く、休まずにクリニックへ通うようになった。

許されない、デイケアからの「卒業」
通いはじめてからやっと6か月がたち、主治医に「卒業したい」と伝えたところ、明確な理由なく「まだ」と言われた。延長された期間を過ぎたので、また「卒業したい」と伝えたところ、「まだ」と言われた。卒業したいというたびに期間は延長されつづけた。
約2年たったころ「卒業したい」と伝えると、「まだ薬を出していなかった」という理由でそれまではなかった向精神薬の投与が始まった。薬を飲みはじめると身体がこわばってきたため、それを主治医に伝えると「副作用じゃないと思うけど、副作用止め出しとくよ」と薬が増えた。
1年前、週二日作業所に通うことになったことを主治医に報告したが、「作業所終わったあとにデイケア来いよ」と言われたのを最後に主治医には会えていない。

『連れ出し』の恐怖
クリニックでは、デイナイトケアに出席していない人に対し、Aさんも経験した『連れ出し』が日常的に行われていた。朝8時頃と夕方6時頃に欠席者がいると、看護師たちが「『連れ出し』いってきます」と言いながら出掛けていった。
さらに2年前には、Aさんは自宅の合鍵を作らされた。合鍵はクリニックの職員が管理しているため、連れ出しの際には「Aさん、空けますよ」と家の中まで入られるようになった。不在時には勝手に家の中に入られて、玄関の棚の上に薬が置かれていた。トイレに入っていると突然窓が開けられ「来ましたよ」と声をかけられた。いつ勝手に家の中に入られるか怖くてたまらなかったので、毎日通院をつづけた。早いときには朝7時に連れ出しが行われ、一時期は恐怖のあまり眠れなくなった。

生活保護費がすべてクリニックに
 3年前ごろ、生活保護費が支給される前日に交通費がなかったのでクリニックを休んだ。事情を知った看護師から「金銭管理ができないのであれば生活費を管理する」と言われた。看護師が福祉事務所へ話し合いをもちかけ、それから生活保護の全額が福祉事務所からクリニックへ現金書留で送られるようになった。約30人のメンバーのうちAさん含めて10人ほどが、同じようにクリニックに生活費を管理されていた。一日いくらと定められた生活費を通院の際にもらうことになっているため、通院しなければ生活費がない。それに加え、預金通帳もクリニックのほうで預かるということになり、自分の生活費が人質にとられているような状態だった。通帳を渡したとき、目の前で看護師たちが自分の通帳を眺めながら「ふ~ん」と笑っていた、それがとても辛かった。

福祉事務所は・・・
Aさんはデイナイトケアを卒業したいと福祉事務所のケースワーカーへも相談していた。この5年間で担当は5回変わったが、そのたびに「今のところはここのクリニックに通うしかないよ」と同じような言葉が返ってきた。どの担当にも訴えを聞いてもらえることはなかった。

強制通院からの「退」院
片道1時間の通院時間をかけ、朝から夜までのデイナイトケアを週6日間、5年以上通い続け、もうすぐ60歳にもなるAさんには負担が大きく辛い。
通院先の選択は基本的に本人の希望によるものであることから、転院へ向けて区内で通いやすいところを探し、新しい受診先と初診の日を決めた。その旨を福祉事務所に伝えると、担当からは「本人がクリニックの主治医と話してもらわないと転院の手続きはできない」の一点張りであった。
クリニックへ電話をし、転院をしたい旨を申し入れたが、「福祉事務所と決めた通院なので福祉事務所の了解が必要だ」「継続が望ましい」ということを主張するのみで、本人の希望を聞き入れようとする姿勢はなかった。また、合鍵や現金、預金通帳を返却してほしいと伝えても、「福祉事務所と決めたこと」と応じなかった。
その後、Aさんと作業所のスタッフ2名と区議会議員にも同行をお願いし、福祉事務所を訪ねた。福祉事務所では担当職員含め3名と2時間余りの話し合いを行い、転院の手続きが出来ること、合鍵と現金、通帳の返却が福祉事務所を通して行われることをどうにか確認することができた。
後日、合鍵と現金、通帳がAさんの手元へ返ってきたが、現金に関しては、封筒に現金が入っただけのものが返ってきた。この5年間、Aさんのお金がどう動いてきたのか、クリニックがどのように金銭管理をしてきたのか全くわからないような状態であった。
クリニックへ「5年間の収支がわかるものを送ってほしい」と問い合わせたが、「院内の資料なので見せられない」と内容を開示できないという返答があった。お金を送っていた福祉事務所に問い合わせてもらえるようお願いしても、「開示させる権限はない」と返答があった。請求を重ねているが、現在も返ってきていない。

