« 精神病院での新型コロナ感染拡大 人権状況も危機的 | トップページ | ハーディング氏講演会「ヨーロッパの恣意的拘禁防止制度と新しい法的枠組み」 »

おりふれ40周年、400号を記念して

編集部 木村朋子

 おりふれ通信創刊号が1981年4月1日に発行されて以来40年経ち、今号が400号です。たこの木通信400号の報に、そういえば私達も・・と気づかされたのでしたが、40・400というキリのよさにめでたさを感じ、記念に何か、ということになりました。

バックナンバーをめくってみると、柏木診療所のスタートとともに始まった「精神医療をよくする会」(以下「よくする会」)機関紙としての当初は元気いっぱい。創刊号に代表藤澤敏雄が、「おりふれ通信(これはある患者さんが「おりにふれて」集まる会を持っているという話をしてくれたことから命名されました)には、精神医療と人間に関するさまざまなことを掲載していこうと考えています。闘病生活のこと、行政の動き、家族の悩み、精神病院の現状などです」と記しています。

 

1992年に「よくする会」は解散することになりました。92年5月号に飯田文子が「おりふれ11年間をふりかえって」で、81年~84年末は、保安処分や精神衛生実態調査反対の運動、個別病院闘争など敵がはっきりしており、論調も明確だったが、85年以降全体的に曖昧になっていき、89年~92年5月については、敵が見えなくなり焦点がぼけてしまっている。精神病院統計の情報公開裁判や人権センターの記事はあるが、はっきりした主張をもって書かれるのではなく単なる報告記事になっている、それらのことは「よくする会」の混乱とも関係があると思うと書いています。

編集部で話し合って、「よくする会」が解散してもおりふれ通信は情報紙として残すことにしました。要するに私たちがまだやりたかったのです。そこで今に続く3つの編集方針①精神病院問題に力を入れる ②個別の小さな運動を紹介する ③世界の国々の中の日本という視点を持つ をもって再出発しました。

 

それからまた30年。思うことのひとつは、やはり記録を残しておくことは大事ということです。東京地業研、東京精神医療人権センターの活動の記録ということもあります。今回30数年ぶりに病院統計の非開示決定に審査請求をするにあたって、1986年の公開請求から裁判の過程について、順を追った記録として再度コピーをとって皆で読みました。人権センターについても、1989年6月に全国人権センター交流会を2日間にわたって京都で開いたことを思い出しました。大阪、京都・滋賀、島根、兵庫準備会、岡山マインド、東京の6か所が参加。今埼玉、神奈川の人権センターが新しく始まり、新たな交流ができてきている中、昔交流会で話し合った内容は何かの参考になるかもしれないと思いました。

法改正、精神科救急、相次ぐ病院不祥事(宇都宮、大和川、栗田、朝倉・・・)、生活保護、欠格条項などのさまざまなテーマも、時の流れの中で次々に形を変えて出てきます。1997年6月号に小林信子さんが精神神経学会参加記として「抑制とESに異議あり」を書き、それを読んだ浜野徹二医師が8月号の「再び往診について」で、「私の20年の民間病院での経験では、拘束が必要だったのは自傷行為の激しい人と、全くの拒食で補液が必要な人のみでした。それ以外の場合に拘束したことはなく、必要も感じず、そのために回復が遅れ支障があったという印象は持っていません。そういう私の体験からして学会で堂々とマニュアルとしての拘束や電気ショックの発表がなされているという報告は、20年も学会に参加していない者にとっては大変な驚きとともに、それがいわゆる先進的・良心的な病院でなされているということは二重の驚きでした・・・正直なところ反吐を吐きたい心境です」と書いています。現在に続く問題です。

 

連載で心に残っているのは、80年代有沢ゆみ子さんの「病を体験してシリーズ」、小林信子さんの「スペインだより」、96年8月~98年3月久良木幹雄さんの「出会い紀行」、2004,5年の久保田公子さん「『当事者職員』として働いてみて」などです。アーカイブとしてせめてオンラインで読めるようにしたいと言いつつなかなか手がつきません。

 

もともとが「折にふれて」という姿勢ですし、今後についても勇ましいことは言えませんが、この40年で最も目覚ましいことは当事者パワーの進展で、うれしいことにおりふれも例外ではありません。そのことも力にして、当面つづけていくつもりですので引き続きよろしくお願いします。

 

 

 

400号  

編集部員求む!

闘いに臨む者は皆陣列の前にあれ

年を経ていささか閉塞感のある編集部。

ここはぜひ柔軟な若い力で

新しい風を吹き込んで下さい。

来たれ若人!    本城



|

« 精神病院での新型コロナ感染拡大 人権状況も危機的 | トップページ | ハーディング氏講演会「ヨーロッパの恣意的拘禁防止制度と新しい法的枠組み」 »