« 不当な等級変更には異議を! | トップページ | 障害者欠格条項をなくす会情報ブックレット『NOからYESへ』出ました »

『べテルの家の「非」援助論』を読んで

コミュニティサポート研究所 齋藤明子

253ページの本だがすすっと読めてしまう。でもマンガのセリフをいちいち読んでいると読むテンポが乱れるのでご注意。
 精神保健関係の人なら1度は聞いたことがある、あの『べてる』の“サクセスストーリー”だが、「べてる」語の“サクセス”を訳すと“散々苦労し続けることを成功と呼ぼう”という意味のように私には受け取れる。
 大部分の読者はこの本を読めば、同じ昆布の袋詰めが「社会復帰学級」では無残な結果に終わるのに、「べてる」では年商が億になるのは何故か、その理由がわかると考えるだろう。しかし、まず一気読みして、その後ペラペラめくってみたが、この点に関しては即、お役立ちのマニュアル本にはなっていない。

全体は5部構成で第2部の10章までが「べてる」の歴史で1章を除き向谷地さんが書いている。

誰も自分のことを知らないところに行きたいとか、暴れて救急車で緊急入院したという、追い詰められた人々に向かって医者やPSWが「あなたは浦河が求めていた人材です」とか「分裂病のジャンルを超えた有望な新人が来た」と本人に向かって語りかける余裕や同じ高さの目線が優しくすがすがしい。「『先生のおかげで治った』などという治り方は『もっとも良くない治り方』」とか、「薬は、症状の予防と緩和には効果があるが、いかに生きていくかというその人固有の人生課題の解決には当然のごとく無力である。」という文章もある。185ページの「『リハビリテーション』と『コミュニケーション』の違い」の表も、“果てしなきリハビリ”を拒否して“介助付きの自立生活”を選び取った四肢まひ者を支援してきた私には興味深かった。
 第4部のタイトルは「関係という力」。印象に残ったのは「不思議なことに、入退院を繰り返すほど元気さが増し、たくましさが増してくる」とか、看護職全員を対象に「精神障害者に対するイメージ調査」を実施したら「精神科病棟の看護婦の方が、他の部門の看護婦より『拒絶的態度』が15%も上回るという結果が出た」という箇所だった。医療関係者の考え方や態度に疑問を感じていた私にとって、味方発見!だったからである。
 第5部は向谷地さんと川村医師へのインタビューを収録している。これまでの内容を二人の「話し言葉」を通してわかりやすく整理しているように思われる。
あなたも一度読んでみませんか?

以下全文はおりふれ通信4月号でお読み下さい。ご購読連絡先:FAX042-524-7566、立川市錦町1-5-1-401 おりふれの会

|

« 不当な等級変更には異議を! | トップページ | 障害者欠格条項をなくす会情報ブックレット『NOからYESへ』出ました »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/19973/15023720

この記事へのトラックバック一覧です: 『べテルの家の「非」援助論』を読んで:

« 不当な等級変更には異議を! | トップページ | 障害者欠格条項をなくす会情報ブックレット『NOからYESへ』出ました »