« 2020年12月 | トップページ | 2021年2月 »

精神医療国家賠償請求訴訟の目指すもの

東谷幸政(精神医療国家賠償請求訴訟研究会代表)

精神医療国家賠償請求訴訟研究会は、2020930日に伊藤時男さんを原告として国への提訴を行った。この訴訟は、長年にわたって我が国の悲惨な精神科医療の状況を放置してきた我が国の精神医療行政に対して、その不作為責任を追及するものである。

精神医療国家賠償請求訴訟の必要性を最初に呼びかけたのは、1995年の東京都地域精神医療業務研究会の夏合宿においてであった。この呼びかけは、「勝てるはずがない」とか、「そのような大変なことをやれる力量が無い」という反応によって打ち消されてしまった。そのような意見には納得しなかったが、「精神の当事者が立ち上がって、国を追及するのなら、それを支援するのが本当で、東谷さんが旗を振るというのは、立ち位置としておかしい」という意見には、「では、しばらく様子を見ることにしよう。」と考えた。

しかし、時は流れて、ハンセン熊本地裁判決の勝利の後も、いっこうに立ち上がる当事者は現れなかった。このため、日本病院・地域精神医学会総会をはじめとして、あらゆる場所で精神国賠の必要性を訴えたが反応は乏しかった。主要な当事者運動の活動家に、一緒にやろうと呼びかけたが、「そんな大変な役割を当事者に押し付けるな」と怒られる始末だった。

2012年になって、もうこれ以上、待つことは出来ない。アメリカの当事者運動や消費者運動で弁護士がしばしばやるように、原告の公募方式で原告を集めて、制度を変えて行くことを決意した・・・

連絡先:精神国賠相談部会の相談電話番号 03-6260-9827 10時から20時まで 原告、証言、入会に関する相談です。

精神国賠訴訟研究会事務局FAX 042-496-3143 メールseishin.kokubai@gmail.com 研究会活動に対するお問い合わせです。

<全文は、おりふれ通信397号(2021年1月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ> 
 

|

国家賠償請求訴訟を提訴しました

弁護士 長谷川敬祐

 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、令和2年9月30日、東京地方裁判所に対して、長期入院者に対する国の精神医療政策の違法性を問う国家賠償請求訴訟を提訴いたしました。この裁判は、精神医療国家賠償請求訴訟研究会が中心となって、原告の方を支援し、提訴に至ったものであり、私はその一旦を担っているに過ぎません。ですが、担当弁護士として裁判の内容等について説明させていただくとともに、一人の弁護士として思うことを書かせていただきます。

この裁判は、これまでの日本の精神医療政策の違法性を問う裁判です。被告は国であり、不当入院の原因を病院側に求める裁判ではありません。具体的には、日本の精神医療政策が、精神障害のある人は社会にとって危険性のある者であるという位置づけのもと、同意入院(医療保護入院)を規定し、現在まで変わらずにこれを運用していること、精神科病院について、長期収容を前提して民間病院に委ね、民間病院の設立を容易にしたり、医師や看護師数が一般科よりも少なくて構わないとする、精神科特例を設けたりしたこと、欧米諸国が入院医療から地域医療や地域福祉への移行を具体的に検討し、政策を転換してきたのに、日本は少なくとも原告の入院時期との関係では、医療政策、予算いずれも実効的な転換を行ってこなかったこと、強制入院であるにもかかわらず、精神衛生法の同意入院の実体的な要件は極めて曖昧であり、その審査手続も不十分であること、上記構造で形成された地域社会側の偏見があるにもかかわらず、強制入院の同意者として家族を位置付け、家族に本人の人権擁護とのジレンマを負わせ続けてきたこと等から、構造的に長期入院が生じる状態にしていたことを前提とし、それによって生じた長期入院により、我々が当たり前のように享受している地域で生きる権利を剥奪されたことは、憲法13条(幸福追求権)、憲法14条(平等権)、憲法22条1項(居住、移転及び職業選択の自由)、憲法25条(生存権)、憲法31条(適正手続きの保障)等に違反すると主張しています。そして、そのような憲法違反の状態が生じていることやその状態を是正すべき必要性があることは、昭和43年のクラーク勧告、その後の国際法律家委員会の勧告、国連の「精神病者の保護及び精神保健ケアの改善のための原則」等から十分に認識できたにもかかわらず、国は長期入院者に対する実効性のある退院措置を講じることがなかったこと(不作為)が、国家賠償法上の違法であるとして、提訴いたしました・・・

