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「東京精神医療人権センター」第21回総会報告

東京精神医療人権センター  小林信子

 6月13日、「センター」の第21回総会が日弁連会館で例年のごとくこじんまりと開催された。総会だけで会う人や、数年ぶりの懐かしい顔もあった。
 永野代表の挨拶に続き、事務局長の小林がこの一年の振り返りを行なった。福祉財団からの補助金を10年間受領し、不足はカンパ頼みという「センター」の運営方針は、2年前から迷走を続けてきた。財団からの補助金最後の年である今年も申請予算をほぼ半額にして、事務所移転や人件費削減で乗り切ることになった。
活動総体としては、「センター」21年の歴史の中で、その活動の原点だった電話・手紙による相談活動は、最近では数として頭打ちになっている(もちろん、ひどい病院ほど患者の「センター」へのアクセスをさせないという厳しい現実は依然として存在するが)。一方この間、都立松沢病院の長期入院者の多い病棟内での患者権利擁護活動を約10年余継続し、訪問の実績を積み上げることで現場での承認を得ることに力を注いだ。国立武蔵病院の医療観察法指定病棟に月2回、権利擁護者として訪問している。これらの活動を次にどう広げていくのかということも含め、2007年度に引継がねばならない。
 尾藤による決算報告が承認され、以下の2007年度の活動方針が提示された。
1.NPO法人化を今年度中に行なう-財団助成金の申請条件なので
2.時代遅れになった患者の権利擁護パンフレットを作成しなおす。助成団体を探す。
3.医療観察法問題  
4.他の団体と合同で「障害者権利条約」勉強会
5.拷問等禁止条約委員会勧告の利用を考える
6.反貧困問題にかかわる諸団体との連携強化
 地域で生活するユーザー達は、ますます力を蓄えていくであろうが、「センター」は精神病院とそこに入院している人たちの人権擁護に関わり続ける。そして、国際人権条約を遵守する精神医療を実現するために、今後も広く他の団体と連帯していくことを確認し、今年度予算案、運営委員人事案とともに承認された。

全文はおりふれ通信 5・6月合併号でお読み下さい。ご購読連絡先:FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会

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学習会「統合失調症は薬だけで回復するのではない」参加記

ヘルパー  エド・斎田

 6月5日に抗精神薬の泰斗、八木剛平先生を囲んで、精神疾患を持つ当事者による学習会が行われました。学習会は後半、16名の当事者と八木先生との和気あいあいとした対論となりました。当事者の体験談に熱心に耳を傾け、ときには質問する八木剛平先生の真摯な姿勢に好感を持ちました。
 私は以前から、DSMⅢの出現以来、国際スタンダードで診断が可能となったとされていますが、精神医学の分野では、かえって診断→投薬という作業が機械化されているのではないか?という疑問を持っていました。この辺りを八木先生も、「~というような幻覚を持つ人がいる。というのが正確なのであって、患者さんの全てが、(統合失調であるとか、大鬱病であるとか、双極性であるとか、認知症であるとか)典型例になるわけがない。診断は少なくとも一年くらいの時間がかかるというのが持論だから、私は初診で病名は付けません」といい・・・

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投稿  患者の個別性に対応し、寝たきりにさせない医療・介護の実現を願う

溝口 雅子

 夫がパーキンソン症候群・多発性脳梗塞と診断されたのは、2004年秋であった。夫は、しばらく前から体の”ふらつき”を主訴に近くの医院を受診していたが、症状の改善がみられないまま歩行能力の低下が目立ってきた。このため三ヶ所の医療機関を受診し、確定診断がついた時にはすでに三年が経過し、早期治療を逸していたことが悔やまれる。このような中で、定年まで三年を残し私は、退職し、介護を中心とした生活に専念している。 現在、夫は、介護なしでは日常生活全般を営むことが困難でほぼ寝たきりの状態で在宅医療・在宅看護を受けている。介護認定は「要介護4」である。パーキンソン症候群・多発性脳梗塞と診断された時から今日の寝たきり状態は予測され、覚悟はしていた。
 しかし、この状態を著しく速めた原因は、医療・介護現場が、人手不足のため、個別の患者の個別の状況に対応しきれず「病名」や「年齢」で括る治療体制に問題が有ったのではないかと考えている・・・・

以下、全文はおりふれ通信5・6月合併号でお読み下さい。ご購読連絡先:FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-201 おりふれの会

