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もうこれで最後にしよう! 滝山病院事件の問題点の徹底追及を通して精神医療体制の転換を目指す院内集会 第2弾 「情報公開」に焦点を当てて 参加記

東京地業研 木村朋子

 

4月13日、表記の会が衆議院第2議員会館で開かれた。第1弾は3月13日。そこで東京地業研として、情報公開で得た1987年以来の東京都精神病院統計(その後630統計)に見る滝山病院について、90年代、2000年代、2010年代、2020年代にわたって報告した。

 1987年以来滝山病院は一貫して、死亡退院率が高く(1987年72%、2021年64%、ちなみに2021年は自宅やグループホームへの退院は0%)、有資格看護職員が少なくかつ非常勤が多く(1987年看護者数非開示、2021年常勤有資格者13人、非常勤120人)、外来がなく(1987年、2021年ともに0)、生活保護の受給率が高く(1987年36%、2021年55%)、地元からの入院が少なく広域からの入院を受け入れているというのが特徴である。良いとされる精神科病院は、回転率が高く(短期入院が多い)、退院した患者さんが外来通院し、そのついでに病棟に立ち寄って入院している人や職員に刺激や励ましを与え、地域との結びつきともあいまって、病院の風通しがよいというイメージがあるが、滝山病院はその正反対の条件をそろえていると言える。
同じ内容をこの間、今号に報告のある東京精神医療人権センター勉強会、精従懇、病・地学会の滝山病院問題オンラインカフェ等で報告し、マスコミの取材も受けてきた。若い新聞記者に「問題がわかっていたのに、なぜこんなに長い間改善されなかったのでしょうか?」とまっすぐなまなざしで問われ、グサッときた。わかっていたけどこの45年変えられなかった。今回のような隠し撮りによる取材とテレビでの放映という思い切った手段によらなければ、世に問うこともできなかった。残念ながらそれが現実だ。

しかし45年前から積み上げてきた情報公開請求と得たデータの個別病院ごとの公表という活動があったから、今回長く続いてきた滝山病院問題ということを明らかにできたという面もある。そのことに焦点を当てたのが今回の院内集会第2弾であった…

<以下、全文は、おりふれ通信422号(2023年5月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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生活保護基準引き下げ違憲訴訟について思うこと

いのちのとりで裁判埼玉支援者 永山淳子(ながやま・あつこ)

 

3月29日、約9年間継続した生活保護基準引き下げ違憲訴訟さいたま地裁判決が言い渡されました。結果は、引き下げの違法性が認められ、一応勝訴ということになりますが、原告の主張の肝心な部分、すなわち、引き下げの根拠とされたデフレの算出方法は違法であるという部分が否定されたため、大いに不満が残る内容でした。

とはいえ、判決を法律の素人である私が適切にまとめるのは難しく、すでに適切な報告が出ていますので、この場では触れずにおこうと思います。

私がいつも理不尽に感じるのは、行政訴訟は概して長期化しがちで、結論が出るまで原告は長い間落ち着かない状態で過ごさなければならないことです。特に、今回の生活保護基準の下げ幅は、平均6.5%、最大で実に10%という数字です。

月々の生活扶助費は地域や世帯構成等により変化しますが、多めに見積もってもせいぜい10数万円ですから、そこから6%以上も減らされたら生活は大ピンチです。そのような扱いが不当と認められるまで、埼玉県では、9年もにわたり実に30回以上の口頭弁論が重ねられました。その間の当事者の気持ちを想像すると、何ともやるせない思いです。

裁判の長期化は、そのまま原告の高齢化につながります。近年、生活保護利用者の約半数は70代以上ですから、埼玉県でも多くの人が提訴の時点で高齢者でしたが、その人たちが結果的に9年間、裁判を闘うことになりました…

<以下、全文は、おりふれ通信422号(2023年5月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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東京精神医療人権センター研究会報告 「滝山病院事件の背景と現状」

東京精神医療人権センター 中村美鈴

 

おりふれ通信でもご案内がありましたが、東京精神医療人権センター(以下、「東京人権センター」)では、4月16日に総会と研究会を開催しました。

私は昨年度より東京人権センターの運営委員に加えていただき、微力ながら活動のお手伝いをさせていただいています。今回は総会の後に開催された研究会の内容をご報告させていただきます。

研究会のテーマは「滝山病院事件の背景と現状」です。八王子市の滝山病院事件については、おりふれ通信でもいち早く東京地業研の飯田さんや滝山病院退院支援連絡会を発足した細江さんが立て続けに寄稿され、事件の背景や、事件後の動きなどの情報やメッセージを発信され、緊迫感が伝わる内容でした。東京人権センターでも、研究会で取り上げることにより、病院の情報や退院支援の動きについての現状を多くの参加者の方々と共有し、背景にある日本の精神医療の問題点についても皆さんと一緒に考えることができたのではないかと感じています…

<以下、全文は、おりふれ通信422号(2023年5月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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投稿 患者会・患者自治会の必要性 その4(前)

