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小林信子さんを偲ぶ会へのメッセージ2 スイスジュネーブのT.ハーディングさんから

Nobuko Kobayashi

ティモシー・ハーディング

 

信子さんを知って30年以上になります。精神科患者の人権に関する2回のICJ訪日調査団の受け入れに始まり、それに続く人権保障のための多くの会議、視察や権利を確実なものにするための議論を通して、彼女の疲れを知らぬ仕事ぶりと改革が遅々として進まないことへのストレートな批判に感心しました。彼女は日本の精神医療を断罪する勇気を持っており、精神疾患に苦しんでいる人々が直面している現実を本当に理解していました。

私は東京精神医療人権センターの狭苦しい新宿事務所に座って、彼女が仲間の活動家をまとめ、励まし、電話相談にかけてきた悩み苦しんでいる入院患者に助言する姿を目の当たりにしたのをよく覚えています。彼女は法律に則った文書より「患者に実際に起きたこと」の重要性にこだわりました。ICJ調査団以降の変化がほんのわずかであるという正直な批判や精神医療審査会による前進も限定的だという観察は、患者たちとの直接のコンタクトに基づいています。国立精神・神経センター病院医療観察法病棟での患者アドボケートとしての彼女の仕事には感銘を受けました。精神保健を職業とする人々は信子さん自身と、精神疾患に苦しむ人々の人間的なニーズや、診断によってラベリングする危険性に対する彼女の理解から、多くのことを学べると思います。彼女が成し遂げたのは、正直さと献身は人権関係の仕事には常に必要なものであり、患者の権利の推進は法律や精神医学に関わる専門的なものというよりむしろ、基本的に人間の問題なのだということを人々に示したことです。

 

信子さんは私にとって近しい友達であり、北海道や四国の山々を訪れるなど私が日本を楽しみ、理解する手助けをしてくれました。彼女は私と私の家族を歓迎するために多くの時間を割いてくださり、いろいろ助言してくれました。

 

彼女が亡くなったことは悲しくてなりません。彼女という素晴らしい人との多くの温かい思い出をこれからも大切にしていきます。(齋藤明子訳)

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