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滝山病院解体・廃院に向けて

東京都地域精神医療業務研究会 飯田文子

2月15日、東京都八王子市にある精神科病院滝山病院に警察の手入れがあり、病棟内での看護者による入院者への暴行暴言の映像がNHKのニュースで流されました。その後2月25日にはNHKのEテレで特集番組『ルポ 死亡退院』が放映されました。

滝山病院看護者の入院者への虐待に対して2月17日NPO法人ほっとスペース八王子が早くも非難声明を出しました。その後3月1日全国自立生活センター協議会が「滝山病院の看護師による患者暴行事件に関して解体、廃院、抗議及び要望」、3月2日には滝山病院退院支援連絡会が都の責任を問いただすために都庁に申し入れに行っています。更に3月3日弁護士が所沢市と滝山病院職員を刑事告発する等の動きが既に始まっています。

 2月15日のニュースを見たとき、私の反応は、正直驚きはなく「やっぱりなー、こういうことが起こって当たり前だよなー」という悲しいものでした。

 滝山病院の状況は私たちが最初の「東京精神病院事情」を出版した1989年とほぼ変わっていません(死亡退院率の高さ、スタッフの極端な少なさ、外来ゼロ等)。

 30年以上前から分かっていながら何もしなかった東京都の責任、ひいては私たちの責任です。今回これだけあからさまになった状況を許しておくことはできません…

 

<以下、全文は、おりふれ通信420号(2023年3月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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そこにある悲劇を何とかしましょう 

滝山病院退院等支援連絡会 細江 昌憲

 

滝山病院の虐待事件が発覚して、早くも1か月が経とうとしています。ETV特集「ルポ 死亡退院 〜精神医療・闇の実態」で放映されたあの酷い病院に、まだ入院している方がいるのです。映像を見れば、安心して入院治療を受けられる環境ではないことは明らかです。これ以上の悲劇を僕は知りません。しかも、これは同じ時代に起きていることなのです。

では、今、私達に何ができるでしょうか。表を見てください。みなさんが、住んでいるすぐそばに入院を強いられている方がいるのです。

そこで、まずは、精神保健福祉に関係するみなさんが、生活保護で入院している方について、当該市区町村の福祉事務所に、直ちに立ち入りによる現状調査(生活保護法28条により権限あり)と今後に関する聞き取りをするように要望してください。滝山病院に送り込んだ責任は当該市区町村にあるからです。ただ、福祉事務所の担当者だけに任せるのではなく、一緒にやりましょうと、協同関係を築いてください。みなさんの協力がなければ、迅速な支援はできません。同様に、生活保護を受けていない方については、当該市区町村の障害福祉課に問い合わせてみて下さい。担当の保健師が配置されているはずです。

今回の虐待事件の前から、滝山病院の死亡退院率は6〜7割ととんでもない数字です。2021年の630調査では、同年6月の1か月間だけで、9名の方が病院内で亡くなっています。この1か月で、すでに亡くなっている方がいるかもしれません。そんなことはあってはならないのです。とにかく動きましょう。まずは、生活保護を動かしましょう。そうなれば、保護を受けていない方の支援も必然的に進みます。

下記のメールまで、連絡をください。みんなで話し合い、知恵を出し合えば、どんな困難なケースでも必ず良い方法が見つかります。良い実践を各地で展開しましょう。

takiyamataiin2023@gmail.com

 

 

 

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投稿 患者会・患者自治会の必要性 その3

京都市伏見区善進友の会やすらぎの里作業所 入退院5

コテコテの躁うつ病 キーさん革命の鬼えばっち 江端一起 

 ここまで、読んで頂いて感謝しております、、キーサントモダチ、スタッフダチンコになって頂いたり、実際に交流させていただいた患者会を出来得る限りご紹介させていただき、たくさんの患者会の名前を遺せてヨカッタです。そして、その患者会で実際に話されていたことや、ジッサイの在り様が、学者や精神医たちが紹介してくる華やかな横文字コトバを先取りしていたこと、そして入院退院含めて自らの意志を聞いて尊重してもらえなかったが故に、せめてせめて、自治会をこしらえて、レクの行き先や食事会のメニューぐらいは、自分達の意見で決めたいね、、と書き綴って、参りました。ありがたいことです。