京都市伏見区善進友の会やすらぎの里作業所 入退院5

コテコテの躁うつ病 キーさん革命の鬼えばっち 江端一起 

 

『生きがいの格差』を埋めるために

『はたらきがいの格差』を取り除くために

『必要とされる実感の格差』を無くするために

『スタッフ』側と『通所者利用者』側との間に

『必要とされる実感の格差』がアルんだ

『活動家運動家病者』と

『病者大衆病者庶民』との間に

『生きがいの格差』がアルんだ

『本物のトモダチ』『本物の生きがい』『本物のはたらきがい』

『本物の人間関係』『本物の友情』『本物の生きる実感』

『本物の必要とされている実感』を

見い出せる可能性を奪わないでくれ、ジャマしないでくれ

もはや『生きがいの搾取』と為っているぞ

「世間様や親や医者に殺されてしまわないように」

 生き延びるために守りあって生きる。お互いに助け合って生き延びるシカないゲンジツがアッタのだ。今だってモチロン『殺しの精神病院』も『殺しの精神医』も『殴りの看護士』もイルんだ。今だって、、、だから、個人だけではなく団体として医療と福祉と専門職を監視しながら、お互いを守りあって、生きる支え合って生きる、まずは、食事会とレクをしながらキーサントモダチに為りながら、キーサントモダチだからこそ『殺しの精神医療』から守りあうのダ、だからこそまずは、『自分たちのコトは自分たちに決めさせてくれ』と、叫んでいくのだ、だって、入院するのだって退院するのだって、クスリを増やすのか減らすのかも、通所するのかどうかも、自分で決めてはこれなかったのだから。今まで、ずっと言い続け書き続けてきたこと、全てだ、、、

 だけれども、だけれども、地域や状況によっては、これほどまでに精神福祉が『充実』してきつつある今、「患者自治会」為るモノが本当に必要なのかと、スタッフ側も利用者通所者側だって言いそうだ、いや、問われるのは当たり前だと想う。

『精神病患者会』の必要はなくなったのではないか、と云う声も聞こえる。それは、えばっちの幻聴ではあるまい。

『精神福祉の充実』と比例するかのように『精神病患者会』は無くなっていったのではないか、とそう想う、えばっちだって確かに、そう想う

 患者会の側に内在する『シッパイ』もアッタだろう、もちろんソレはアッタ、書き続けてきた、、、しかも、精神医や学会ありとあらゆるとこから、どう言い作ろうが本音では『精神病患者会』を無効化しツブしたい、無視しておりたいという、『良心的改革派』の精神医家族会人権活動家ですら、いや、だからこそ、「厄介者を叩き潰したい悪意」があり続け、それは隠しおおせるわけもなく、ソンな悪意に取り囲まれていたことも事実であろう、、ソレも書き続けてきた、、そしてまたもちろん、『悪徳』『殺しの』精神病院経営者や業界団体の親方たちからは、徹底的に憎悪されてもいただろう。それは、えばっちの被害妄想と云うワケではあるまい…

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パリの空の下、アダマン号はいく   理想の精神科デイケアを求めて

コミュニティサポート研究所 齋藤明子

 

セーヌ川に浮かぶ木造船はデイケアセンター

映画の冒頭、歯が数本無いがっちりした男性がダミ声で「周囲の人に自分が思っていることを言ってもらっていると、殺されるぞ」と歌う。歌詞の内容は障害者にとって重要なエンパワメント(自分に自信を持つこと。障害者は助けてもらうことが多いため自分から発言するとか、自分から働きかけるという自尊感情を持ちにくい)だが、歌い手も歌詞も怖いので早く終わらないかな、と思ってしまった。

 パリのセーヌ川には『アダマン号』という2階建の木でできた精神科デイケアセンター船が浮かんでいて「その中では患者も医師も垣根なく、語らい、歌い、踊る」という新聞広告を見たとたんに「行くっ」と決めて、家に一番近い『グランドシネマサンシャイン』という14階建ての映画館ビルに駆けつけた。

 実は私は日本の精神科のデイケアの実情をよく知らない。クリニックとか病院を訪問したときに「見て行って」と言われてのぞいた程度である。でも『アダマン号』の映画から日本と違うかも、と感じられたのは「リラックス」と「楽しさ」だった。

 

みんなでする計算は、毎日合わない

『アダマン号』では1日1度みんなで集まってお金の計算をする。日本は現在「円」という単位だけだが、ユーロのフランスではユーロとその下のセント?という単位がある。何にいくら払った、だれがいくら納めた、と何人かの担当者が声に出して報告し、出席者が計算する。そしていつも計算が合わない。「大変だ!」と思うだろうと日本人は思う。でもだれも「えーっ」という顔をしていない。映画自体は「計算が合いませんでした」と担当者が報告するシーンで終わる。どう解決するのか映画的にも謎のまま、である。だれもあせっていない。

 「金銭ごとき問題でオタオタするな!」ということなのかもしれないが、それより緊張感に追われて過ごすのでなく、デイケア全体に「楽しくやろうよ!」という無言の雰囲気が支配している気がする…

 

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