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中国のある精神病院“事情”

 日本の大学院で法律を学んでいる中国からの留学生が、日本の精神医療に関する法制度にとても関心を持っています。人権センターの活動などにも興味をもってくれるその方が、故国の保安病院や精神病院を訪ねる機会をもちました。そして、「おりふれ通信」に見学記の投稿をお願いして実現しました。中国の政治的状況から訪問した病院名を伏せてありますが、ご了承ください。(編集部)

XX省立xx医院精神科(2005年秋)
司馬 両々

その日の朝は雨。Xx市中心部にあるxx医院の前は賑やかだった。ここは市立の二次総合病院である(三次は一番レベルが高い。)
他の診療科はすべて患者が並んでいたが、精神科の前は空いていた。友達の知り合いの40代の若い精神科医が応対してくれた。

入院方式 本院はほとんど民事入院である。
入院期間 中国全国の平均入院期間は69日と大体同じレベルである。
患者数 精神病床は55が一看護単位で、3単位165床ある
保険 保険は適用されている。患者は自己負担20%である。毎月4000―5000元の費用がかかる。(それはかなり大きい出費である。)

投薬方針 基本的には単剤投薬。アメリカの精神科医療方針に従っている。やむを得ない場合は多種類の向精神薬を投与することもある。

薬物拒否問題 薬物拒否をする患者はかなりいるようである。向精神薬の副作用が出現してから、服薬停止の例が多いようである。この精神科医を訪問していた間に、一人の若い女性患者が受診にきた。自分の症状・薬物に対する知識はかなり持っていて、副作用・薬の金額などの問題について
医者と相談することができていた。このような患者に投薬を拒否されるともう仕方がないと医者が言っていた。
民事入院の病院なので、医者は薬物拒否をする患者に対しての態度はかなり消極的である。でも薬を飲まないと発症されて、そして入退院を繰り返している患者はかなり多いという。それは精神医療の現状のひとつとして認められているようである。

鑑定業務 本院は司法・行政機関から依頼される鑑定を受けつけている。たとえば、責任能力鑑定、訴訟能力鑑定、刑の執行能力鑑定など。応対してくれたその精神科医の話によると、鑑定時間は2-3時間である。かなり簡易な鑑定かなと一瞬思った。民間人の依頼は受け付けていない。

 私見 これは中国精神科病院の一側面である。本病院は中国全体のうちでどんなレベルであるのかよくわからないが、精神鑑定の現状についてはかなり心配である。
 それと同時に、地域社会の精神保健状況はかなり貧弱である。精神病院から地域に復帰して次の事件を起こす前に、何もケアされないのというのが現状である。

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