多摩格差0@精神医療の検証
東京地業研 木村朋子
東京都知事選は小池氏の圧勝で終わったが、選挙期間中新聞社の人から、小池氏の公約「7つのゼロ」のひとつ多摩格差0について、精神医療の面ではどうかと問われることがあった。23区と多摩地区の病院の比較は、2016年病・地学会多摩大会時の病院訪問調査時、長谷川利夫さんが中心となって刊行した『東京多摩地区精神科病院事情2016』の「2.データで見る東京都および多摩地区の精神医療情報2013(H25年)」でも行ったが、今回2016年630調査(現在入手している個別病院情報としては最も新しいもの)を見てみた。
単科、総合併せて、多摩地区には66病院、23区には49の精神科病床を持つ病院がある。
精神科病床数は多摩15,193床、23区6,947床と、多摩が2倍強。これを人口万対病床数で見ると、多摩36床、23区7床と、多摩地区が23区の5倍強である。平均在院日数では、多摩252日、23区116日と多摩地区が2倍以上の長期入院になっている。
マンパワーは、常勤医師が多摩地区470人に対して、23区541人。なんと2倍以上の病床をもつ多摩地区の方が医師数が少ないのである。対して非常勤医師は多摩532人、23区451人。23区には多くの大学病院もあり、研修医を含め医師数が多いのは当たり前のように思ってきたが、今回やはりこれは格差だと考えなおした。常勤医師1人当たり患者数にすると、多摩29人、23区11人である。看護師は、有資格者が、多摩4,432人、23区2,772人、看護助手が、多摩1,816人、23区497人で、合わせると多摩6,248人、23区3,269人となるが、看護者1人当たり患者数は、多摩2.2人、23区1.8人とかなり差がある・・・
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