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「なぜ精神病院での虐待事件は繰り返されるのか?」に参加しました

山本則昭

5月20日、当事者主体の活動を続ける「ほっとスペース八王子」が主催する学習会に参加した。前半は精神科医師の竹内真弓氏の講演会後半は竹内氏を含む4人の方のシンポジウムだった。

 

[家族に依存する日本の福祉・精神医療]

竹内氏は、現在代々木病院精神科科長をされているが、東京都に勤務されたことがあり病院監査指導に当たっていたこともある。また、「引きこもり成仁病院裁判」で強制入院被害者(原告)の支援にもかかわっておられたという。まずは引きこもりの話で、長期化高齢化と共に興味深かったのは、親との同居率の国際比較で、70%と高いのが日本、韓国、イタリア、スペイン、一方低いのは英国、米国とのこと。自民党は1979年「日本型福祉社会」を提唱し「男性は企業、女性は主婦」という家族主義を日本社会のありかたとした。障害年金受給者も生活保護制度利用者も欧米に比べ日本が低いというというデータを紹介、「日本の国家は、歴史的に家族に責任を押し付けてきた」と竹内氏。日本の精神医療が、民間精神科病院による入院医療と家族による医療保護入院制度に依存して成り立っていることと符合するのだと改めて感じた次第。

[引きこもり成仁病院入院事件]

事件の概要は以下のようだ。2018年、30代男性が引き出しや(=引きこもりの人を連れ出す業者)に拉致、監禁された後成仁病院に医療保護入院させられ身体拘束もされた。病院は家族と引き出しやの話のみで入院を判断、精神保健指定医の診察もなかった。同病院の医師は診療情報を引き出しやに提供、「業者の施設に戻るのじゃないと退院を認めない」と言ったという。後日男性は、引き出しやと病院を相手取って提訴した。その時原告側にたって竹内氏は意見書を提出した。「カルテからは医療保護入院に必要な状態、隔離拘束の必要性が読み取れない。入院時の診察に本人の許可なく業者を同席させたのは問題」等の主張をした。判決は、違法な医療保護入院と業者の不法行為を認め、男性の勝訴となった。報道された情報によると、監禁時警察官も現認していたが、何の手助けもしなかったという。一旦「精神障害」や「引きこもり」とされると白昼堂々と拉致、監禁が可能になってしまう。この事件では病院のやり方が杜撰であり医療保護入院の要件を欠いていたが、手続きが整っていれば不当性を証明するのは至難の業だ。なお報道によると引き出しやが運営する「あけぼのばし研修センター」では、2017年にも入所者が餓死するという事件が起きていて、これも裁判になっているという。

 

[精神保健福祉法は患者を守っていない]

そして滝山病院事件について。竹内氏は東京都の病院監査指導にも携わっていたことがある。「東京都の予定監査は、病院の強力に基づいて行うもので、問題が発見されることは難しい」とのこと。竹内氏も滝山病院に前院長時に入ったことがあったが、何の問題も見つけられなかったという。「精神保健福祉法は患者を守っていない」と言い切った・・・

 

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