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2023年 編集後記

今年はミーティングやイベント会場で、仲間や知り合いと再会することがぼちぼちあった。嬉しかったり、ホッとしたり、でも悲しいニュースもあって残念な気持ちになりながら、細い糸がまた繋がり出す。生き延びる力をもらえる。でもそんな時、ふと滝山病院のことを思い考えることが増えた。その瞬間、私から糸が断ち切られる感じがして体が冷える。時間は止まる。空気が悪い。こんな思いを抱えている人は私ひとりではないと今は知っている。滝山病院に風を吹かせたい。  まゆみ

 

今年も裁判傍聴をしてきました。国賠訴訟伊藤時男裁判、生活保護引き下げ新生存権裁判など国は強い人の見方しかしないのかと感じた。民間では①母親と②引き出し屋③精神病院3セットで心に深く傷を残した人がいた。俺もやられたと裁判を起こそうと勉強しに来てた人もいた。八王子の訪問では措置入院20 回複数の精神病院に入院してる人と会った。同じ年だったけどいきいき目が輝いて私よりも若々しかった。①警察②精神病院③治安この3セットも考えさせられた。引きこもりの相談引きこもり家族会にも参加した。引きこもりの多さに驚いた!やはり日本は変だと感じた1年でした。現場で自分の目で見れたことがすごく良かった。真実はやはり現場に行くことだ。       小峰盛光

 

ユートピアは地平線上にあります。私たちはそれに一歩近づくと、それは一歩遠ざかります。

私たちはそこに到達することはできません。

では、ユートピアの目的は何でしょうか?

私たちを前進させることです。  ―エドゥアルド・ガレアーノの言葉

世界中で極右が台頭しています。オランダでは総選挙で、極右政党が躍進し、第一党になってしまいました。地球の裏側アルゼンチンでは、極右の大統領が誕生しました。日本でもおぞましい状況が近づきつつあるように感じてしまいます。

私のような無力な者にできることってなんだろう。

小さな抵抗ですが、YouTubeで変なコンテンツを見つけたら、躊躇なくYouTubeに報告します。

来年は、総選挙です。頑張って選挙会場に行き、1票を投じます。 本城

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11.22滝山病院事件を放置しない!入院者の地域移行を進めよう!都議会内集会

地域で暮らすための東京ネットワーク  早坂 智之

 

11月22日都議会内で、「滝山病院事件を放置しない!入院者の地域移行を進めよう!都議会内集会」が行われました。報告と感想を書いてみたいと思います

 

この集会は、多くの団体の共催で行われました。滝山病院事件がNHKの報道で発覚したのが今年の2月。それから9ヶ月。遅々として進まない入院患者さんの地域移行。それに対する怒り。又、滝山病院は以前から死亡退院率の多い精神科病院として有名でした。それを何年にもわたって放置し続けた我々の贖罪の意味が込められていたと思います。

 

集会は15時半に開会。司会挨拶の後は、一般社団法人精神障害者地域生活支援とうきょう会議代表理事の鈴木卓郎さんによる「滝山病院入院患者の退院支援をどう進めるか」と題した基調報告。滝山病院事件の現状・この先、東京都がやるべきこと・支援者である私たちがやるべきこと・市民社会の一員として私たちができることの4つに分けてお話しいただきました。鈴木さんのお話は、分かりやすく示唆に富んでいたと思います。

続いて、れいわ新選組・参議院議員、「滝山病院問題を考える市民と議員の連絡会議」の天畠大輔さんの報告。議員としてできること、市民としてできることの提起をわかりやすくしていただきました。その後、NPO法人トモニの細江昌憲さんからの「滝山病院へのアクセスの会」の設立の経緯と東京都への要望書とその回答書の説明。NPO法人全国精神障害者地域生活支援協議会あみの伊澤雄一さんから「滝山病院へのアクセスの会」の今後の活動方針の説明がありました。

 

ここで時間の関係で、都議会議員の方5名の方の発言。東京都議会生活者ネットワークの岩永やすよ議員、グリーンな東京の漢人あきこ議員、立憲民主党の五十嵐えり議員・関口健太郎議員・阿部ゆみ子議員でした。

 

そして、杏林大学教授・精神科医療の身体拘束を考える会の長谷川利夫さんから、11月20日に行われた社会保障審議会障害者部会の報告がありました・・・

当日の集会の模様は、以下のHPからご覧になれます  

https://www.youtube.com/watch?v=h_rhK-R37wo

<以下、全文は、おりふれ通信428号(2023年12月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

 

 

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家でもなく、病院でもない第三の居場所を

根間 あさ子

 

私が応援している、クライシスを入院せずに凌ぐ場所を作った精神保健福祉士と看護師の二人の私財を投入しての取り組みが、クラウドファンディングによって、あともう1年は続けられそうな見通しが立ちました。

 

家でも病院でもなく

第3の安心できる居場所を提供することで

じぶんらしく生活を続けてほしい

新しい可能性に出会ってほしい

既存のサービスや制度で解決できない

・もっとこうだったらいいのにな

・こんなサービスがあったらいいな

に寄り添える活動を目指しています

(マヤッカのいえfacebook 4月20日)

 

「マヤッカのいえ」の小さなパンフレットです

小さく折り畳んだパンフレットを広げていくとあなたに当てたメッセージが現れます

そこは「マヤッカのいえ」という、築50年以上の昭和な一軒家です。みんなでおしゃべりしたり、一緒にシナモンロールを作って食べたりできる茶の間があり、縁側から小さなお庭を眺めることも出来、疲れたら横になれるお部屋もあり、安心して相談できる応接室もあり、というこころ安らげるおうちです。この家には、混乱した人の話をゆっくりとていねいに聴いてくれる人がいて、大概の人は、2、3日過ごせれば、落ち着きを取り戻すことが出来るのです。