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東京都も病院施設内「退院支援施設」に反対を

<編集部から> 多くの反対にもかかわらず「退院支援施設」は4月1日施行となり、現在各都道府県自治体に「退院支援施設」を実際につくらせないよう要求する運動が繰り広げられています。東京精神医療人権センターも、昨年8月25日付け厚生労働省に「退院支援施設」案取り下げを求める声明に続き、東京都に対する下のような要望書を出し、6月18日当事者団体等とともに東京都との話し合いに参加しました。東京都は今のところ「精査中であり、現時点では申請があっても受け付けない」とのこと。今後大阪、福岡・・・のことなども紙上で報告していきたいと思います。

            
2007.5.29.
東京都知事 石原慎太郎様
東京精神医療人権センター代表 永野貫太郎

要望書
東京都も病院施設内「退院支援施設」に反対を

 東京都がこれまで全国に先がけて、作業所、グループホームなど地域で精神障害者を支えるための施策に予算を投じてこられ、退院促進のモデル事業を各地域で進めると共に、グループホーム拡充の方針も明らかにしてこられたことについて、高く評価しております。
 私たち東京精神医療人権センターは、1987年以来、主に都内精神病院の入院者からの「退院したい」「入院に納得できない」という相談を受け、訪問・面会、入院患者の権利パンフレット作成・配布、都内精神病院訪問調査と病院情報公開のための出版活動などを行ってきました。活動を通して入院患者の権利とは、十分な治療とケアの保障はもちろんですが、できるだけ早く退院して自らの地域での暮らしに戻ることであると痛感しています。
 このような立場から、昨年突然問題化した病院施設内「退院支援施設」構想を取り下げるよう声明を出し、精神障害をはじめ身体・知的障害を含む当事者達と共に厚生労働省に対し働きかけを行ってきましたが、同省は一方的に話し合いを打ち切り、4月1日強行実施を決定しました。
 今回の反対運動に多数参加した身体・知的障害者の実践からも、海外の精神障害を含む「脱施設化」の経験からも、収容施設内社会復帰訓練の実効性は否定されています。私たちの都内病院訪問調査によっても、東京都が情報公開している精神病院統計で見て病床回転率の高い病院はコメディカルスタッフなどマンパワーの充足度も高く、実際に訪問してみると病院生活のアメニティがよく、入院患者のためのグループホーム・作業所の見学会や、地域社会資源との連携など、退院にむけた具体的な努力・工夫がされているのを見ることができました。またそのような病院が敷地内に社会復帰施設を設けている例はほとんどなく、ハードウェアに依存した試みより、地域との交流・退院促進プログラムなどソフト面での取り組みが重視されていました。一方、都内にも依然として長期入院中心の、アメニティもマンパワーも低い精神病院が残っているのも事実です。それらの病院が今回の退院支援施設を設置し、形を変えた社会的入院を継続させることがあってはならないと思います。
 東京都におかれましても、「退院支援施設」の設置に協力されることなく、今後ともこれまでの正攻法
の社会復帰施策をより一層推進されますよう強く要望いたします。

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あと出しジャンケンの弁Ⅳ 障害者権利条約は光に面するか闇に面するか ー現代ニホン国家と国際条約ー

岡本省三

1.課題
 障害者権利条約が期待される「拘束力」ないし効果を収めうるか否か、につきその現実的可能性ないし蓋然性を、予め一般的な理論的・歴史的文脈の中に位置づけることにより、確定(「限定」)することを本稿の課題とする。
 最初に確認すべきことは、この領域での歴史が示すところによれば、これまでのところ決定的な規定要因は、国際条約が当然要求する普遍的妥当性に対して、自己の特殊的利害を平然として対置してきた個別国家の、その都度の行動そのものではなかったのか、という課題であろう。(なおここでは、我々の主体的力量要因はさしあたり度外視される)
 進んで現代ニホン国家が、これまで典型的ないくつかの国際(「人権」を含む)条約に対して、「国益」の「要求」に従って、如何なる美名・粉飾・正当化・ペテンなどなどによって、およそ融通無碍、自由自在かつ厚顔無恥に存分の振る舞いを続けてきたこと、そしてその「外見上の支離滅裂」が実のところ終始一貫、「国家目的」によく奉仕し、これによって貫徹されていることを具体的に明らかにしようとする。
 そしてさらには、その急速な「ネオリベラリズム国家化」即ち、重武装と諸強大国間軍事同盟への参画による世界支配体制の構築、超排外的愛国主義化、ハイパーテクノロジーによる超管理超監視国家化など、常人の想像を絶する怪物化=新次元の国家総動員体制が、如何なる新たな状況を生んでいるのかに及ぶこととなろう。

