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精神科訪問看護は、どこへ行く・・・~地域と病院の間には、暗くて深い河がある~

多摩在宅支援センター円 寺田悦子

はじめに
 古い話ではあるが、2005年6月私は(社福)多摩棕櫚亭協会を退職した。
その直後、介護保険統合が見送られ障害者自立支援法が成立した、良くも悪くも精神科病院のありよう、地域の在り方が大きく転換することを余儀なくされている時期でもあった。
更に、社会資源が徐々に増えつつある中で、「精神科病院」と「地域」が長い時間あまりにも無関係に存在していることに気づきながらも、明るくネグレクトしていることが自分自身の根底にあり、その思いに対し無力である地域の変化にいらだち戸惑っている自分にたどり着いた。
それまでの精神障害者施策では、「病院から地域へ」「施設から地域へ」と徐々にではあるが、住み慣れた地域での医療や福祉への転換が試みられてきた。しかし、精神科病院と地域(障害福祉サービス)がかけ離れて存在していることや支援を必要としている高齢者や重度の障がい者、家から出られずに苦しんでいる方や家族に支援が届いていない現状を目の当たりにしながら、福祉的支援の限界を感じていた。更に、東京都の多摩地域に偏在している精神科病院の社会的入院者を受け入れる地域の資源は不充分で退院促進は思うように進んでいない現状や自己完結的な精神医療・地域福祉の状況に不全感を覚えていた。そして、2005年「自立支援法」が翌年からはじまろうとして施行された時代の転換期に八王子市に「医療と福祉をつなげる仕事」をコンセプトに訪問看護ステーション円(以降「円」)を開設し「私たちはその人らしい豊かで多様な生活を応援します!」という理念を掲げ、10年間活動してきている・・・

 以下、全文は、おりふれ通信346号(2016年1月号)でお読み下さい。
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または FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ  

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Aさんの医療保護入院について(問題提起)

就労社会福祉法人にいざ にいざ生活支援センター
相談員 星丘匡史

~Aさんの生活状況~
Aさん、60代、男性。統合失調症。
一軒家で一人暮らし。年金と貯金で生活している。週2回買い物に行く以外は、ほとんど外出なし。食事、洗濯、掃除は、本人が行っている。自傷、他害なし。盗聴されていると言い、そのことに困っているようだが、「体調はいい」「苦しくない」と話す。

~前回入院のいきさつ~
昨年夏ごろ、隣接市の道路で横になっていて、通報され、駆けつけた救急隊か警察に対し、抵抗したため措置入院となる。横になった目的は不明。本人は認めていない。当時断薬しており、睡眠時間は短くなっていたものと思われる。過去には、自殺未遂や近隣トラブルあり。
1年後退院。家族は退院を渋っていた。

~退院時の約束~
1、ヘルパーの利用。
2、地域活動支援センターに週1回行く。
3、訪問看護の利用。
4、通院する。

~退院後の生活~
「(掃除も洗濯も買い物も調理も)自分で出来るのでヘルパーは必要ない」「支援センターには、話が合う人がいない」と言い、ヘルパーと支援センターの利用を断る。
訪問看護と通院は行っていたが、1か月後から通院もしなくなり、訪問看護も断るようになった。訪問看護は断ったが、訪問看護事業所には度々電話を入れている。
地域活動支援センターの訪問も断るようになる。
盗聴されているという被害妄想あり。
対人恐怖、被毒妄想、薬に対する拒否傾向は以前よりあり。

~医療保護入院へ~
訪問看護から、遠方(車で1時間程度)に住む家族に連絡。
訪問看護が警備会社(移送業者)、入院受け入れ病院を手配し、医療保護入院を勧める。
通院先のクリニックから紹介状を書いてもらい受け入れ病院に渡す。
退院2か月後、拒否する本人を無理やり病院に運び、医療保護入院となる。

~入院当日、2階の本人の部屋での訪間看護と星丘と本人のやり取り~
訪看:Aさん、病院に行きましょう。入院しましょう。
本人:帰ってください。やめてください。
訪看:心配なんですよ。盗聴されてて苦しいんでしょ。
本人:大丈夫ですよ。心配しなくていいですよ。ほっといて下さい。
星丘:窓から大声を出したり、近所ともめたりしてませんか?
本人:してません。
訪看:ちゃんと食べてますか?買い物に行ってる?
本人:ちゃんと食べてます。買い物も行ってます。
訪看:Aさんはどうしたいんですか?外にも出れてないじゃないですか。
本人:ここに居たいんですよ。それだけですよ。もうやめて下さい。帰って下さい・・・

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精神医療、福祉について専門知識がない人が、伊藤哲寛氏の講演をがんばって理解することにより社会の偏見、無関心を変えたい

コミュニティサポート研究所 齋藤明子

 11月14日大阪精神医療人権センター設立30周年記念講演会に参加し、長年精神医療改革に取り組んでこられた伊藤哲寛さんの『権利擁護活動から考える精神保健福祉の今後』と題する講演を聞いた。約3時間、パワーポイント59コマの力のこもった講演であった。精神医療・福祉の職についたことも無い一(いち)ボランティアには、難し過ぎる内容であったが、私が理解できた範囲内で、個人的に納得した部分(独断です)を紹介したい。

◆精神病床数は世界で唯一、40年間同一水準を固守
 講演は精神病床数、医療の質、アドボカシー制度など『精神医療の点検』から入った。
私はその時、自分が名付けた日本社会の「オーバーラン現象」のことを思った。導入された時にはそれなりに役に立ったり必要性があったりしたモノやシステムが、いったん軌道に乗ると止められなくなり、必要以上に増えてしまい、数を減らしたり、原点に戻ったりすべきなのに、既得権を強烈に主張して、増えないまでも存続し続けてしまう現象を指す。道路、建物、議員数、様々な資格etc. etc. そして精神科病院。
 伊藤さんは精神病床が減らない理由の中に「患者の生活より従業員の生活」「病床数が減ると政治的圧力団体としての力が削がれる」といった病院側のセコい理由も忘れず挙げている。「患者が地域で暮らせないから」という理由より真実味が感じられる。
 欧米各国との精神病床数の推移の比較でオヤッと思ったのは、1980年頃のアメリカは、人口当たりの精神病床数が今の日本よりはるかに多かった、という事実である。そして多過ぎるところから20年間でイタリアに次いで少ないところまで減らしている。グラフの中で日本以外に病床数を減らしていない国は無い。「諸外国並み」「普通の国」が大好きな日本政府がこれほどまでに無策に徹し、惰眠をむさぼっていたというのは驚きだ。ただし、北海道十勝地方の病床数は確実に、欧米並みに減っている
公的な金で民間病院が「さあ、どうぞ」とベッドを用意して待っている時に、そして公的な金で堂々と利益を上げられる体制がある時に、だれが必死で精神障害者が地域で暮らし続けられるための医療を考えるだろうか。私は、精神病床の90%が民間の単科精神病院にあること自体、大スキャンダルだと思っている。「退院促進」施策は政府の免罪符に見える。他の国で議論されているのは「退院促進」ではない。「いかにして入院を回避するか」である・・・

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