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「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」の「報告書」は誤っています

多摩あおば病院 精神科医師 中島 直

 厚生労働省にもうけられた「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」(以下、検討チーム)が、「中間とりまとめ」を2016年9月14日付で、「報告書」を12月8日付で出しました。この事件に関連しては、本紙2016年8月号に、伊藤先生から見解が出されており、これには全面的に賛成です。事件の犯人とされた人に措置入院歴があったことが問題とされていますが、そのことが事件に関係しているかもわからないし、退院の仕方を工夫することで事件が防止できたとも言えないし、こういう事件の防止をすることは精神科医療の第一の目的でもありません。

 「報告書」は、「再発防止策の検討に当たって重視した3つの視点」として、「1共生社会の推進」「2退院後の医療等の継続的な支援を通じた、地域における孤立の防止」「3社会福祉施設等における職員環境の整備」を挙げていますが、「1」や「3」は分量もわずかで抽象的な文言にとどまっています。

 「2」が一番長いのですが、結局は措置入院からの退院をなかなかさせない方向となっています。特に大都市圏では、措置入院が精神科救急医療の一つのシステムとして機能しており、それが日本全国でもかなりの数を占めています。これがベストとは思いませんが、少なくとも現状では精神科救急は措置入院なしに行うことはできません。救急医療では、アクセスしやすいこと、および入院が必要な時期が終わったら速やかに退院してもらうことが重要です。退院をなかなかさせなくしたら救急医療としての機能はできなくなります。例えば、「報告書」で、措置入院で「調整会議」を開催して退院後支援計画を作成することが提唱されていますが、この会議には関係者の出席が必要です。退院が多少遅れてもこういう会議を行うことが必要な人もいますが、普通に退院できる人やすでにサポート体制ができている人も含めて一律にこのようなことを行えばただただ入院期間を長引かせるだけです・・・

 以下、全文は、おりふれ通信357号(2017年1・2月号)でお読み下さい。
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