私達はたしかに時には混乱します。そういう時は、普段とは違う場所で、誰かに守られて過ごす時間が必要です。私自身も厳しい状況の時に、多摩総合精神保健福祉センターでのショートステイを利用し、家から距離を取る時間が助けになりました。休息入院を使うことも選択肢でしょう。でも、今のような精神科病院が混乱した全ての人に合っているとは思えません。ちょっとだけいつもの場所から離れて休むだけで十分な人もきっと多いと思うのです。

そういう意味で、この二人がやろうとしていることは現代においては時代を先取りしていると言えます。しかし、西洋医学がはびこる以前の日本では、地域において精神的な危機状況にある人を支えてくれる諸々の取り組みが、全国どこでも普通にあったことを私たちは思い出すべきかもしれません。

参考文献「精神病の日本近代」兵頭晶子2008 「洛北岩倉と精神医療」中村治2013

月に1、2回カフェが

開かれています

自分で作ったシナモン

ロールの味わいは

何とも言えない

美味しさです

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<追悼>

金松直也医師へ 

 金松医師が1110日になくなったという知らせを受け取りました。

 私が、何の問題意識もなく、食べるために公務員―東京都保健所の精神衛生相談員になったとき、仕事の相棒として東京都立精神衛生センターから派遣されてきたのが、金松医師でした。精神医療・福祉について全く何も知らない新人の私は、金松医師が言ったり、行ったりすることに、いちいち疑問をいだき、質問していました。例えば「この人はてんかんだから・・・」「この人は精神分裂病だから・・・」と言われると、「てんかんだからと言ってどうして?」「精神分裂病だからってどうして?」みたいなことを。そんな私に対して、金松医師は「あなたはおへそが曲がってついている」と言っていました。それが1967年のことです。今は2023年。56年経ちました。

 金松医師は、その後東京都を辞めて、長野県立木曽病院で長らく勤務医をしながら、長野県の地域精神医療に携わっていました。その後も「おりふれ通信」読者として、ずっとお付き合いが続いていました。

 コロナで人付き合いが疎遠になる少し前に、久しぶりに昔の仲間と長野県で飲み会をもち、酔っ払ったのが金松医師に会った最後でした。

金松先生、いろいろありがとうございました。  飯田文子

 

追悼 中田智子さん

おりふれ通信の購読者であり、立川市の精神保健福祉に尽力された中田智子さんが亡くなられました。中田さんは、市内の精神障害者の草分け的な作業所を長く運営されました。作業所の連絡会(立精連)を立ち上げたり、市の自立支援協議会などの委員も務めたりと立川市の精神保健福祉に大きな役割を担い続けた人でした。中田さんの語った作業所運営の理念として印象深いのは「学ぶ、働く、遊ぶ」というもの。それは精神障害者に限らず、社会に生きる人間として大事なことと思われます。また、食の大切さにもこだわっておられました。何より、楽しそうに活動されていた姿、ユーモアあふれる物言いが想い起こされます。大事なものを沢山残してくれた中田さんに感謝です。   山本則昭

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スィートタウン心の旅@静岡へ行ってきました。

おりふれ通信編集部 木村朋子

 

 

 寺澤暢紘さんのお誘いで、11月小春日和の日曜日静岡へ行ってきました。寺澤さんは、おりふれ通信昨年11月号、12月号に「なぜ精神障害者は議会の傍聴ができないのか」を寄せてくださった方で、長年静岡で「心の旅の会」という精神医療についての市民運動の会をしておられます。毎月の定例会は、会員の情報交換、バイオリン演奏などをして、内容を「心の旅の会々報」として発行。今回は年に一度の、人を集めて精神医療のことを知ってもらおうというイベント「スウィートタウン心の旅」でした。この会もコロナで3年間は内輪の集まりとなっていた由。以前は、バザリアの映画会や浦川からベてるの人々を招いた会などで100人もの人が集まったこともあったそうです。

 

今回は、静岡県沼津市のふれあいグループ精神科病院での昨年末の虐待事件に次いで、NHKの番組「ルポ死亡退院~精神医療・闇の実態~」等で滝山病院事件が社会問題化したことで、精神科病院の問題を取り上げようということになったそうです。そこで私が、長らく滝山病院の630統計を見てきて気づいていた問題、それが事件になり、今どのように入院者の退院促進が進んでいるか(いないか)というお話をするためのお招きでした。

  

この間おりふれ通信紙上でずっと取り上げてきたことをお話ししました。情報公開で得た死亡退院率の異様な高さや、看護職員数の極端な少なさと圧倒的に非常勤であることなど問題はずっとわかっていたのに、明るみに出し変えることはできなかったが、データがあったから今回の弁護士・テレビの働きが生まれ、議員・マスコミもデータを見て続く動きを作ってくれていること。身体障害当事者である天畠大輔議員や、大田区(生活保護入院者が地元八王子市より多かった)の鈴木敬治さんが、精神障害者が閉じ込められ、虐待されたことを、我がことのように問題にし、発言・行動されていること。東京都の入院者への意向調査で、滝山病院から退院したいと意思表示した人が、5月時点で39人いたにもかかわらず、9月時点で34人がそのまま残っていたこと、その間22人もの人が亡くなっていたこと。地域の相談支援センターやグループホームなどで働く人々が、東京都に退院支援に参加したいと言っているにもかかわらず、都は個人情報や家族の反対等を理由に退院支援の輪を広げようとしてこなかったことなどです。みなさん熱心に聞いて下さり・・・

<以下、全文は、おりふれ通信428号(2023年12月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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