« あと出しジャンケンの弁Ⅳ 障害者権利条約は光に面するか闇に面するか ー現代ニホン国家と国際条約ー | トップページ | 投稿  患者の個別性に対応し、寝たきりにさせない医療・介護の実現を願う »

東京都も病院施設内「退院支援施設」に反対を

<編集部から> 多くの反対にもかかわらず「退院支援施設」は4月1日施行となり、現在各都道府県自治体に「退院支援施設」を実際につくらせないよう要求する運動が繰り広げられています。東京精神医療人権センターも、昨年8月25日付け厚生労働省に「退院支援施設」案取り下げを求める声明に続き、東京都に対する下のような要望書を出し、6月18日当事者団体等とともに東京都との話し合いに参加しました。東京都は今のところ「精査中であり、現時点では申請があっても受け付けない」とのこと。今後大阪、福岡・・・のことなども紙上で報告していきたいと思います。

            
2007.5.29.
東京都知事 石原慎太郎様
東京精神医療人権センター代表 永野貫太郎

要望書
東京都も病院施設内「退院支援施設」に反対を

 東京都がこれまで全国に先がけて、作業所、グループホームなど地域で精神障害者を支えるための施策に予算を投じてこられ、退院促進のモデル事業を各地域で進めると共に、グループホーム拡充の方針も明らかにしてこられたことについて、高く評価しております。
 私たち東京精神医療人権センターは、1987年以来、主に都内精神病院の入院者からの「退院したい」「入院に納得できない」という相談を受け、訪問・面会、入院患者の権利パンフレット作成・配布、都内精神病院訪問調査と病院情報公開のための出版活動などを行ってきました。活動を通して入院患者の権利とは、十分な治療とケアの保障はもちろんですが、できるだけ早く退院して自らの地域での暮らしに戻ることであると痛感しています。
 このような立場から、昨年突然問題化した病院施設内「退院支援施設」構想を取り下げるよう声明を出し、精神障害をはじめ身体・知的障害を含む当事者達と共に厚生労働省に対し働きかけを行ってきましたが、同省は一方的に話し合いを打ち切り、4月1日強行実施を決定しました。
 今回の反対運動に多数参加した身体・知的障害者の実践からも、海外の精神障害を含む「脱施設化」の経験からも、収容施設内社会復帰訓練の実効性は否定されています。私たちの都内病院訪問調査によっても、東京都が情報公開している精神病院統計で見て病床回転率の高い病院はコメディカルスタッフなどマンパワーの充足度も高く、実際に訪問してみると病院生活のアメニティがよく、入院患者のためのグループホーム・作業所の見学会や、地域社会資源との連携など、退院にむけた具体的な努力・工夫がされているのを見ることができました。またそのような病院が敷地内に社会復帰施設を設けている例はほとんどなく、ハードウェアに依存した試みより、地域との交流・退院促進プログラムなどソフト面での取り組みが重視されていました。一方、都内にも依然として長期入院中心の、アメニティもマンパワーも低い精神病院が残っているのも事実です。それらの病院が今回の退院支援施設を設置し、形を変えた社会的入院を継続させることがあってはならないと思います。
 東京都におかれましても、「退院支援施設」の設置に協力されることなく、今後ともこれまでの正攻法
の社会復帰施策をより一層推進されますよう強く要望いたします。

|

« あと出しジャンケンの弁Ⅳ 障害者権利条約は光に面するか闇に面するか ー現代ニホン国家と国際条約ー | トップページ | 投稿  患者の個別性に対応し、寝たきりにさせない医療・介護の実現を願う »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/19973/15671871

この記事へのトラックバック一覧です: 東京都も病院施設内「退院支援施設」に反対を:

« あと出しジャンケンの弁Ⅳ 障害者権利条約は光に面するか闇に面するか ー現代ニホン国家と国際条約ー | トップページ | 投稿  患者の個別性に対応し、寝たきりにさせない医療・介護の実現を願う »