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精神病院全廃から40周年のイタリア・ボローニャを訪ねて  ~精神病院を廃止した国イタリア 精神保健福祉改革に必要なのは人々の対話とハグの力だ

ジャーナリスト 月崎時央 tokio tsukizaki
   
 2018年5月13日から20日の1週間、私はイタリアのボローニャを訪れ現地の精神保健福祉を視察した。
 私が参加したのは『東京ソテリア2018都市交流ツアー』と題する研修旅行だ。東京ソテリアは東京都江戸川区のNPO法人で地域活動とともにボローニャの精神保健福祉と交流を続ける団体。今回は『イタリアボローニャで考えるバザ—リア法40周年記念イタリア精神保健の現在と日本のこれから』がテーマだ。

日本とイタリアの
精神保健福祉は何が違うの?
 私がきょうだいの発病をきっかけに精神科の取材を始めて25年あまりの月日が流れた。しかし日本の精神医療は隔離収容、拘束、多剤大量処方など深刻な人権問題を抱えたまま迷走している。私はずっと「精神科病院の改革」を求め執筆活動をしてきたが、最近は精神科病院という存在自体に疑問を感じ、「改革ではなく廃止が必要」と考えるようになった。そして今回はイタリアで全廃できた理由を知るために研修ツアーに参加してみた。
 イタリアの精神保健の実践を見て特に印象深かったのは、1、誰もが対等に対話し触れ合うこと、2、人間を中心に支援を組み立てること、3、労働が回復に重要なことと位置付けていることの3点だ。これについて二回にわけて書いていきたい・・・

 以下、全文は、おりふれ通信370号(2018年7月号)でお読み下さい。ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で。または FAX042-524-7566 立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ 

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概論カフェまあん「精神医療のむかし・いま・・・未来をどうする!」 ~看護士・五味金次さんのお話を聴きながら~自分の看護を重ねる

就労移行支援事業所 せんげん台「世(よ)一緒(いしょ)」所長 高瀬勇  

 五味さんは昭和27年生まれで、26年生まれの私と一つ違い。28歳で精神科病院に入職(私は26歳)。五味さんは「多摩あおば病院」一筋。私は4病院を渡り歩いた。
 入職当時、五味さんの病院は閉鎖病棟時代。保護室で患者が凍死したり、副主任が患者の腕を折ったり、夜勤帯では看護婦が0時の巡回後、朝まで寝てしまったり、酸素が切れてしまい夜勤帯は無医村だったため、清瀬市から医師の応援を頼まざるを得なかったりで、悲惨を極めていたようだ。さらに病院は56億円の負債を抱えていて(患者のお金を4千万円使い込んだり)、倒産の危機に陥り競売にかけられていた。組合が3年半の闘争(そのうち2年間は自主管理)の末、「医療改革なくして再建なし」のスローガンを掲げて開放化を理解してくれるオーナーを探した。
 当時の五味さんは看護助手。食事介助、入浴介助、おむつ交換が主な仕事。資格のある看護婦は時間が来ると食べ終わっていないのに下げてしまったり、入浴後裸のまま病室へ行かせたり、おやつを半分取り上げたりで、一番差別意識を持っているのは看護婦ではないかと思った五味さん。また医師、正看護婦・士、准看護婦・士(当時。現在は看護師・准看護師に名称変更)、看護助手のピラミッドを崩さなければならないと組合運動に積極的に関わった。スパナで鉄格子を外すことから、開放化はスタートした。当時開放化を先駆けていた三枚橋、岩倉、駒木野病院から学び、全開放を目指した・・・

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日本における個人通報活用の意義

山本 眞理(精神障害者権利主張センター・絆)

 5月15日に国連恣意的拘禁作業部会(以下WGADとする)への個人通報を代理人として行った医療扶助・人権ネットワークの弁護士内田明さんのところにWGADより、4月のセッションの結果として一人の精神病院への強制入院について恣意的であり、直ちに釈放と賠償をという意見が届いた。
 内容は法によらず、適正手続にも欠いた拘禁であることと、障害者差別による拘禁であるということ、この2つによりこの事例は恣意的拘禁とされた。
 日本の精神病院への強制入院の個別事例に関し、初めての恣意的拘禁という判断である。もちろんこれには強制力はないが、とりわけ差別ということで恣意的と判断されたことの意義は大きい。一切の強制入院を禁止している障害者権利条約に沿った判断とも言える。
 1987年精神衛生法から精神保健法に変わった時、精神保健指定医制度が創設された。なぜ指定医かという質問に厚生省(当時)は、刑法に堕胎罪があるが、一定の条件で中絶を認めるため堕胎罪の免責のために優生保護法(当時)には優生保護法指定医がある。それと同じで、刑法逮捕監禁罪の免責のために精神保健法があり、精神保健指定医がいる、と説明した。政府も精神病院への強制入院が拘禁であると位置づけている。政府も、単に医療と保護の目的があるからすべての強制入院は正当だとしているわけではなく、逮捕監禁という犯罪を免責するための手続き実体要件が必要としている。
 それゆえにこそ拘禁の正当性が問題になる。障害者権利条約は障害者差別を禁止し、障害を根拠とした一切の拘禁を否定している。すなわち精神保健福祉法のように障害を根拠とした強制入院法の廃止を求めている。法律上の強制入院は全て精神障害を要件の一つとしている。障害者権利条約委員会の14条(人身の自由及び安全)のガイドラインも明確にその旨述べている。したがって精神保健福祉法による逮捕監禁罪免責は障害者差別に基づくものであり、明らかに条約違反であり、恣意的拘禁とされるべきものだ。
 国連人権理事会の特別報告者の一つである恣意的拘禁作業部会は、拘禁を単に刑事手続過程のみならず、自らの意志で入ったのではなく、自由に出られないときに拘禁とするとしており、法による拘禁である精神病院や入管の収容所、さらに法によらない障害者施設や高齢者施設あるいは学校の寮なども対象としている。そしてこれらの拘禁に異議申し立てされたときには拘禁した側にその合法性合理性などを証明する責任があるとしている・・・

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