複雑性PTSDについて
松本葉子
2018年6月18日、世界保健機構(WHO)の国際疾病分類第11回改訂版(ICD-11)が公表されたというニュースが飛び込んできた。約30年ぶりの改訂になるという。
このニュースは私にとって、他人事ではなかった。ICD-11には、「複雑性PTSD」が新しい疾患概念として記載されると噂されていたからだ。予想通り、「複雑性PTSD」はしっかりと記載されていた。ついに「複雑性PTSD」が誕生した。
私はその「複雑性PTSD」疑いをかけられた当事者だ。このニュースは、私を想像以上に不安にさせた。やっと自分のアイデンティが認められた!そうは喜べなかった。私は、まだ自分のことを「複雑性PTSD」にされることをかたくなに拒否している。
順を追って、経緯をお話ししたい。その前に、複雑性PTSDについてICD11から抜粋した簡単な説明を書いておく。
複雑性PTSDは、逃げる事が難しい、もしくは逃げる事が不可能な、極めて強迫的で恐ろしい、長期に繰り返し続く一連の、もしくは1回の出来事(例えば、拷問、奴隷、大量虐殺、繰り返される家庭内暴力、度重なる子供時代の性的または身体的虐待)を受けて生じる障害。
私は、18歳の頃、「精神分裂病」という診断を受けた。まだ「統合失調症」を「精神分裂病」としていた2001年のことだ。
私は、まだ若く、当時の精神科は、当事者に病名の詳細を話してくれるような場所ではなかったので、私の「精神分裂病」に関するイメージは、その時そこまで悪くなかった。でも自分の「精神」が「分裂」しているとは思えなかったので、違和感は持った。(それが、精神科医療が言う病識の欠如というものだろうか。)
この時、うけた精神科医療で最も辛かった点は、薬物療法だった。私が何かを訴えると、薬が増えた。薬物療法で、私は口封じをされているような感覚をもった。私を一番初めに「精神分裂病」とした精神科医の顔が私はどうしても思い出せない。そのくらいに、自分の訴えを薬物投与で返されるということは恐ろしいことだと思っている・・・
以下、全文は、おりふれ通信371号(2018年8月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ
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