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精神科病院630調査について東京都と話し合い

東京地業研 木村朋子

 前号巻頭の質問状の回答を聞きに、10月19日金曜午後5人で東京都庁へ行ってきた。都側は精神保健医療課の係長中村さんほか2人。

 質問状に沿って、630調査の激変によって、これまで東京都が独自に加えていた前年6月30日から当年6月30日までの患者の動き(その病院の平均在院日数や死亡退院・軽快退院の率など)がわかる調査項目がなくなり、ここで途切れてしまうことがとても残念、都独自に調査を行う予定はあるのか、またこの貴重なデータを都はこれまでどのように活用してきたのかをたずねた。中村係長の答えは、都独自の調査を加えた経緯はわからないが、病院負担を減らすため630調査に併せて行ってきた。保健医療計画策定等に活用してきたと思うが、具体的にどう利用してきたとは言えない。都独自の調査をする予定は今はないが、今後今のデータでは不足となった時にまた考えることはあり得る。都としてはこれまでの630も個別病院ごとには見て来なかった。都全体として集計し、『東京都の精神保健福祉』にまとめている。個別病院に問題、不祥事などが起こった時はその病院の調査票を見ることもあるが、それは例外的な利用である。

 これに対して、地業研から、個別にみると、死亡退院率が極端に高い、職員が少ない、平均在院日数が超長期等、明らかな問題のある病院がわかる。全体としても開放化は過去のことになって閉鎖率が上がり、隔離・拘束も増え続けているなどの意見を出した。対する中村係長の発言は、以下のとおり。長期入院患者を減らしていくのは国の方針でもあり、注意している。体制整備事業等で、1年以上の入院者が19,000人から10,000人に減ったところで下げ止まり、病院・患者への働きかけのみでは限界。地域で住居を整備し、支援態勢を整えていく必要がある。回転の速い病院にはまた回転ドア現象の問題があるとも思う。

 さらに、地業研から、当事者としては個別病院データの公表が必要かつありがたい。個別病院データを見た上で、医療圏や都道府県ごとのまとめを見ると、個別病院のばらつきがあまりに大きいのにそれを圏域ごとにまとめてしまって何が言えるのかと疑問に感じる。現在の630調査票で、患者の性別・年齢・病名・入院形態・隔離拘束指示有無・在院期間・居住地のデータを、病院ごとに集計して出してくれれば今までに近い病院情報公開となる。東京都としてそれを是非やっていただきたい。また630調査の現担当者である国立精神・神経医療研究センターの山之内部長は、各自治体から求めがあれば、個別病院ごとに集計できるソフトを作って配布することもできると言われていた。都として要望していただけないかと、今日の本題となる発言をした。中村係長の答えは、技術的には個別病院ごとの集計は可能だが、今やる予定はない。自分たちでできることを山之内さんに頼むことはない、というもの。

 情報公開制度は開示を目的とするもの、もっと積極的になるべきでは?の指摘には、「公開するなら(調査票を)出さないという病院は実際にある・・・」とのことだった(その後同日付で日精協会長の声明文が出ていることを知った。これについては次の飯田の文を参照)。しかし、都としては、どんな形でどこまでなら出せるのかを今後も話し合っていく姿勢は示し、東京地業研は再度開示請求し、やりとりすることを決意している。

 

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2018年10月19日付の日精協声明文について

東京地業研 飯田文子

 10月19日、この日は奇しくも私たちが東京都に提出した630調査についての質問状をめぐって、都の担当部局と話し合いをした日です。この時都側が、この声明文について知っていたのかは分かりませんが、私たちは知りませんでした。
声明文は、「患者の個人情報保護について責任を持つ立場の精神科病院としては、必要な措置が行われない場合は、630調査への協力について再検討せざるを得ない」と脅しともとれる内容です。
 私たちは、2017年から突然変更された630調査に関して危惧というよりも危機感を持ち、新たな調査票を作成した国立精神保健研究所の担当者とも話し合いを持ちました。このことについては、おりふれ通信366号、370号に掲載しました。
日精協の言う「調査票(患者個票)に入院患者に関する多岐にわたる情報が含まれ、その取扱いによっては、患者個人が特定される等、個人情報保護の観点から問題の多いものであると認識していたところである」については、私たちも同様な認識をしています。東京都では、私たちの情報公開請求に応え、1992年から630調査を全面開示してきました。しかし、2017年630調査の公開請求には、個人情報保護を理由に患者個表の部分を開示しませんでした。このことにより私達都民は、これまでは分かっていた都内精神科病院に入院されている人たちの状況について、個別病院毎に知る権利を奪われました。東京都に対しては個別病院毎に集計したものを開示するよう交渉中です・・・

 以下、全文は、おりふれ通信375号(2018年11月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ

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埼玉県庁に開示請求―精神科病院630調査

埼玉県の精神医療を考える会 村田京子

 10月30日、二度目の情報開示請求に、埼玉県庁に行ってきました。

 一度目の時(猛暑の7月)に、「県は630調査をどう活用しているのか」「個人を識別できない範囲でなるべく情報開示ができるよう工夫・検討をしてほしい」「病院ごとのデータ集約は大事だ」という質問、要望、意見を担当に伝えていたので、言いっぱなしでは無責任だし、無念でもあると、とにかくもう一度は行こうと日は決めました。
しかし、二度目はどうアプローチすればいいのか、正直全くわからず、どうしたものかと思いあぐねたまま、日が過ぎていきました。
前日、切羽詰まり、とりあえず思いや考えを整理するために、先般の地業研の「東京都への質問状」を真似して書き始めてみました。折よくその晩に地業研の皆様に校正していただけ、何とか「埼玉県の精神医療を考える会」としての質問状とすることができました。そして一度目に個人情報を理由に非開示となった個票(5,6)の開示請求をするとともに、担当にお渡ししました。

質問状の内容を簡記すると、以下の通りです。
質問1 前回の非開示理由の「個別の情報をつなぐことで、特定の個人を識別することが可能となる情報」を具体的に提示してほしい
質問2 条例には部分開示の条文もあるので、工夫をして極力開示への努力をすべきではないか
質問3 「病院ごとのデータの集約」は行うのか? その検討はされたのか?
質問4 10月19日の日精協会長の声明を県はどう理解したのか? 情報開示請求に影響があるのか?
情報公開で患者にどんな不利益があるでしょうか。守られるべきは、患者の心身であり、人生であり、人権です。埼玉県からどんな開示・回答があるのかないのか(11月半ばに判明)ですが、行政、ユーザー、また広く市民・国民が情報を共有してこそ、精神科病院・精神科医療の改善につながっていくと信じ願っています。

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