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あと出しジャンケンの弁Ⅳ 障害者権利条約は光に面するか闇に面するか ー現代ニホン国家と国際条約ー

岡本省三

1.課題
 障害者権利条約が期待される「拘束力」ないし効果を収めうるか否か、につきその現実的可能性ないし蓋然性を、予め一般的な理論的・歴史的文脈の中に位置づけることにより、確定(「限定」)することを本稿の課題とする。
 最初に確認すべきことは、この領域での歴史が示すところによれば、これまでのところ決定的な規定要因は、国際条約が当然要求する普遍的妥当性に対して、自己の特殊的利害を平然として対置してきた個別国家の、その都度の行動そのものではなかったのか、という課題であろう。(なおここでは、我々の主体的力量要因はさしあたり度外視される)
 進んで現代ニホン国家が、これまで典型的ないくつかの国際(「人権」を含む)条約に対して、「国益」の「要求」に従って、如何なる美名・粉飾・正当化・ペテンなどなどによって、およそ融通無碍、自由自在かつ厚顔無恥に存分の振る舞いを続けてきたこと、そしてその「外見上の支離滅裂」が実のところ終始一貫、「国家目的」によく奉仕し、これによって貫徹されていることを具体的に明らかにしようとする。
 そしてさらには、その急速な「ネオリベラリズム国家化」即ち、重武装と諸強大国間軍事同盟への参画による世界支配体制の構築、超排外的愛国主義化、ハイパーテクノロジーによる超管理超監視国家化など、常人の想像を絶する怪物化=新次元の国家総動員体制が、如何なる新たな状況を生んでいるのかに及ぶこととなろう。

2.諸条約の検討による検証
 多少便宜的ではあるが、次の5つの国際条約を検討する。(なお、ここでの国際条約を、20世紀の所産たる国際組織のうち、「国連」及び付属機関によるものに限定する。)
1)ILO第1号条約
2)難民保護条約(1982年批准)
3)人種差別撤廃条約(1995年批准)
4)拷問等禁止条約(1999年批准)
5)越境(国際)的組織犯罪防止条約(2000年国連総会採択。ニホンは未批准。)

1)ILO第1号条約
 国際労働機関(ILO)は、まずその第1号条約で「同一労働同一賃金」を定めている。そしてニホン政府は?未批准である!
2)難民保護条約
 同条約履行に必要な国内法整備の完了(とされた)による批准以来四半世紀が経過した。そして今、この国に「難民一次収容施設」は存在せず、「難民」(もとより政治的亡命者を含む)はまず絶無である。
 ちなみに、6月初め漂着した「脱北者」4人は、昨年6月に施行された「北朝鮮人権侵害対処法」の「脱北者の保護及び支援に関する・・・施策」を規定する条文にかかわらず、今「不法入国者強制送還用施設」に「収容」され、「第三国への出国」を待つ身である!!
 一事が万事、そもそも「日本は政治亡命を基本的に認めていない」(事件に際しての政府高官談)。我々は次の如き「責任者」の発言「外国人は煮て食おうと焼いて食おうと政府の勝手である」(1965年)を遥かに想起し、ここでも一つの国際条約の辿りつつある長い道のりを肝に銘じざるを得ない。
3)人種差別撤廃条約
 批准に当たって、政府は「新たな立法措置及び予算措置を必要としない」旨の解釈を公にし、従ってこの国で横行する民族・人種差別は、刑罰の対象ではない!(「人権啓蒙パンフレット」が時に発行されるようだが、さてその「予算措置」は如何様に為されているのであろうか?)
4)拷問等禁止条約
 最早、紙数を費やすにも及ぶまい。
(以下次号)

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