 今回は、前進友の会の在り様を前提として、大枠として、患者会の活動の在り様などを、図などを交えて、まとめてみたいと想っております。更にその上で、必要性について、また別の視点から、も、訴えたいと想います。

まずは、患者会の活動の在り様をこのような図にしてまとめてみました。

ドウでしょうか(1)>(2)>(3)>(4)

(1)内輪の内向き 食事会とレク、最も最も重要な活動

と云うかセーカツそのもの

地道なセーカツそのものである。愉しく、タイヘンではあるがなかまたちとのセーカツそのものであり、たまり場を維持するためのお掃除やお茶の用意などを含んでの取り組みであり、患者会の根幹中の根幹であり、いよいよと為ったら、この活動だけと云うか、この活動そのものが患者会の本体である。

 シンドい、オモタい病者にとっては、コレだけで、精一杯と云うことも多い。だからこそ、オモタいシンドい病者とともに、いやそうじゃない、オモタいシンドい病者中心にやっていこうとするキーサン患者会としては、この活動が本体と為る。それは、キーサンのセーカツそのものである、と想う・・・

<以下、全文は、おりふれ通信400号(202333月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

 

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千葉県(630調査情報開示請求)への反論書から

埼玉県の精神医療を考える会 村田京子

 

昨年、千葉県へ630調査の情報開示請求をしましたが、在院者についての情報(調査票549の全て)が「個人の権利利益を害するおそれ」を理由として非開示でした。8月に審査請求をし、ようやく年明けに弁明書が届き、さっそく反論書を書いて2月に提出しました。

弁明書への反論なので、弁明書にある非開示理由「特定の立場にある者が有する情報あるいは入手し得る情報との照合により、特定の個人が識別される可能性がある」を否定することがメインです。そしてその項は、神奈川精神医療人権センターの稲川洋さんが資料提供してくださった反論書から、ほぼ引用させていただいきました。反論書としては、その項に尽きます(他府県でも個人情報を理由に非開示となった場合には、この項が参考になると思います。関心のある方はお問い合わせください)。

ただ、それ以外にも我ながらかなり熱く書いている部分がありました。一つは「高度な秘匿性が求められる情報」について。精神科だからと特別視されている感じがどうしても私には引っかかってしまうのでした。

 

高度な秘匿性が求められる情報について

弁明書に「加えて、措置入院や医療保護入院という本人の同意なくして精神科病院に入院することとなった患者の高度な秘匿性が求められる情報も含まれており、個人の人格的な権利利益の保護に欠けることのないよう慎重に判断すべきものである」とある。確かに人権侵害と表裏一体の実情を孕む精神科病院の患者情報であれば、人格的な権利利益の保護に特段の配慮が求められるのかもしれない。しかし、「だから非開示」という判断は浅慮と言わざるを得ない。開示による不利益と同様、非開示による不利益も十分に考慮されてこその慎重な判断である。

自分に関係する情報が、高度な秘匿性が求められる情報とされ、非開示に、また黒塗りにされることは、むしろ個人の尊厳を傷つけることもあり、必ずしも人格的な権利利益の保護となるとは限らない。また秘匿、あるいは非開示によって、存在や実態が見えにくくなることは、周囲の理解を阻み、存在感を弱め、社会からの隔絶をもたらしかねない。すなわち精神科病院や患者を知られざる存在として地域から遠ざけることになり、患者や家族を孤立させ、追い込むことにも繋がりかねない。

さらに、「情報」を守ることが「個人やその人権」を守ることになるのかという懸念もある。精神科病院に本人の意思に基づかず強制的に入院させられるという場面は、患者個人に対する重大な人権侵害があり得る場面である。さらに年単位で、意に反した入院が続いている患者が少なくないのが精神科病院である。仮にも個人情報を盾にするなどして情報が秘匿されれば、個人、またその人権が危機に晒されることにもなりかねない。高度な秘匿性が求められる情報だからこそ、むしろ「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要」な情報でもある…

 

<以下、全文は、おりふれ通信420号(2023年3月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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