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伊藤時男さんの精神国賠傍聴記

根間 あさ子

 

伊藤時男さんの精神医療国家賠償請求裁判の第12回口頭弁論が725日に東京地裁にて行われました。 

 私は、開廷時刻の10分前位に着いたのですが、とても多くの人がロビーに集まっていました。いつにも増した熱気を感じました。間もなくいつもの103号法廷に入りました。100人入れる傍聴席は空席がとても少なくて、人数が数えにくいくらいでした。精神国賠研のホームページによると傍聴者は約80名、裁判後の報告集会の参加数がZOOM参加も含めて74名でした。酷暑の中、本当に多くの方々が今回の裁判に駆けつけて下さったのです。裁判内容については精神国賠研のホームページをご覧ください。次回、第13回口頭弁論は1024日火曜日の16時開廷です。また、多くの方々の参集を待ちます。

 さて、報告会では今回も様々なお立場の方々がそれぞれの思いを込めて発言されました。裁判の本筋、伊藤時男さんは国の精神医療施策の不作為の結果、長期の入院を強いられたもので日本国憲法に違反している、という主張とは少し離れたものも決しておろそかにされず、真摯に受け止められて、互いに傾聴し合うのです。毎回、様々な今の精神科医療の問題点が体験者の切実な思いとともに話され、それぞれに胸を打つ言葉にあふれています。そしてそれを聴くその場の皆さんが、発言者一人ひとりの思いを共有するのです。参集して下さる皆さんのこの国の精神科医療を何とかしてまともな、真に「医療」と呼べるものに変えていきたいという熱意が伝わってきます。

 今回は、例えば、不適切な薬物治療による酷い副作用に苦しむ人、ピアサポートは活動する人の善意に任されていて経済的な基盤を持っていないこと、などが語られ、それに対して伊藤さんがご自身の体験を語り返し、多くの精神医療を受けている人々の悩みや苦しみが他人事でなく共感を持って受け止められる場となるのです。私はこの報告会や毎月の月例会で語られる一つひとつの切実なエピソードを多くの人々が共有して下さることで、私自身が体験した傷もまた、その場で癒やされていくように感じるのです・・・

 

<以下、全文は、おりふれ通信424号(2023年8月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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