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連載・精神科のお薬の適正使用と回復についていっしょに研究しよう!第1回

ジャーナリスト&ファシリテータ 月崎時央

一気断薬は危険な行為なのでやめましょう
  今回から精神薬のことを連載いただくことになりました。つっきーこと月崎時央です。さて精神科に通っている患者さんやそのご家族なら、精神科の薬の「多剤大量処方」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。日本の精神科における多剤処方は国際的にも問題になっていて、厚生労働省も規制をかけていますが、なかなか改善が難しい問題です。この原稿では「向精神薬の適正処方」というテーマをみなさんと一緒に考えていきたいと思います。

 お読みいただくにあたり、まず書いておかなければならないことがあります。それは「減薬は時間をかけて少しずつゆっくり計画的に行う」という大事な原則です。精神の薬をたとえ1剤でも衝動的にやめたり一気に断薬することは大変危険ですのでご注意ください。 
 その理由は毎回少しずついろいろな方法で説明していきますが、まず精神科の薬は脳に作用する強力な薬です。「増やすより減らすほうが難しい」とも言われていて、急激な断薬は、不眠や体調悪化だけでなく自殺企図や暴力的衝動などの重篤な症状を起こす場合もあり、ひどい後遺症が残ることすらあります。このため「減薬」は、まず落ち着いてじっくり考え計画してから取り組むべき、いわば年単位の「治療」であることを、最初に心にとどめてください。 

薬に対する考え方が180度変わった回復者との出会い
 さて、以前の私は、家族としてもジャーナリストとしても「精神科の病気は慢性疾患なので医師の処方した薬は例え大量でも一生飲み続けなければならないものなのだろう」と漠然と信じていました。しかしそんな私が、薬についてそれまでと違う考え方をするようになったのは、4年ほど前のある出会いがきっかけでした。「20年近く服薬してきた精神薬を断薬して元気になったんです」と素敵な笑顔で語った30代後半の男性の話しを聞いたとき、私の心の中に「患者さんたちは本当に適正な量の薬を服薬しているのだろうか?」という小さな疑問が芽生えたのです。それ以来、私は薬を減らしたりやめたりして、以前より回復した人を求めて全国各地に取材に行き、50名以上の減・断薬体験者に話しを聞く機会を得ました。私は元気に回復した人が、個々にどんな方法で薬を減らしていったのか、またどんな暮らしの中で回復を得たのかを聞き取り考えてみることにしたのです。
 その結果、確かに急性期には薬で鎮静が必要だったかもしれないが、現在は症状が落ち着き、今ならもっと少量で体調を維持できそうな方、また逆に薬の効果より副作用が強くそれに苦しんでいる方がかなりいることも確信しました。そして同時に精神科の薬を減らす場合には、様々な「離脱症状」がでることが多く、それを乗り越えることがいかに難題であるかもわかってきたのです。

 そこでこの原稿では、精神科の薬の減薬とはいったいどんなことなのか?どうすればうまく回復するのか?といった具体的なノウハウや考え方について、5回にわけて一緒に考えていきます。まず第1回目の今回は、治療経過を振り返って整理してみることから始めましょう・・・

 以下、全文は、おりふれ通信379号(2019年3月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ

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私のリカバリーストーリー

黒岩 堅
 まずはWRAPについて説明させてください。
 最初にメアリーエレンさんというアメリカの精神疾患当事者が、120名以上のうまく生活できている当事者たちにアンケートを採りました。アンケートから共通する5つの大切なことが浮かび上がりました。5つの大切なこととは、希望、個人の責任(主体性)、学び、権利擁護、サポートからなります。
 希望とは暖かく自分を応援、個人の責任(主体性)とは自分で意思決定、学びとは人生あらゆることに学び、権利擁護とは自分の声をあげる、サポートとはどう支援しあえるかというイメージが私にはあります。

 この他にも元気に役立つ道具箱というのがあり、これは私が元気を取り戻せる方法です。ひとつはNetflixでアメリカのドラマを1シーズンみます。コールドケース、エレメンタリー、CSIなどを一気見します。悩み事が多いときにはとても効きます。一気見が終わったあと、悩み事を忘れてしまいます。ほかには、ソウルフードでもある寿司を食べます。出来ればスーパーで半額になっている寿司を食べると、満足感が上がります。頭だけ疲れているときは8000歩ほど歩いて、体も疲れさせて寝ています。

 ではWRAPに出会う前の私を書かせてください。
 小学校、中学校、高校、大学通じて友人もいませんでした。そしていじめも何回も受けてきました。いじめられている最中の私は助けを求めることが出来ず、ここにいる私は私ではないと一生懸命言い聞かせました。
幸い多少記憶力はよかったので、大学にはいけました。が、苦労して就職したところでは仕事はさっぱりできませんでした。
 7回の転職をし、7社目ではリストラされました。それは39歳の時でした。そして私はリストラされるときに、会社の部長からこんなことを言われました。「小学生でもできることがお前には出来ない、お前は決して成長しない、お前は発達障害だから病院に行ってほしい。」
リストラされたときに、それまで会社に依存していた私は、全ての人のつながりが切れました。残ったのは絶望だけでした。3カ月ほど家に引きこもりました。でも障害者手帳も取れたので、失業手当を目当てに外に出かけるようになりました。

 リストラされた当時は、運よく精神の障害者が障害者雇用率に算入されるようになったときでした。私はどんな会社があるのだろうと、仲間たちと就労の情報交換をしながら、それは心の助けになりました。落ちる会社が増えるたびに「いい加減就労をあきらめなさい。もう40歳なのだから、もう変わらないわよ。」と支援者や他の当事者たちに言われ続けました。そんなときにも就労を目指す人がいることは助けになりました。一緒に就労を目指す人たちがいたおかげで私は就活できたんだと思います。
なんとか105社目で内定をいただき、私の障害者就労は始まりました・・・・

 以下、全文は、おりふれ通信398号(2019年3月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ

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630調査開示請求の活動全国に拡がる!

