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意  見  書 ~精神科病院に入院中の人々のための権利擁護システムの構築を求め、 日本精神科病院協会によるアドボケーターガイドラインに反対する~

大阪精神医療人権センター会報『人権センターニュース』2017年12月号より転載

認定NPO大阪精神医療人権センター


(要約)
 日本の精神科病院は、世界的にみても入院者数がきわめて多い。半数近くが強制入院であり、任意入院者も多くが閉鎖処遇を受け、長期入院を強いられている。身体拘束・隔離などの行動制限も近年大幅に増加しているなど、精神科病院の入院者の自由と人権は著しく制限されている。この深刻な状況を解消するには、人権侵害に対する救済を目的とする権利擁護システムが不可欠であり、とくに精神科病院から独立した第三者(権利擁護者)による権利擁護活動を実施することが早急に必要である。
 2013年の精神保健福祉法改正では、代弁者制度を含む権利擁護システムの導入が見送られ、法施行3年後の検討事項は「権利擁護」ではなく、「意思決定及び意思の表明についての支援」とされた。その後、厚生労働省の障害者総合福祉推進事業の一環として、日本精神科病院協会による「アドボケーターガイドライン」がまとめられた。

 「アドボケーターガイドライン」は、人権侵害に対する救済を目的とせず、本人に治療を受けさせることを目的としている。「アドボケーター」は、入院者への直接的な支援が禁止される一方、精神科病院に対する報告義務を負い、また、実施条件・方法が医療機関の裁量に委ねられるなど、精神科病院の管理下でしか活動できない。この制度が導入されると、「アドボケーター」という名称で権利擁護システムが導入されたかのような誤った印象を与え、本来求められるべき権利擁護システムの導入に向けての議論を阻害することになり、その導入による弊害は極めて大きい。

 ところが、厚生労働省は「意思決定支援等を行う者に対する研修の実施」のために2018年度予算を要求しており、日本精神科病院協会によるアドボケーター制度の導入に向けた研修を行おうとしている。

 当センターは、精神科病院から独立した第三者として、精神科病院に入院中の方への面会活動や精神科病院への訪問活動による権利擁護活動を実践するとともに、精神科病院から独立した第三者(権利擁護者)による権利擁護システムの構築を求めてきた。私たちは、アドボケーターガイドラインの導入やこれを前提とする研修の実施に強く反対するとともに、人権侵害の救済を目的とした権利擁護活動の実施・拡充に向け、多くの市民が参加できる体制を作り、精神障害者の権利擁護活動に関心のある団体と連携・協力しながら、権利擁護システムの一翼を担っていく所存である。

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