<以下、全文は、おりふれ通信397号(2021年1月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

|

God save the Live House 

福冨一郎

  ライブハウスには元気をもらいに行く!精神が疲れていていくのが面倒くさいとき、とりあえずは行ってみる。

帰ってきたら必ず、行ってよかったと思う。そんな場所です、ライブハウスは。決して怖いところではなくて、アットホームなところが多い。出演者でよかった人がいれば、一言「よかったです」と声をかけると、すごく喜んでもらえる、そこから新しいつながりができる。音楽、しかもロックをやっているようなイメージがある方もいると思うのだが、フォークミュージック、ヒップホップ、歌謡曲、アイドル、音楽以外では、芝居、詩の朗読、お笑い、ジャンル不明なもの、など、ほとんどの表現活動をやっている。中には、オープンマイクといって、マイクを開放しておいて、エントリーすれば誰でも、決まった時間マイクを使って観客の前で自由に表現ができるシステムもある。このように、ライブハウスは楽しい場所、表現者は認めてもらえて、観客は楽しめる、双方の居場所として存在している。そんなライブハウスが今、存亡の危機にある!

「ライブハウスや劇場は単なるハコ(施設)ではない。従業員だけでなく出演者、観客、照明、音響などさまざまな人が関わり、一つの文化として成り立っていることを知ってほしい」・・・

 

<以下、全文は、おりふれ通信397号(2021年1月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ>

|

<おりふれアーカイブ 今を考えるため過去のおりふれ通信から再掲します>  1996年1・2月合併号掲載  今年のおりふれ通信~新年編集部座談会

 

 まず、1992年に確認した編集方針 ①改めて初心にかえり、精神病院問題に力を入れていく ②個別の小さな運動を紹介する ③世界の中の日本という視点を持つ を振り返った。

 このうち①の精神病院についてが手薄になっているという意見が出た。私たちの周りに精神病院で働く人が少なくなったことと、ずっといる人は偉くなって管理者側になってきているということもある。会費振り込みの通信欄に「約300床の民間精神病院にOTとして勤務しています。今まで働いたどの病院より元気な30代、40代の看護婦さんが多く、医師も全員3~40代なのですが、現場で感じたおかしさ、問題と思うことを皆で声にしようという動きがなかなかつくれません。一人一人は思いを持っているにもかかわらず・・・。経営者は病院の生き残りをかけて、病院を変えていこうとしています。でも患者さんが生きていくことはそっちのけになりそう。執念深く一人でも患者さんを地域にかえしていこうと模索中ですが。『今、民間精神病院では』みたいな記事がほしい」というメッセージをもらいました。ありがたい声なのですが、情けないことにこのテーマで誰々に書いてもらおうという考えがすぐには浮かばない。私たちも考えていくが、読者の皆さまのお知恵もほしいです。

 一方、十分に取り上げてはいないものの、病院の外から病院を見ている書き手は、当事者や作業所・グループホームなど地域の人々、また人権センター等々と増えているはず。編集部メンバーの大半も日常の立場はこちらである。そうしたところ出てきたのは久保田の「私の地域には比較的頑張っていると言われる病院がいくつかあるが、最近いずれの病院もデイ・ナイトケアやSSTなど診療報酬がついて、お金になることをどんどん進めている。地域でやるべきことまで院内で行われていると感じていた。先頃公表された障害者プランでは、7か年計画の数値目標にグループホームや生活支援センターが上がっているが、これらも医療法人が設立、経営できるという。経済誘導で、福祉や生活支援まですべてを病院が行うのはどう考えてもおかしい」という話だった。そこで①「精神病院にこだわる」という時の内容は、これまでの劣悪な精神病院問題に加え、上記のような医療の肥大化というべき問題も批判的に取り上げていこうと話し合った。これはすでに1991年に小林信子が『どこか変な地域ケアの方向性』という稿で、「良心的と思われている病院や、力のある医者が善意のかたまりとして頑張っていること」を危惧し、一部の不興を買ったテーマである。小林からは自分の経験を踏まえ、「たとえ憎まれっ子になっても、また週刊〇曜日のように、肩に力が入りすぎて面白くないと言われても、スジを通そう」と皆を鼓舞する発言があった。

 この他②について、おりふれの会にはいろんなミニコミが送られてきているのに活かしきれていない。今年は主に木村がきちんと読んで、皆に報告、紙面に反映したい。また出来事や書き手が東京近辺に偏り、各地のニュースが足りないという意見が出た。以前東京以外の会員に「通信員」をお願いしたことがあったが、なかなか機能しなかった経緯もある。これについては、急に原稿を頼むのも難しいので、ミニコミを整理したうえで、情報が抜けている地方のミニコミを紹介してもらうことから始めようということにした。

 

|

« 2020年12月 | トップページ | 2021年2月 »