千葉精神医療人権センターがスタートします!
東京精神医療人権センター相談員 山本則昭
「千葉精神医療人権センター設立集会&相談研修会」に参加してきました。参加者は160人、うち110人は千葉県の方とのこと。神奈川のセンター(KP)や埼玉のセンターからの参加者もいらっしゃいました。
冒頭、準備会世話人の池澤直行さんから、「声をきく」「とびらを開く」「社会を変える」を旨とする設立趣意書の発表がありました。
会の前半は、大阪精神医療人権センターから来られた副代表の山本深雪さんと理事の原昌平さんの講演が行われました。山本深雪さんからは、発足時からの大阪のセンターの経緯と活動の紹介がされました。以下、要約です。1985年発足し、相談活動と共に欠格条項の調査と改革への取り組みを行っていました。1993年の大和川病院事件を背景に、大阪府精神病院協会に協力要請を行い、1998年任意の関係で病院訪問する「ぶらり訪問活動」を開始しました。その後「精神医療オンブズマン制度」(2003年)に繋がり、人権センターが大阪府からの委託を受けての病院訪問活動となりました。2009年には、大阪府の予算がカットされ人権センターは無償で活動を続けています。名称は「療養環境サポーター制度」に変わりました。
病院訪問・面会時の留意点として話されたのは「尋問形式にしないこと」、「プライバシー確保の必要から病院職員の同席は断ること」、「入院中の方が病院の本来の機能を活用すべく働きかけること」、「病院職員と程よい緊張関係を保つこと」などで、面接の方法論から支援の原則論まで渡りました。何より相談者の利益、主体性を尊重する姿勢が伝わりました。これからセンターの活動を始める方へのレクチャーだけでなく、私のように既に相談員ではあるが、センターとしての支援のあり方や病院との関わり方について迷いながら活動する者にとっても原則に立ち返らせてもらえるようなお話でした。
原昌平さんからは、精神医療の状況とアドボケイトの役割について話されました。まず、2000年頃を境に医療保護入院と閉鎖病棟が増えていること、そして隔離・身体拘束が増えていることが報告されました。原さんの入院経験者へのアンケート調査によると、隔離は、強制入院時には81%が、任意入院でも39%が経験しており、身体拘束については、強制入院では55%、驚くことに任意入院でも25%が経験しているということです。
次に権利擁護のあり方に言及しました。精神医療審査会は、2022年の新規措置入院が7815件、医療保護入院が18万1787件あったが、退院請求は4095件、処遇改善請求は789件にすぎず、請求が認められたのは236件(7.4%)であり、審査会が権利擁護として機能不全であると評価しました。各地域での民間の権利擁護活動が求められ、「請求者にとどまらず、対象を全ての精神科入院者に広げること」が必要、「事業費の確保」が課題としました。取り組みを広げ社会を変えるために、「当事者の参画」「行政への働きかけ」「病院協会との対話」「法律家との連携」「政治、メディアの活用」などが提起されました。興味深かったのは、精神医療人権センター、又はそれに近い団体が全国で11か所あり、活動の可能性のある団体も複数か所あるという希望のもてる情報提供です。
そして病床数の削減を提案しました。「精神科病床の利用率が80%まで減ってきている。ここで病床数を減らす取り組みが必要。病院スタッフは地域生活を支える医療・福祉にシフトすべき。ベッド削減のための診療報酬等の経済誘導が有効」と語られました。これは、おりふれ通信紙にて氏家憲章さんが書いておられるベルギーの実践に学ぶ精神科病院医療の政策転換の提唱にリンクするものと思われます。
午後の部は、小人数のグループに分かれての相談研修が行われました。相談者、相談員のロールプレイを行ってその報告を出し合うというものです。模擬相談をすることで、相談に臨む構えや態度など、緊張感の中いろいろ考えさせられることがありました・・・
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