東京地業研 飯田文子

 

 2月12日、参議院議員会館で「630調査の今まで通りの情報開示を求める院内集会」が開
催されました。この集会で、各地で私達と同様に630調査を元に個別病院ごとの情報を利用してきた仲間達が初めて一堂に会したのです。基調報告、当事者からの訴え、各地域からの声(大阪、東京、奈良、埼玉)、弁護士としてとの発言があり、その後、集会アピール文*が満場一致で決議されました。集会には、新聞記者も取材に来ており、その後幾つかの新聞に630のことが、掲載されました。
集会後の2月19日、集会代表が、アピール文*(根本大臣宛要請文)を厚労省に提出し、記者会見を行い、これも幾つかの新聞で報道されました。
一方各地の活動も地道に行われており、兵庫県、神戸市は、従来通り開示すると兵庫県精神医療人権センターに回答しました。神戸新聞によると、記者の取材に対して《兵庫県は「県の情報公開条例に基づき検討した結果、患者個人が特定される恐れはないと判断した」と回答。神戸市は「調査票をそのまま出すことはできないが、これまでのと同じ内容は提供できる」とした。》これは、東京都に対して情報開示請求をした結果、開示されなかった私達としても大きな希望となります。これから都に対して審査請求をする予定ですが、大きな武器となるでしょう。

* 集会アピール文
精神保健福祉資料630(ロクサンマル)調査は、個々の精神病院の情報がわかる貴重な資料である。今まで全国において、市民が各自治体に対して情報公開条例に基づき開示請求し、精神科病院の状況がわかるように情報誌を作成するなど地道な活動が行われてきた。しかしながら、近事、この630調査の情報開示請求に対して非開示決定が相次ぐ事態が発生している。
昨年の8月21日に毎日新聞は、精神病床のある全国の病院で、50年以上入院する精神疾患をもつ患者が全国で1773名いると報道した。これは全国の630調査を丁寧に開示請求してわかった人数である。同時に鹿児島県の精神科病院に55年入院している80歳の女性を取材し、生の声を掲載している。これらは素晴らしい調査報道であり、これにより国民の知る権利が実現されることは望ましいことである。ところが日本精神科病院協会は、その2ヶ月後の平成30年10月19日に「精神保健福祉資料(630調査)の実施についての声明文」を発表し、この中で上記毎日新聞の報道に触れながら「個人情報保護の観点から問題点が多い」としたのである。さらには、「患者の個人情報につき責任を持つ立場の精神科病院としては、必要な措置が行われない場合は、630調査への協力について再検討せざるを得ない」ともしたのである。
言うまでもなく、630調査の中には、個人情報保護法でいうところの「特定の個人を識別できるもの」は存在しない。それにもかかわらず、「個人情報保護」を連呼し、調査そのものの非協力をちらつかせる態度に理は無い。むしろ630調査にあるような医療に関する情報は、非常に高度な公益性があると考える。情報の共有化による医療の質の向上、患者の医療選択権の保障の観点からもその公開は極めて重要である。
これに対して国は、昨年7月3日の参議院厚生労働委員会の答弁で「国の方で、都道府県が公表するなとか、そういうようなことを決して申し上げるつもりはございません。」としている。これは正しい態度である。しかしながら、国はその10日後の7月13日にその答弁に反し、各都道府県・指定都市宛文書を発出し、その中で630調査について「個々の調査票の内容の公開は予定しておらず」などとし、「管内の精神科医療機関に調査への協力依頼・調査票の送付を行うに当たっては、その旨を明示した上で協力を求めること。」としたのである。これは明らかに7月3日の政府答弁に反している。さらには同文書では、医療機関から提出された調査票について「個人情報保護の観点から、各自治体において定められた保存期間の経過後に速やかに廃棄」することまで求めているのである。
このような文書を発出されることにより630調査の非開示決定が全国で相次いでいる。現に各自治体は、何故今回から開示を非開示に判断を変更したかについて、厚生労働省の同文書、日本精神科病院協会の声明文をあげて説明している。
私たちは以上のような状況を早急に改善することを国に対して強く求める。 具体的には、以下の通りである。 1 平成30年7月3日の政府答弁通り、国から自治体に対して630調査の個々の調査票は非公表であるなどということを述べることを止めること。厚労省発出文書によって発生している事態については、国は責任を持って、7月3日の答弁通りの内容が実現されるように何らかの措置を行うこと。 2 個人情報でない貴重な情報の「速やかな廃棄」を推奨するような取り返しのつかないことを止めること。                  

    平成31年(2019年)2月12日           

    630調査の今まで通りの情報開示を求める院内集会 参加者一同

 

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