自分の生活を取り戻す
Aさんはこの5年を振り返って、「クリニックというところは、心を癒したりするためにあるところだと思っていたが、全く違っていた。薬とお金と合鍵でしばりつけられて、恐怖心だけで通わされていた」「心が空虚になり、心身ともに弱っていくような場所だった」と語っていた。Aさんと同じ思いをしている人が、まだクリニックのなかに沢山いるというのが心苦しい。
現在、Aさんは新しい主治医のもとへ月一回通院しており、作業所には2週間に一回のペースで通っている。新しい主治医との診察は本人いわく「別世界」だそうで、ちゃんと自分の話を聞いてくれるので安心して話ができるらしい。現在は向精神薬を処方されていない。そして金銭管理はAさん自身で問題なく行っている。しかし、合鍵はないとわかっていても、家にいるといまだに少し恐怖感があるそうだ。Aさんはいま医療への信頼と、自分の生活を取り戻している途中だ。

編集部より
精神疾患の疑いのある生活保護利用者に対し、東京都内の医療グループが自治体からの委託で福祉事務所に「相談員」として職員を派遣し、グループの精神科クリニックで通院治療やデイケアなどの「自立支援医療」を受けるよう誘導した疑いがあると、フジテレビにて報道されました。この問題に関する情報提供、ご連絡は下記にお願いします。
<医療扶助・人権ネットワーク事務局>
東京都新宿区四谷3丁目2番2号TRビル7階マザーシップ法律事務所内
電話 03−5367−5142(担当 弁護士 内田 明)


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障害年金 -精神の障害に係る等級判定ガイドライン(案)とパブリックコメント-

福冨一郎


 精神障害の障害年金認定において地域差があるので是正する目的で、等級判定ガイドライン案が厚労省から出されました。しかし、その内容は主治医が書く診断書に「日常生活能力の判定」という7項目の4段階評価と「日常生活能力の程度」という5段階評価で等級の目安をつくり、それによって事務官がだいたいの振り分けをして、認定医が総合評価をして認定するというものです。たとえば、生活能力の程度が3で、生活能力の判定が平均すると2.5から3未満くらいの場合、今まではほとんどが2級の判定でした。しかし、ガイドラインによると3級の可能性が高いです。このガイドラインがそのまま決まれば、認定の公正化とは逆方向に向かう可能性があります。
 精神福祉が医療モデルから社会モデルへと移行しつつある中、本人に会ったこともない認定医が診断書の内容だけで判定するという、究極の医療モデルになっています。社会モデルでの判定をするなら、本人にかかわる支援者や家族、主治医、雇用主など、多くの方々の意見をとりまとめて、いろいろな分野から選ばれた認定委員が判断すべきだと思います。そもそも、このガイドラインを話し合っている委員9名のうち8名が精神科医で、当事者は誰もいないそうです。議論の内容の偏りが懸念されます。以下、ガイドラインで特に気になった項目について書き出して、意見を述べます。

