「リカバリーの学校」のこれまでとこれから(後半)
リカバリーの学校調布校 主宰 飯野雄治
私は、調布市(東京都)で、リカバリーの学校調布校という学習会を運営しています。先月に引き続き、このリカバリーの学校について紹介します。
2.リカバリーの学校が生まれた頃
精神保健分野の勉強会を企画する側に混ぜていただいた際に、「当事者とともに」等のコンセプトが積極的に語られるにもかかわらず、勉強会の対象は支援者に限定されてしまう瞬間に立ち会いました。精神疾患がある方向けの勉強会といえば、デイケア等で行われる心理教育プログラムがありますが、その「教科書」を見る限り、病気のことやストレス脆弱性モデルが解説され、薬が「ダムの壁」を高める等の説明があり、体調がよくなった後も薬を飲み続けなければ再発という怖いことが起きますと脅されるようなものでした。かろうじてリカバリーという言葉を取上げたページもありますが、具体的なイメージを提供する情報はなく、遠いアメリカの夢物語かのような印象を与えるものです。
リカバリーの学校は、当初は、IPSという就労支援プログラムをリカバリーキャラバン隊というチームの一員として紹介する勉強会の延長として開始されました。つまり、IPSを理解し、実施するにはリカバリーやその周辺概念を紹介する必要があったわけです。心理教育は患者が「主体的に療養生活を営めるように」実施されるものだと定義される一方で、IPSは、ひとりの市民として「働く人」という役割を得ることで精神疾患患者としての役割から離脱することを支えるものです。前者は、いわば薬を自分で飲むという良い患者を生み出すことが目的なのに対し、後者は患者という役割を離れることを支えるものです。リカバリーの学校の主眼は、明らかに後者にあります・・・
以下、全文は、おりふれ通信359号(2017年4月号)でお読み下さい。
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