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1日も早く一人ひとりに面会を

滝山病院退院支援連絡会 細江 昌憲

日本精神科病院協会(以下日精協)が33日に発表した、滝山病院への聞き取り調査によると、「転院を希望している患者はいない」という。しかし、日常的に虐待が行われていた場所に、「そのままいたい」と「全員」が答えたなんてことを誰が信用するのか。日精協が額面通り受け取ったなら、おめでたいとしか言いようがない。このような対応からも、個人が大切にされていない、精神病院業界全体の体質が透けて見える。

至急、精神保健分野のケースワークの経験者等で構成される、利害関係のない第三者が入院者全員に面会し、一人ひとりの意向を聞き、それに応じた支援を1日も早くすべきだ。

不正請求も

今回の事件を告発した相原啓介弁護士は、38日、厚生労働省に保険医登録と保険医療機関指定の取り消しを申し入れた。

驚くべきことに滝山病院の悪行は虐待だけではない。「天ぷら」とよばれる、やってもいない治療行為をやったようにカルテに記入する不正行為が行われ、それに基づき診療報酬を請求していたという証言があり、さらには、必要のない薬剤を投与していた疑いも浮上しているのだ。

また、相原弁護士は、同日、矢継ぎ早やに東京都と八王子市に生活保護法の指定医療機関の取り消しも申し入れている。滝山病院には生活保護を受給して入院している方が5割を超えているので、取り消されれば、経営的にも大打撃を受けることになる。法制度的にも包囲網をかけられ、いつ閉院しても不思議ではない状況だ…

 

<以下、全文は、おりふれ通信421号(2023年4月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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「社会から“毛嫌い”された存在!」

ほっとスペース八王子・あしたば会 榛澤昌高

 

「最初は(退院して)社会でやってく自信がなかった。免許もない、定職もない、『俺なんか何もできない』と思っていたから。でも試しに生活してみたら、それが良くて(グループホームに)入居することになった」と。22歳から61歳までの39年間、精神科病院に入院をさせられ人生を奪われた伊藤時男さん。

初めは社会で暮らしていく自信はなかったそうです。しかし2012年退院し、地域で十分に暮らせることを証明されました。2018年放送のNHK「長すぎた入院」でも、時男さんの退院後の生活に密着し“生き生きと”暮らされている様子が描かれていました。39年間もの入院は本当に何だったのか?時男さんは入院中、医者に何度も「退院したい」と訴えました。主治医は首を縦には振りませんでした。患者を長期入院させることで大儲けしている病院から、高い給料をもらい、人の人生を台無しにしてきた精神科医たちは、自分が下した判断をどう思っているのか?今でも多くの患者が必要のない入院をさせられていますが、退院を許さない精神科医たちは、患者の人生をどう思っているのか?

僕は4か月間しか入院経験がないのですが、それでも入院の苦痛は十分に味わいました。窓の鉄格子、鉄の頑丈な扉、「ここは刑務所かよ」と思いました。入院中、看護師たちが部屋を自由に出入りし、機敏に動き回って働いている姿を見て、劣等感と屈辱感に苛まれ、社会の最底辺にいるような感覚に陥りました。また大量の薬で、頭も身体も思うように動かず“生きた屍”のようでした。精神科の入院は他の病気の入院とは全く異質で、自由だけでなく人間性や尊厳をも奪うように思います…

<以下、全文は、おりふれ通信421号(2023年4月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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