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地域移行の体験から思いつくままに・・・(前半)

宮本 めぐみ

はじめに                      
 私にとって精神医療との出会いの場は、開設されて間もない中間施設のホステル部門であり、私の実践は退院促進から始まったとも言える。
そのころから、長期在院者を地域で支えていくことの必要性は叫ばれていた。まだ社会資源もほとんどない中で、患者本人が望むならば、体を張って入院を回避し地域で支えようとした時代であった。
あれから40年が経過し、長期在院者も支援を受けながら地域で暮らしていけるようになったが、それでもまだ、入院生活が1年以上になる長期在院者は20万人以上に及ぶ。入院中心から地域で暮らすことが当たり前と言われるようになったにもかかわらず、病床数がほとんど減ってはいないのはなぜだろうか。

 最近、1968年に出されたクラーク勧告を読み直してみた。半世紀も前に、入院の長期化と病院医療偏重の傾向を指摘し、早急な病院改革と地域医療への取り組みの必要性を提起している。その時に国が施策の転換をしなかったことが、多くの人の人生に打撃を与え、今でもその影響が尾を引いていることを改めて確認せざるを得なかった。
私自身は、この数年間、行政から委託を受けて地域から単科の精神病院に入り、病院職員と一緒に地域移行の活動を続けてきた。長い間精神医療の世界に関わってきたことへの罪滅ぼしにはなりそうにないが、一人でも多くの入院患者さんが、地域で暮らせることができればという思いからだった・・・

 以下、全文は、おりふれ通信350号(2016年5月号)でお読み下さい。
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