投稿 薬物について
丘 俊夫
『おりふれ通信』では、ここ数回にわたって薬物治療についての特集が組まれました。主に『ジャーナリスト&ファシリテーター』の月崎時央氏が薬物についての研究結果を述べています。その意見は主に「医師に減薬を要請しても否定的な意見を言われる」「医師が一人一人丁寧に向き合わないと危険な場合があるので注意が必要だ」というように「薬物療法には否定的だが注意が必要だ」という主張です。併せて『減薬計画実例』なるものも示されていました。
おっしゃることには概ね賛成ですが、いくつかの問題点があります。例えば8月号では、減薬を計画を立てて行ったという実例が示されていますが、そうなると服用するきっかけになった「うつ病、パニック障害」などの症状は完治したということなのでしょうか。完治したということであれば、薬物の服薬は症状の治癒にあまり意味を持たなかったということになります。つまり薬物療法という治療法自体が誤った方向に患者を導くということになるのではないでしょうか。また、「繊維筋痛症」なる身体病の減薬のことも述べていますが、向精神薬の服用とはあまり関係あるようには思われません。
第二に離脱症状のことが述べられていますが、減薬をした結果、意欲低下、不安感情などが惹起されるならば再発か、離脱症状かという判断はどのように行うのでしょうか。最初から減薬ありきの治療法だったら成功するかもしれませんが、薬物には症状の再発を防ぐという意味があることはよく言われていることです。
私も減薬には賛成ですが、薬物には全くメリットがないのでしょうか。例えば、私の知る限り病気は必ずと言っていいほど不眠から始まります。不眠によって生活のリズムが乱れ、幻聴、妄想などの症状があらわれます。ですから治療では不眠に対処するような処方がされるのです。私の知り合いでよくなった人からは「よく眠れるようになった」ということをよく聞きます。また、急性精神病状態で身体拘束を行わず、症状を鎮静化させるには薬物以外にどのような方法があるのでしょうか。よく健常者が「おれは4日徹夜しても大丈夫だ。不眠などは甘えだ」と言いますが、それは絶対どこかで休んでいるのです。4日間緊張状態が続いたということではないでしょう・・・
以下、全文は、おりふれ通信386号(2019年10・11月合併号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ
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