 1.精神障害の項目の気分(感情)障害について書かれた部分。「適切な投薬治療などを行っても症状が改善せずに、入院を要する水準の状態が長期間持続したり、そのような状態を頻繁に繰り返している場合は、2級以上の可能性を検討する」とあります。これって今までだと1級と判定される状況だったと思います。ガイドライン作成委員の中に気分障害に理解のない精神科医がいるような気がします。入院を要する水準ではなくても、日常生活に支援を要する2級に該当する場合はいっぱいあります。入院が2級の判定条件だとも捉えられかねない表現になっています。そうでないことを明確にすべきです。

 2.共通項目の家族の日常生活の援助や福祉サービスの有無を考慮するという部分。「独居であっても、日常的に家族の援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合は、それらの支援の状況を踏まえて、2級の可能性を検討する」とあります。いやいや、独居で家族の支援がない人の方が、年金が必要ですよね。福祉サービスを受けられてない人にも、様々な理由があると思います。もしかしたら、年金がもらえたら、福祉サービスを受けたいと考えている人もいるんではないかと思われます。

 3.共通項目の相当程度の援助を受けて就労している場合は、それを考慮するという部分。「就労系障害福祉サービス(就労継続支援A型、就労継続支援B型)による就労については、2級以上の可能性を検討する。就労移行支援についても同様とする」「一般企業(障害者雇用枠を含む)で就労している場合でも、就労系障害福祉サービスにおける支援と同程度の援助を受けている場合は、2級の可能性を検討する」とあります。就労していることをもって、日常生活能力があると捉えられることがありそうです。そんなことはないです。身体障害のような外部障害の場合はわかりやすいかと思いますが、精神障害に関しても配慮があれば就労できる状態がそのまま日常生活は問題ないとは言えないと思います。実際に、生活はままならないのに外面だけは何とか保っている方もいっぱいいます。また、就労系障害福祉サービスと一般企業の記述を分ける必要があるのでしょうか。一般企業で就労系障害福祉サービスと同等の援助は難しいのが現状です。たまたま、就労において一般企業に縁があった方もいらっしゃると思います。こと就労に関しては、それを理由に障害年金の等級を下げたりすることのないようにお願いしたいです。

障害基礎年金の2級で月におおよそ65000円くらいしかもらえません。これでは、就労するか、生活保護か、しかありません。そもそも年金とは何か? そのあたりから考え直してもらいたいところです。厚労省では、障害年金のガイドラインについてのパブリックコメントを募集しています。どれくらい聞き届けられるかはわかりませんが、何も言わないよりは何か意見を書き込んでみた方がいいと思います。9月10日、17時までです。

精神の障害に係る等級判定ガイドライン(案)とパブリックコメント 9月10日まで
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495150111&Mode=0


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生活保護厳格化の省令案を修正

香澄 海 


 私には生活保護を利用して生活している仲間がたくさんいる。だから、私にとって生活保護という制度はとても身近なものだ。ところが、一部政治家やマスコミの生活保護バッシングによって、制度を利用している仲間がとても辛い立場に追い込まれてしまった。家から出られなくなった、買い物に行っても「監視されている」と感じてしまうという悲痛な声が届いている。また、薬局でジェネリックを勧められ断ることができなかったという報告もあった。

 そんな中、今年7月に改定された生活保護法が施行される。その施行にともなって出された厚労省の通知案の内容が制度の更なる悪化を招くものであり、パブリックコメントを寄せていこうという呼びかけが生活保護問題対策全国会議からなされた。私も資料を読み込み、下記の内容のパブコメを寄せた・・・


 以下、全文は、おりふれ通信328号(2014年5・6月合併号)でお読み下さい。
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岐路に立つ仏祥院・心道学園裁判 ―解体か!?良い施設か!?段階論の見通しを立てる

