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精神医療審査会について都知事宛質問状提出その後 ー処遇改善請求を積極的に行おうー

東京精神医療人権センター

前々号(No.266)、前号(No.267)で東京都の精神医療審査会は、患者の権利を制限していることを取り上げてきた。前号で報告した2月6日付け質問状に対して、2月26日都から都立中部総合精神保健福祉センター所長名で以下の回答があった。

 ご質問を拝読いたしました。当センター職員が、電話で十分にご理解いただけるようご説明できなかったことに対し、お詫び申し上げます。
退院及び処遇改善の審査請求につきまして、その事務の実際を十分にお伝えできなかったと思われますので、改めてご説明申し上げますとともにご指摘の趣旨を踏まえ、こらからも丁寧かつ適正な事務を心がけてまいります。
1 東京都精神医療審査会では、退院請求申請を却下されてから6ヶ月後でなければ、新たな申請を受け付けないということはございません。また、頻回に請求される方につきましても、そのつどお話を十分に伺いながら対応いたしております。
  処遇改善請求におきましても同様の取り扱いをしております。
2 同じ方が短期間で別の入院施設から新たな退院請求をされた場合については、以前の請求とは別個のものとして対応しております。
3 殊遇改善請求の内容は、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第37条第1項の規定に基  づき厚生労働大臣が定める基準」(昭和63年4月8日厚生省告示130号)に準拠して対応しておりますので、隔離、拘束の事項だけを審査するということはございません。
4 東京都精神医療審査会の運営については、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」及び「精神医療審査会運営マニュアル」に準拠し、適正に行っており、ご質問の1~3については、東京都と東京都精神医療審査会との話し合いで合意しているという事実はございません。

この回答に対して人権センターとしては、電話で告げられたようなことないという確認をし、改めて詳細について確認をするため、3月17日付けで再度センター所長宛の以下の質問状を提出した。

前略 ・・・・その回答を今回は書面で頂くのではなく、あらかじめ質問事項をお知らせした上で、ぜひ川関所長以下、担当者の方々と話し合いの機会を設け、そこで回答を回答をいただきたいという要望をいたします。・・・後略

1 回答にあったごとく、「6ヶ月後でなければ新たに申請を受け付けないということはない」というのであれば、退院および処遇改善の申請があるならば、法の精神に則りできる限り速やかに受理し、審査にかけると解釈してよいのですね
2 処遇改善請求の内容は厚生省告示第130号に準拠して対応しており、隔離・拘束の事項だけを審査するということはないとのことですが、隔離・拘束以外に具体的にはどのような改善請求を受け付けているのでしょうか
3 中部センター平成19年度事業概要(p77)にある18年度東京精神医療審査会実績には、「相談、苦情」1,858件とありますがこれはどのような内容でしょうか?大まかな内訳をご提示下さい。
4 このうち、退院請求の受付、受理を拒否または保留した事例は何件ありますか?
あるとすれば、その理由はどのようなものですか?
5 同様に処遇改善請求について受付、受理を拒否または保留した事例は何件ありますか?あるとすれば、その理由はどのようなものですか?
6 このうち書面による申し立てを、拒否または保留した事例がありますか?

 上記質問状を提出の後、電話でのやりとりの結果4月24日中部センターで話し合いをもった。出席者は、中部センターから所長、広報援助課長、医療審査係長、医療審査係員2名の5名、人権センターから3名であった。
 広報援助課長から私共の質問状にそった回答があり、その合間に改めての確認や質問をやりとりする形で話し合いは、進められた。

◎ 質問1に関して
 退院請求申請の半分以上は、入院後1ヶ月以内の人。審査会の決定が出てから次の申請受理までの期間は、今までで一番短い例で1ヶ月以内があった。一般的にいわれている3ヶ月経過しなければ申請を受理しないということはない。ましてや6ヶ月経過しなければということはない。
*確認事項・・再申請の待機期間というものはない。必要ならば審査会の決定が出た直後でもあ りえる。
◎ 質問2に関して
処遇改善請求の内容が隔離、拘束だけということはないが、処遇改善請求自体が少ない。処遇改善請求の内容の中には、病院指導の分野に入るものもある。任意入院の人からの請求も受け付 けている。
*確認事項・・退院請求と処遇改善請求は別のものである。処遇改善請求として対応する。
*要望事項・・人権センターは、入院中の人達の要望の多くは処遇改善請求に該当すると考えている。電話での苦情や相談の中に含まれていると思われるので、それらを処遇改善請求として取 り上げていただきたい。
◎ 質問3に関して
1,858件の内容・相談984件、苦情217件、その他674件。またその中身は退院・処遇に関すること859件、審査会のこと366件、病院内の人間関係のこと210件、入院形態のこと197件、院内の生活と治療のこと136件、その他107件であった。処遇に関することの多くは、電話の制限に関することであった。院内の生活と治療のことの中身は、たばこ、カルテ開示、入院費、他院への通院,薬のこと等であった。
*要望事項・・院内の生活と治療に関する相談や苦情の中に処遇改善請求として取り上げるべきことが多く含まれているのではないかと思われる。その中身をもっとよく見てください。メモとして残されている相談・苦情に関しても審査会で報告して頂きたい。
*確認事項・・審査会は非常に多忙でメモまで検討する余裕はないが、年一回の合同部会で報告することはできる。
◎ 質問4,5,6に関して
拒否、保留は今までない。文章や文字が不明で返却したことはある。
◎ その他
*要望事項・・東京都の人口に比して審査会の部会が6部会しかないのはあまりに少ない。
もっと部会数を増やして処遇改善請求にも積極的に取り組んでいただきたい。

 以上が話し合いの報告である。東京都の精神医療審査会は、入院者数22,000人に対して6部会のみ。一部会当たり単純に計算して3700人の人権を守らなければならない。書類審査だけでも大変な量となっている。審査委員の内訳も法改正で医師2・法律関係者2・学識経験者1でも良いこととなったが相変わらず医師3・法律関係者1・学識経験者1と医師の意見が強い構成のままだ。しかし、多忙なことを理由に退院・処遇改善請求を制限することは、許されることではない。今回の話し合いで、そのようなことは、東京都の場合には、絶対ないことを確認した。改めて、積極的に請求を出す活動をしていきたい。
 東京都以外の地域でも請求を積極的に行うことを呼びかけます。

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