退院を進めることで反論しましょう!
精神保健福祉士 細江 昌憲
東京新聞、7月7日号に日本精神科病院協会の山崎会長のインタビューが掲載されました。精神障害者は地域で生活できない、長期入院は幸せ、といった、まさに傍若無人な放言には、強烈な不快感を禁じ得ませんでした。その前近代的な価値観は、理解も容認も全くできません。そこで、現場で日々みなさんと接する立場から、一言を言わせてください。
「まず身体拘束」
身体拘束については、それがトラウマになり、その後の人生に深く暗い影を落としている方は少なくありません。身体拘束を経験した男性は、その状況を拷問と表現しました。象徴的だと思います。
山崎会長は法律に則っているといいます。法律に違反していなければ、何をしてもよいのか。法律の前に人がいるのです。トラウマで苦しむ人がいる以上、それはやめなければいけない。自分に置き換えたらどうか、という想像力が欠如しているなら医療や福祉職に就いてはいけません。
急性期でかなり危険なケースでも、その人の側に誰かがいて見守ることで、しばらくすると落ち着く事がほとんどだと聞きます。そもそも、身体拘束は人の自由、尊厳を奪うのですから、まずはこのような拘束しない実践を医療現場で積み上げていただきたい。身体拘束は言葉としても恐ろしいです。
「『長期入院は幸せ』なはずがない」
明日の事もわからない中、アパートで一人で暮らすより、病室で4人でご飯を食べる方が幸せだ、だから、長期入院は幸せだ、と山崎会長は言い切りました。腰が抜けました。
明日のことが分からないのは私達も同じです。それに「退院して地域で暮らす」と「病室でみんなで晩御飯」を比べて、どっちが幸せか、昭和の学生寮の寮母さんならまだしも、誰がどのような立場でなにを言っているのでしょうか・・・
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