仏祥院・心道学園被害者を支援する会
代表世話人 桐原尚之

1 支援の開始
茨城県かすみがうら市にある「特定非営利活動法人日本整膚心道学園(現:心道学園、旧称:仏祥院)」で約3年間にわたり、自らの意思に反して隔離・収容されたとして、本多さん(東京都大田区在住、52歳、男性)が、2011年9月1日に当該仏祥院を相手取り、慰謝料などを求める民事訴訟を東京地裁に起こした。
私は、精神科病院を中心に閉じ込められている人を外に出す活動をしていたので、裁判の支援を自ら名乗り出た。しばらくして、整膚心道学園は、旧称が仏祥院であることがわかった。仏祥院は、1984年に全国「精神病」者集団が抗議を入れていたため知っていた。いまだ健在であることに驚いた。
私は、過去の新聞を調べて、閉じ込めていた旨の記載のある記事を十数点ほど見つけてきた。その後、本多透人さんと連絡を取りつつ、仏祥院・心道学園被害者を支援する会を立ち上げた。仏祥院・心道学園被害者を支援する会のウェブ上に私の携帯電話を公開し、十数名の元入所者からの連絡をいただいた。いずれも、仏祥院に強制的に監禁され、酷い目にあったという内容であった。

2 仏祥院という良い施設論の実践
 私は、仏祥院の問題を新自由主義時代の保安処分と位置付け、仏祥院解体に向けた支援活動を開始してきたつもりだ。
時代の変遷を辿ると、1974年に保安処分の新設を定めた改正刑法草案が法制審議会の最終答申となった。犯罪をおかしていない人であっても、危険そうな人を閉じ込めていいという法律である。それに対する大規模な反対運動が巻き起こり、1980年からは、専ら精神医療や社会福祉の枠内で解決しようという動きになる。それが今日的な更生保護や司法福祉、医療観察法などを作り上げてきた。そして、新自由主義時代の今、仏祥院・心道学園の存在により監禁の正当化も市場原理によって解決していく道筋が示されたのだと見通すことができた。なので、この裁判の敵は、〈拘禁を正当化する理由の付与=おかしい奴は閉じ込めろという考え方〉そのものと考えてきた・・・・


 以下、全文は、おりふれ通信319号(2013年7・8月合併号)でお読み下さい。
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生活保護基準引下げと改憲の動き ~人権をめぐって~

香澄 海 

厚労省は政府・自民党の要請に合うように恣意的な統計を持ち出して生活保護基準引下げを打ち出している。恣意的という理由は、この統計がたまたま物価水準の高かった2008年との比較であること、生活保護世帯がほとんど購入しない家電製品の値段が下落していることなどが有識者からあげられている。しかも、これまでの生活保護基準の決め方を根本的に変更している。

審議会の議論にも全く出てこなかった変更を厚労省が勝手にしていいのだろうか。自民党が公約に掲げた10%削減に合うように、いきなり物価スライド方式を採用したのだ。今回削減の対象になっているのは、生活保護のうち日々の食費などに充てる生活扶助費で、全体の7.3%にあたる740億円を削減するとしているのだが、そのうちデフレによる物価下落を理由に580億円下げるとしている。
しかし、普段の食品価格などは下がっておらず、現状との差が正しく評価されていないという指摘も研究者から出ている。自民党は当初「本当に必要な人には行き届くようにする」などと言っていたが、生活保護利用世帯の96%が引き下げられることになり、生活苦による自殺などが増えることが予想される。特に、母子世帯の引き下げ幅が大きいことから、ただでさえ進学や課外活動をあきらめていた子どもたちが追い詰められ、家庭不和や孤立による虐待の増加も懸念されている。・・・

 以下、全文は、おりふれ通信317号(2013年5月号)でお読み下さい。
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兵庫県小野市の生活保護受給者ギャンブル禁止条例に異議

