映画「オキナワへ行こう」を観て思うこと ー「月」ではなく「オキナワ」へー
根間あさ子
映画『オキナワへ行こう』(大西暢夫監督)を見た。精神科病院に長期入院する患者の「夢(沖縄旅行に行きたい)」を実現させることをきっかけに,「精神科病棟の長期入院」の現実をユーモラスに描いたこの映画は大阪の浅香山病院で撮影されたドキュメンタリー映画なのだが、登場する患者さんの表情がとても自然で生き生きとしている 。
すったもんだのあげくに行った沖縄で『ふるさと』を歌う途中で感極まった増田さん、帰るべきふるさとを失った彼女のその心中はいかばかりかと思う。旅行もきっかけとなり自信を取り戻して退院していく山中さんのはち切れそうな笑顔も印象に残る。長期入院が精神障害を持つ人の当たり前の生活を奪ってきたということが端的に示されている。この映画をNHKがゴールデンアワーで放送してほしい。一般市民が何も知らないところで酷いことが行われてきたということを伝えてほしい。登場人物の一人で看護部長だった人の「長期入院の責任は病院にある」という述懐は重く感じた。彼女は現在、病院での重い地位を捨て地域NPOを立ち上げて活動している。
日本の精神科病院の死亡退院はついに年間 2 万人を超えたという。病院で朽ち果てていく人の多さには酷いと言わざるを得ない。そうして私自身だってそうなっていたのかもしれないのだから決して他人事ではない。映画の後のトークライブでの大西さんの話の中で昭和 39 年に入院してそのままずっといた人の話が出て私は胸を突かれた。小学生だった私が無理やりに入院させられた昭和 39 年という年はライシャワー事件のあった年だ。この年は多くの仲間たちが強制入院させられたのだろうか・・・
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