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退院請求代理人の経験は、国連人権条約の批准の必要性を痛感させる

東京精神医療人権センター 小林 信子

 医療観察法の見直しで活発な行動が繰り広げられているというが、一般精神病院の触法患者を含む、長期の措置入院が継続している患者は、誰がどうかかわっているのだろうか?実数は手元にないが、そう多数ではないとはいえ国内で確実に自由を奪われて存在し、社会からほぼ「忘れられた人々・・・」になりつつある。

 今や「センター」の主要活動となっている、松沢病院における長期措置入院者の訪問活動の結果、5月の初旬、昨年に引き続き、その中の同じ患者さんの代理人として、退院請求をし、6月初旬に精神医療審査会のヒアリングに臨んだ。何度体験してもフラストレーションのたまるものだった。今は結果待ちだが、残念なことに今回もそう期待が持てるとは思えない。

 その患者さんのことは「おりふれ」でも書いたことがあるが、月1回の定期訪問をする3人のうちの1人で、約13年間も行きつ戻りつの話を続けていた。その中で、まず自由に外出したい、そのためには措置入院を解除してもらいたいという大きな患者さんの望みは一貫していた。私としては、精神医療審査会は“病院にやさしく、患者には酷い”という認識であり、患者さん側でも、最近は幻聴が小さくなって楽になったとのことだったが、特に審査に有利な状態の変化があったわけではなかったので、2年続けての退院請求は正直、気が重かった。しかしそういう逃げ口上が許されない、その患者さんを取り巻く院内環境の悪化があったので、よく話し合った末退院申請に踏み切ったのである。

 全文は、おりふれ通信289号(2010年6月号)でお読み下さい。
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または FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会へ

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アウトリーチは精神医療改革の決め手となり得るか

金杉和夫(精神科医、金杉クリニック)

 2010年6月18日の朝日新聞は「厚労省チーム 精神疾患患者への訪問支援導入合意」の見出しで、在宅の精神疾患患者を医療や福祉の専門家チームが訪問支援する「アウトリーチ」を本格導入することで、重症患者の治療が長期入院に偏っている現状を改め、地域で患者を支える体制に大きく転換すると報じている。この厚労省の検討チームの方針は4月3日から5月29日にかけて都立松沢病院で毎週土曜日に精力的に開催された「こころの健康政策構想会議」で、ACTに代表されるアウトリーチ活動への関心と期待が高まったのを受け継いだものであろう。
 
  ACTは、通院や通所ができず、既存の精神保健・医療・福祉サービスでは地域生活を支えることが困難な、重い精神障害を抱えた人を対象に、多職種の専門家のチームが包括的で継続的な訪問支援を行い、入院させずに地域生活を支えていく援助方法である。日本でも、現在全国で12チームが活動し、拡大する機運が高まっている。患者や関係者からの関心も高いが、特に地域での医療の支援がないことに悩む家族からの期待が大きい。
しかしACTは重症者を対象に特化された地域生活支援の方法であって、地域の全体的な精神保健・医療・福祉サービスに取って代わるものではなく、その一翼を担い補完するものである。長期入院者の地域移行後の支援や在宅で「ひきこもり」あるいは未治療・治療中断の患者の支援にACTが役立つことは期待できるが、一方でACTへの過剰な期待が、アウトリーチの導入が日本の精神保健・医療改革、社会的入院の解消、精神障害者の地域福祉、生活支援の構築の決め手であるかのような偏った議論へと進むことを私は危惧する。

 5月21日と22日日本精神神経学会の広島総会に参加しACTに関する講演とシンポジウムを聞くことができたので、その報告も兼ねて、ACTあるいはアウトリーチに期待すべきことと期待してはいけないことについて考えてみたい・・・

 以下、全文は、おりふれ通信289号(2010年6月号)でお読み下さい。
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地方の公立総合病院精神科から+映画紹介

石塚かおる(看護師)

みなさん こんにちは

 私は、静岡県にある小さな市の公立総合病院精神科で働く看護師です。病院は小高いところに建ち、窓からは茶畑や田んぼが見えるのどかないなかです。今の季節、茶畑の緑があざやかで、田んぼの水面は日ざしを受けてキラキラと光り、稲の苗が風にそよぎます。
 この病院は、入院病床数が250床ほどで、5病棟のうちひとつが、精神科病棟です。若い頃に勤めていたことのある、大きな公立単科の精神科病院とは違い、入院も短期で、患者さんもある時はうつ病の方が多かったり、ある時は10代から20代の方が多かったり、またある時は認知症のお年寄りで車イスが10台近く並ぶなんてことがあります。合併症のベッドもあるため、手術の方や、内科治療の方や、重症で呼吸器が準備されることもあります。また看取りの高齢者の方もいたりします。と同時に保護室で休んでいる方もいます・・・

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