編集部 木村朋子

 兵庫県小野市議会で「福祉給付制度適正化条例案」が審議中であるという。
 
 条例案を市のホームページで見ると、第1条(目的)として、生活保護法、児童扶養手当法、その他福祉制度に基づく公的な金銭の受給者が、金銭を遊技、遊興、賭博等に使ってしまい、生活の維持、安定向上に努める義務に違反する行為を防止するとある。第3条(受給者の義務)は、「給付された金銭を、パチンコ、競輪、競馬その他の遊技、遊興、賭博等に費消し、その後の生活の維持、安定向上を図ることができなくなるような事態を招いてはならない」とあり、さらに第5条(市民及び地域社会の構成員の責務)には、「市民及び地域社会の構成員は、受給者が付された金銭を、パチンコ、競輪、競馬その他の遊技、遊興、賭博等に費消し、その後の生活の維持、安定向上を図ることに支障が生じる状況を常習的に引き起こしていると認めるときは、速やかに市にその情報を提供するものとする」と書かれている。

 小野市は人口5万人、生活保護受給世帯は約130で、兵庫県で2番目に少ないという・・・

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人権を揺るがす生活保護基準引下げの動き

山川幸生(ホームレス総合相談ネットワーク・弁護士)

 生活保護が危機に直面している。本校執筆時(2013年1月27日)現在の報道によれば、政府・与党は2013年1月下旬、同年度以降の生活保護費のうち生活扶助費について、同年8月から引き下げる方針を固めたという。3年間で800億円の国庫負担削減を目指すらしい。生活扶助は、食費、光熱費、その他の生活物資購入費用などの生活費を賄うものである。約95%の受給世帯の生活扶助費が減額され、減額率は全体で約8%、最大で減額率10%にも及ぶ減額が行われようとしている。

 昨年、有名タレントの母親の生活保護受給をめぐってバッシング報道がなされたのをきっかけに、自民党の片山さつき参院議員らが中心となって生活保護制度そのものに対する批判が始まった。こうした中で、同年8月に成立した社会保障制度改革推進法の附則で「生活扶助、医療扶助等の給付水準の適正化、保護を受けている世帯に属する者の就労の促進その他の必要な見直しを早急に行うこと」が定められ、当時の民主党・野田政権は生活保護基準の引下げの検討を始めた。さらに、自民党は生活保護基準の引下げを衆院選の公約に掲げ、政権についた。

 上記タレントの母親は不正受給ではなかった。にもかかわらず、不当なバッシング報道を受けた。さらに、この問題が金額ベースで0.38%(2010年)にすぎない不正受給の問題にすり替えられ、さらに保護費を減らせという議論にすり替えられていった。もともと画策されていた生活保護費の抑制のために、バッシング報道が利用され、基準引下げの議論へ誘導された疑いが濃厚である。
 生活保護は、基本的人権である生存権を実現するための制度である。一連の動きをみていると、このことが忘れられているようである・・・

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障害者インターネットカフェ入店拒否裁判で画期的判決

香澄 海 

●事件の経過
 2010年1月、原告Tさん(男性、当時41歳)は東京都国分寺市にある当該店に会員登録し、10数回何の問題もなく利用していた。3月23日に帰宅後、精神障害者手帳を当該店に置き忘れたと思い、電話で問い合わせをした。その後、手帳が見つかったので、報告とお礼の電話をした。
あくる日の24日、入店しようとしたところ「手帳の人ですね。ウチは障害者の方はお断りしているんです」と入店を拒否された。Tさんが店の外に貼ってある障害者啓発用の市のポスターのことを指摘したところ、店長は「あれは市役所に言われて仕方なく貼っただけ」と言い、Tさんが入店拒否の理由を尋ねると「以前、愛の手帳(東京都の知的障害者手帳)の人が無銭飲食をしたので、以後手帳の人はお断りしている」と答え、警察を呼ぶと言われた。Tさんは自分には何の非もないとわかっていたので、「どうぞ呼んでください」と応じた。
警察官が3人到着し、別々に事情聴取が行われた。Tさんに対して警察官は「こんな店、気分悪いでしょ。他に行った方がいいよ」と促した。Tさんは仕方なく店を後にした。・・・


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