なぜ精神医療人権センターが必要なのか
石原孝二
私は大学教員でもともとの専門は哲学ですが、現在は精神医学の哲学などを中心に研究しています。昨年の夏ごろから埼玉県精神医療人権センターの活動に参加し、今年に入り、東京精神医療人権センターや神奈川精神医療人権センターの電話相談にも参加させていただくようになりました。
精神医学や精神科医療を研究するようになり、精神科医療の利用者の方と多く接するようになって感じた素朴な疑問は、(精神疾患についてはまだよく分かっていないことが多いのに)なぜ精神科医や医療従事者は精神科医療の利用者の人生や生活を決めるようなふるまいをするのだろうか、ということでした。なぜ精神科医療の利用者は、容易に日常的な行動や将来への期待を制限され、人権を侵害されてしまうのだろうか、という疑問です。そうした疑問を抱きつつ精神科医療の研究などを続けてきましたが、あるとき支援の現場に関わりたいという思うようになり、精神保健福祉士の資格を取ることにしました。資格取得のためには精神保健福祉法などの関連法規を学ぶことになります。
精神保健福祉法の条文をはじめて一文一文確認してみた時の感想は、「これほどまでに人権侵害的な内容をもつ法律が現在の日本の法律として存在していることに驚愕した」というものです。医療保護入院に関する問題などは以前から知っていましたが、精神科病院が任意入院患者を含めた入院患者の行動を「医療又は保護に欠くことのできない限度において」制限できること、任意入院であっても72時間は退院させないでおくことができるなどを初めて知り驚きました。
精神医療人権センターの活動に参加してみると、この精神保健福祉法の規定すら守られていないのではないかと思うケースに遭遇します。行動制限が「医療又は保護に欠くことのできない限度」であるのかが個別に検討されたうえで課されているのではなく、単に病院の管理上の都合により決められているようにも思えることがあります・・・
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