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エモーショナルCPR(eCPR)体験記

松田 博幸

◆ eCPRとは?
 エモーショナルCPR(eCPR)は、人がクライシス、つまり、心の調子が崩れて自分でなんとかしようとしたがどうにもならない状態にあるときに、周囲の人たち(友人、家族、近隣の人、専門職者、警察など)がどのように本人に関わればよいのかを身につけるためのプログラムである。2008年にアメリカで、精神障害をもつ当事者たちの手によって生み出された。それ以前に、2001年にオーストラリアで作られた「メンタル・ヘルス・ファースト・エイド」がアメリカに紹介されていたが、それが診断名にこだわった医学モデルに縛られたものであることに違和感をもった当事者たちが自分たちの手で生み出したのがeCPRである。CPRというのは、つながること(Connecting)、エンパワーすること(emPowering)、蘇生させる(Revitalizing)という3つの過程を表すと同時に、心肺蘇生法という意味をもつ。つまり、ある人がクライシスにある際に、周囲の人が本人と心と心のつながりをもてば、本人は情緒・感情的に息を吹き返すが、そのようなかかわりがないと命を落とすことにもなるということである。実際、警官から暴行を受けて亡くなるということが北米でも日本でも起きている。また、強制医療を通して命を落とす人もいる。

 私がeCPRに関心をもち、その開発者の一人であるダニエル・フィッシャーさんを訪ねたのは2010年のことであった。ダニエルさんの自宅でeCPRの説明を受け、その根底にある考えがわかってきた。人は、他の人と心と心のつながりをもっている間、自分の心と頭とがつながった状態を維持できるが、トラウマや喪失体験によって心と心のつながりが断ち切られると、自分の心と頭とが切り離されてしまい、それぞれが働かなくなるという考えである。クライシスをそのような状態としてとらえ、人と人との間の心と心のつながりを取り戻すための方法を身につけるためのプログラムがeCPRである・・・・


 以下、全文は、おりふれ通信342号(2015年8月号)でお読み下さい。
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