あと出しジャンケンの弁Ⅷ 陽和病院周辺住民感情は著しく敵対化している?
岡本省三
四半世紀を優に超える陽和病院との関わりの中で、院の内外とも“桑滄の変”もただならぬ時代の波を浴び、今や昔の面影とてない。
しかしここで諸氏の特別の注意を喚起すべき異様な体験を相次いですることとなった。
昔病院周辺にいくつもあった喫茶店はほぼ全滅し、今や残るのは至近のバス停に面し、開店以来「患者お断り」を少なくとも建前としている許し難い一軒だけと成りはてて久しい。私は時折疲労困憊甚だしい時に限ってここで小憩することにしていた。
さてつい先日のことだ。大変遅くもなり、しかも冷たい雨の中とあって私はここに入るため戸を開けた。しかるに何事であろう、女主人がとんでくるや否や、何やら罵声を浴びせながら私の背中を突いて、有無を言わせず外に押し出し手荒に戸を閉めたのであった。
次のことを目撃したのはその直後であったろうか。陽和は近くの小学校の通学路に沿い、これに病院(と老健施設)の広い門の前を車の交通量が急に増えた狭い道が通ってT字なりに一緒になっている。
昔なつかしい緑のおばさんが消えて久しいが、数年前からシルバー人材センターでリクルートされているのであろう屈強な男が2~3人(「学校」の小旗だけは昔と同じだ)出現し、「コラ道草食わずにサッサと歩く!」などの命令を遊びたい盛りの子ども達に下し始めた。今ではおばさんも混じるようになったが、しかしこの日、そのおばさんの位置が普段と全く違う。いつもは病院の垣根沿い、門に背を向ける感じだったのに、正に門に向かって正対し、明らかに油断なく人の出入りに目を配っているのだ。
院内でも「住民感情の悪化」が流され、「社会防衛思想」の立場が内部の要路から揚言される世とは成り果ててはいた。しかしこれは一体何事であろうか。
10.13殺人事件は多くのマスメディアの注目を潜り抜け、世上或いは忘れられもしていよう。だが院内の激変はさておき、何よりも近隣住民がこれに無知、無関心であろうとは、やはりあり得ないのであろう。
皆さん、毎日の日常をちょっと見回して下さい。「テロ」「特別警戒」「不審者を見たら110番」盗撮カメラの放列などなど。治安国家化への圧倒的な急傾斜の中に私たちはいるのです。
バスでは間断ないアナウンスの中で、かつての「不審者」には、今次の具体的定義が下されている。「・・・普段見かけない人や様子のおかしい人を見たら110番を!!」 以上
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