2.諸条約の検討による検証
 多少便宜的ではあるが、次の5つの国際条約を検討する。(なお、ここでの国際条約を、20世紀の所産たる国際組織のうち、「国連」及び付属機関によるものに限定する。)
1)ILO第1号条約
2)難民保護条約(1982年批准)
3)人種差別撤廃条約(1995年批准)
4)拷問等禁止条約(1999年批准)
5)越境(国際)的組織犯罪防止条約(2000年国連総会採択。ニホンは未批准。)

1)ILO第1号条約
 国際労働機関(ILO)は、まずその第1号条約で「同一労働同一賃金」を定めている。そしてニホン政府は?未批准である!
2)難民保護条約
 同条約履行に必要な国内法整備の完了(とされた)による批准以来四半世紀が経過した。そして今、この国に「難民一次収容施設」は存在せず、「難民」(もとより政治的亡命者を含む)はまず絶無である。
 ちなみに、6月初め漂着した「脱北者」4人は、昨年6月に施行された「北朝鮮人権侵害対処法」の「脱北者の保護及び支援に関する・・・施策」を規定する条文にかかわらず、今「不法入国者強制送還用施設」に「収容」され、「第三国への出国」を待つ身である!!
 一事が万事、そもそも「日本は政治亡命を基本的に認めていない」(事件に際しての政府高官談)。我々は次の如き「責任者」の発言「外国人は煮て食おうと焼いて食おうと政府の勝手である」(1965年)を遥かに想起し、ここでも一つの国際条約の辿りつつある長い道のりを肝に銘じざるを得ない。
3)人種差別撤廃条約
 批准に当たって、政府は「新たな立法措置及び予算措置を必要としない」旨の解釈を公にし、従ってこの国で横行する民族・人種差別は、刑罰の対象ではない!(「人権啓蒙パンフレット」が時に発行されるようだが、さてその「予算措置」は如何様に為されているのであろうか?)
4)拷問等禁止条約
 最早、紙数を費やすにも及ぶまい。
(以下次号)

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障害をこえてつながろう6.21東京集会

反貧困キャンペーン参加企画
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~障害と貧困について考える 本当の豊かさを求めて~

「年金はもっと低いんだから、生活保護はもらいすぎ」生活もままならない当事者同士だけを向き合せて、より低い基準に切り下げていく風潮がある。その考え自体も貧困だが、周りにある様々な障害をのりこえた繋がりが、今、必要になっている。先輩達が創ってきた、障害年金、他人介護加算等は何のためのお金だろう。生活費?住宅費?介護費?支給基準も国籍や、病気等に切り分けられ、すっぽり抜け落ちてしまう「制度の狭間」がある。又、生命だけがまもられればいいの?人と人との繋がりを大切にして人間らしくくらしたい。本当の豊かさとはなにか?みんなで考え、話し合ってみたい。先達が築き上げてきた制度を、あたりまえに受けている人たちも必見です!

▲▽ 障害と貧困 本当の豊かさ とは? 徹底討論!▽▲
日 時: 2007年6月21日(木)戸山社会教育会館 地図 新宿区戸山2-11-101 場 所:社会教育会館 ホール               Image006

(開場13時)午後13時30分~16時30分
参加費:参加費無料(但し資料代500円)
    *手話、要約筆記あり
内容:反貧困キャンペーンからのアピール
湯浅誠さん(反貧困ネットワーク準備会事務局長)
当事者発言
○在日障害無年金 ○障害学生無年金
○年金の境界線  ○生活保護
○知的障害の働くということ 等の立場から発言
パネルディスカッション  進行 三澤 了さん(DPI日本会議)
○在日無年金のかかえる問題  柴田 文恵さん(在日無年金問題関東ネットワーク)
○24時間介護要求運動~制度を創ってきた立場から~ 益留 俊樹さん(パーソナルアシスタンス☆フォーラム)
○精神障害者の立場からの本音トーク  加藤 真規子さん(こらーる・たいとう)
○制度の狭間の問題、医療モデルが生む格差 山本 創さん(難病をもつ人の地域自立生活を確立する会)
○障害者の所得保障制度について 岡部耕典さん(リソースセンターいなっふ)
   参加申し込み:お名前、住所、連絡先、所属団体等を下記連絡さきまでお申し込みください。
FAX 03-5282-0017  Mail living@y5.dion.ne.jp 
(詳細等のお問い合わせは 03-5282-3730 090-6193-1232担当山本までご連絡ください)
 
  主催 障害をこえてつながろう6・21東京集会実行委員会
東京都地域精神医療業務研究会 在日無年金問題関東ネットワーク  東京都自立生活センター協議会 DPI東京行動委員会     こらーる・たいとう      パーソナルアシスタンス☆フォーラム

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