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国家賠償請求訴訟を提訴しました

弁護士 長谷川敬祐

 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、令和2年9月30日、東京地方裁判所に対して、長期入院者に対する国の精神医療政策の違法性を問う国家賠償請求訴訟を提訴いたしました。この裁判は、精神医療国家賠償請求訴訟研究会が中心となって、原告の方を支援し、提訴に至ったものであり、私はその一旦を担っているに過ぎません。ですが、担当弁護士として裁判の内容等について説明させていただくとともに、一人の弁護士として思うことを書かせていただきます。

この裁判は、これまでの日本の精神医療政策の違法性を問う裁判です。被告は国であり、不当入院の原因を病院側に求める裁判ではありません。具体的には、日本の精神医療政策が、精神障害のある人は社会にとって危険性のある者であるという位置づけのもと、同意入院(医療保護入院)を規定し、現在まで変わらずにこれを運用していること、精神科病院について、長期収容を前提して民間病院に委ね、民間病院の設立を容易にしたり、医師や看護師数が一般科よりも少なくて構わないとする、精神科特例を設けたりしたこと、欧米諸国が入院医療から地域医療や地域福祉への移行を具体的に検討し、政策を転換してきたのに、日本は少なくとも原告の入院時期との関係では、医療政策、予算いずれも実効的な転換を行ってこなかったこと、強制入院であるにもかかわらず、精神衛生法の同意入院の実体的な要件は極めて曖昧であり、その審査手続も不十分であること、上記構造で形成された地域社会側の偏見があるにもかかわらず、強制入院の同意者として家族を位置付け、家族に本人の人権擁護とのジレンマを負わせ続けてきたこと等から、構造的に長期入院が生じる状態にしていたことを前提とし、それによって生じた長期入院により、我々が当たり前のように享受している地域で生きる権利を剥奪されたことは、憲法13条(幸福追求権)、憲法14条(平等権)、憲法22条1項(居住、移転及び職業選択の自由)、憲法25条(生存権)、憲法31条(適正手続きの保障)等に違反すると主張しています。そして、そのような憲法違反の状態が生じていることやその状態を是正すべき必要性があることは、昭和43年のクラーク勧告、その後の国際法律家委員会の勧告、国連の「精神病者の保護及び精神保健ケアの改善のための原則」等から十分に認識できたにもかかわらず、国は長期入院者に対する実効性のある退院措置を講じることがなかったこと(不作為)が、国家賠償法上の違法であるとして、提訴いたしました・・・

<以下、全文は、おりふれ通信397号(2021年1月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

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