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精神障害とともに生きることを肯定される社会へ  ―尊厳ある人生を取り戻すために―

DPI日本会議 鷺原由佳

 

2021年10月14日(木)、日本弁護士連合会(以下、日弁連)の第63回人権擁護大会シンポジウムが開催されました。日弁連の人権大会が精神障害について取り上げるのは、50年ぶりとのことです。そんな重要な場に私が登壇することになったのは、正直とてもプレッシャーでした。ですが、せっかくいただいた機会なので、ぜひ私だけではなくて多くの仲間の声を紹介したいと考え、事前に入院経験者数人にインタビューを行いました。その仲間のうちの一人が、「当時はもう入院しか選択肢がなかった。他に選べるものなら精神病院になんて入院したくなかったよ。いつ終わるかもわからない時間をひたすら我慢して。とても苦しくてつらかった」と語ってくれました。この国における精神障害者に関する制度・施策の貧弱さを平明に表した言葉だと感じました。

 

■処遇というより、仕打ち

第63回人権擁護大会シンポジウム第1分科会のタイトルは「精神障害のある人の尊厳の確立をめざして~地域生活の実現と弁護士の役割~」だったのですが、これは裏を返せば精神障害のある人の尊厳が、この国では未だ確立されていないことを示しています。

シンポジウムでは、精神病院への入院経験における非常に多くの被害報告が紹介されました。治療に名を借りた人権侵害が横行していることは、すでに多くの運動家によって白日の下にさらされてきましたが、多くの精神病院は存在し続け、人権侵害も残念ながらなくなっていません。

鼎談のコーナーでは、地域医療に尽力している精神科医・当事者の兄弟の立場から長年家族会活動をしてきた方・当事者である私が登壇しました。私は主に入院中に受けた処遇について話をしました。処遇というより仕打ちと言っていいと思います。私は怒りと悔しさをもって話しました。

シンポジウムでは紹介しきれませんでしたが、こんな経験があります。あるとき、私が作業療法から戻ると、自分のベッドが部屋を変えられていました。荷物ごと勝手に移動されていたのです。なぜかと病棟スタッフに尋ねたのですが、「他の患者同士がケンカをしたので、その人たちの部屋を変える必要があった」と言われただけでした。本人に何の断りもなく、「あなたはおとなしくいうことを聞きそうだから」と理不尽なことをいわれ、プライバシーを侵害されたのです。こんな出来事は、悔しいですが枚挙にいとまがありません・・・

<以下、全文は、おりふれ通信407号(2021年12月2022年1月合併号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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