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芝居を観て思ったこと

まゆみ

 仲間に声をかけてもらい、新宿ゴールデン街劇場に「精神病院つばき荘」という芝居を観に行った。
 舞台は「精神病院つばき荘」。登場人物はそこに40年間入院している高木、院長の山上、30年間勤務している看護師の浅田の3人。脚本は劇作家で精神科医でもある、くるみざわしん。
 
『院長の山上は入院患者の高木に説得を試みていた。原発事故対策で、理事長と対立している職員達を抑え込むため、最古参の高木を仲間に取り込もうとしていたのだった。自分の存在を賭け、頑として山上の説得を拒絶する高木であったが、山上は最終手段として高木に保護室への隔離を言い渡す。そこへベテラン看護師の浅田が現れて…』(チラシより抜粋)
高木に何が起こっているのか?つばき荘に何が起こっているのか?世界はどうなっているのか?様々な視点や問題が多面的に現れながら、見る側一人一人に厳しく痛いメッセージを投げかけていた。我が身も振り返らざるを得ない。

 精神病院を舞台にした演劇なんて、とても現実離れした表現で違和感に戸惑うかもしれないと思っていたけれど、私にとっては最後までリアルで目が離せない内容だった。
 特に院長室で繰り広げられる高木と山上の面談シーンは見もので、あらゆる問題や責任がいつの間にか高木へとすり替えられていく様などは会場から笑いも起きたが、こういう誘導や罠はさもありなんと、私はこのやりとりに、ひとつの間違えも起こらぬよう、祈りながら見張ってしまった。

 しかし、芝居を観ながら、気が逸れてしまう瞬間も多かった。フラッシュバックが起こるのだ。私は10代の後半から20代半ばにかけて入退院を繰り返した。そこで、あまりにも理不尽な体験が重なり続けた。同時に不当な扱いを受ける他の患者達を、閉じられた空間で毎日見ていた。
そして未だに入院体験のフラッシュバックに襲われる。35年も前のことなのに。具体的なエピソードが映像とともに現れることもあるし、悪夢になることもある。入院について考えることが、いつまでもやめられなくなったり・・・ 感覚や体が緊張や麻痺を繰り返したり・・・

 以下、全文は、おりふれ通信377号(2019年1月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ

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