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FGC研修に参加して

DPI障害者権利擁護センター 五位渕真美

きっかけ

 2015年7月17日から20日まで、Family Group Conference(以下、FGC)研修 in Tokyoに参加してきました。それまで聞いたこともなかったFGCでしたが、そのタイトルに「支配と強制のない世界へ」とあり、心惹かれたことが事の始まりです。

 幼少期、私は肢体不自由児施設に入所経験があります。障害があるということで地元の幼稚園、小中学校に受け入れを拒否され、また、機能回復訓練で少しでも体がよくなってほしいという両親の強い思いによるものでした。あらゆることが決められ、職員の顔色をうかがう生活に、私はよく「ここは現実ではない。私はずっと眠り続けていて悪夢の中にいるんだ」と夢想にふけっていたものです。思う存分お菓子や御飯を食べたかったし、毎日お風呂に入りたかったし、家族と一緒にいたかったし、もっと勉強がしたかったし、かなえられない望みばかりでした。それを声にできる機会があるはずもなく、自分から発信する力も術も当時は無でした。まさに支配と強制の世界の下、障害者として生まれてきたからにはがんばるしかない、自分さえ我慢すればそれでよいと自分自身を抑圧し続けていたと振り返ります。そして今この時も障害をもつ人の多くは隔離制限された環境での生活を強いられていることを忘れてはならないと常に思っています。

 現在、私はDPI障害者権利擁護センター(注)の相談員をさせていただき、日々、さまざまな障害をもつ方々の電話相談や、場合によっては面談や交渉等の同行も行っています。最近、精神に病気や障害をもつ人たちの継続的な相談が増えています。そこで感じることは、本人に対して、その周囲の人が、本人の理解や納得を得るまで情況の説明ができていないことにより、誤解を生み、それが不信感につながって関係性が悪化するという事例がみられます。もし本人の望む支援を丁寧に聞ける人がいたら…、もし本人を取り巻く現状課題について丁寧に説明できる人がいたら…、本人の生きにくさを軽減できるのではないかとよく考えます。本人と周囲の人たちが、本人の望む支援について同じ理解を得られるようにするものの一つとして、FGCは有効ではないかと思います・・・・

注:DPI障害者権利擁護センターとは
DPI日本会議(障害当事者団体で構成される国際NGO)が個人の権利侵害に対応するため、1995年に設立した権利擁護機関。障害をもつ相談員が自分の体験を活かして、障害当事者の視点から相談に応じている。
 連絡先:03-5282-3138(相談専用)


 以下、全文は、おりふれ通信343号(2015年9月号)でお読み下さい。
ご購読(年間2,000円です)のお申し込みは、本ブログ右下のメール送信で 
または FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ

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