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活保護切り下げ阻止へ向けて 第1弾  10/19 夜の厚生労働省前から

東京地業研  木村朋子

 去る10月19日午後7時から厚生労働省で、「生活扶助基準に関する検討会」の初会合が開かれた。前日の北海道新聞は「2008年度から生活保護費を削減する方針の厚労省は、基準額の引き下げ幅など具体的な内容を話し合う検討会を開き・・・年内に報告書をまとめる。物価などを考慮して全国を六区分している『級地制度』も抜本的に見直す方針で、都市部では大幅な引き下げが懸念される」と検討前から大幅引き下げが決まっているように報じている。
 この検討会の開催は、3日前の10月16日に発表、厚労省のホームページに掲載されたのみで、傍聴申し込み締め切りが18日の昼までというひどいやり方だったにもかかわらず、当夜傍聴席は満員。雨が降りしきる庁舎前にも多くの人が集まり、検討会の間中、湯浅誠反貧困ネットワーク事務局長の司会で、それぞれの立場から怒りと危機感をリレートークした。
 これは生活保護を受けている人だけの問題ではなく、最低生活費の基準が下がれば、地方税の非課税、国民健康保険料の減免、就学援助などが連動して厳しい方向へ見直され、既に苦しい生活を強いられている人々が一層苦しくなる。
 生活保護申請時に知識や経験のある人が付き添わないと通りにくい、通らないことが当たり前になっており、支援者として毎日付き添いをしているが、これってほんとはとても変なこと。 現状の生活保護の運用の中でも、「おにぎり食べたい!」と遺して亡くなった北九州の人のように、既に何人もが殺されている。
 こんなに急な検討会開催では関心を持つ仲間が来られない、何とか代表で参加した。
 難病や障害、高齢、ホームレス、シングルマザー等々非常に強い危機感をもつ人々は多いが、こういうところへ出てこられる状況の人は少ない。
 母子家庭では児童扶養手当の削減が自公合意で一旦凍結と決まったが、昨年の調査で平均年収が3年前より平均1万円アップしたことを理由に、年収130万円以上の家庭ではやはり手当削減という動きが出てきている。年収140万で手当が削減されたら・・・。過労、心労で身体をこわしたり、ウツ状態になるシングルマザーも多い。
 精神障害当事者かつ生保受給者の立場では、七瀬太郎さんが進んで街宣車のお立ち台の上に上がり元気にアピールした。福祉事務所は貯金してはいけないというが、パソコン、冷蔵庫など必需品が壊れた時、生保だと社協もどこもお金を貸してくれない。生保だと一旦住んだ所から引っ越すのがとても難しい・・と皆が日常悩んでいること。七瀬さん以外にも、おりふれ編集部の石井さんとその若い仲間3人が傍聴・集会に参加。当事者パワーがまぶしかった。
 ところで私も、おそるおそるリレートークに参加。職場であるにしの木クリニックデイケアメンバーの、この問題への関心の深さと不安について。自立支援法で生保以外の障害者の負担が増える中、「次は生保では」の声など。地域生活に不安が広がる状態では厚労省のもう一つのかけ声「社会的入院者の退院促進」なんてとても無理。それでは貧しくてもやりくりして自分の生活を送るというチャンスさえ奪われ、一生を精神病院で終える人が後を絶たず、これを「貧困」と呼ばずして何だろうか、というようなことを、大勢参加していた若いフリーター労働者など他分野の人達にも知ってもらいたくて発言したが、しどろもどろでうまく言えず。
 検討会終了後出てきた傍聴組の報告では、全国消費実態調査等の参考資料についてのやりとりが中心で具体的な討論はなかった由。また来年度予算に向けて「時間が限られている」との座長発言があったものの、次回日程は未定なまま終わったとのこと。
 なお、検討会委員は樋口美雄慶応大商学部教授を座長に、岡部卓(首都大)、菊池馨実(早大)、駒村康平(慶大)、根本嘉昭(神奈川県立保健福祉大)の五教授。

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