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措置入院の制度改革に思うこと

山本則昭

 3月6日に行われた「シンポジウム 精神障がい者の医療と福祉はだれのものか-措置入院の制度改革について考える-」(日弁連主催)に参加した。

 今回の精神保健福祉法の改訂案は、相模原事件をうけて設置された「相模原市の障害者施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」の提言に基づくものである。「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」の「報告書」(2月8日)もこれを踏襲している。2月24日、事件の容疑者は鑑定の結果「責任能力あり」とされ起訴されたが、その結果を待たずに改訂案は取りまとめられた。その肝は措置入院の「改正」であり、当初から一定の意図をもって用意されたことは明白である。その主な「改正」点を確認しておく。
1、措置を行った都道府県等は措置入院中から退院後支援計画(退院後の医療その他の援助についての計画)を作成しなければならない。
2、措置入院先病院は、医療保護入院と同様、退院後生活環境相談員を選任し、患者の退院に向けた支援を行う。
3、退院後支援計画作成都道府県等は、退院後、患者が居住地を移したとき、移転先の都道府県等に必要な情報を通知しなければならない。
4、都道府県等は関係行政機関等により構成される精神障害者支援地域協議会を設置し、退院後支援計画等作成に関する協議及び実施に係る連絡調整を行う。

 入院中の丁寧な治療や処遇は結構だが、それは従来の法制度の枠内でも十分可能である。問題は、むしろ退院後である。措置解除された後の地域生活をどこまでも追いかけて「支援」を行えることになっている。「支援」というと一見聞こえはいいが、その実は管理であり、監視だ。期限も明文化されていない。措置入院中であれば、一応は退院請求や処遇改善請求があるが、措置入院歴のある地域生活者には不服申し立て権の定めもない。一方「精神障害者支援地域協議会」には関係行政機関に情報提供を求める権限が与えられている。

 要するに、一旦措置になったら簡単に退院をさせない、退院後も地域管理を継続することが趣旨であり、他方でいかに「共生社会の推進」を謳っても理念倒れでしかない。鑑定結果を待たずに上記のような措置入院の改訂案を作り上げたのは、「今回の事件は精神疾患によるものであり、措置入院を厳しくして監視をすることで防止対策としますよ」という国民へのメッセージである。3月6日の集会のシンポジウムで皆が一致して批判していたのが「精神医療を治安の道具にしている」というものだった・・・

 以下、全文は、おりふれ通信359号(2017年4月号)でお読み下さい。
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