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今、私たちに求められているもの ー感じること・繋がること・そして自ら行動することー

町田・トマトハウス 飯島 空見子

 「障害者自立支援法案」改善運動の中間まとめと新たな展開をめざす〔緊急フォーラム日本障害者協議会主催〕に参加して

 8月8日(月)郵政法案の参議院本会議での否決による衆議院解散に伴って、「障害者自立支援法案」が廃案となりました。
 そして、その2日後の8月10日(水)、ニッショーホール(虎ノ門)で行なわれた緊急フォーラムには、会場を埋め尽くすおおよそ800名の人たちが集まりました。トマトハウスからは、メンバー・スタッフ5人で参加しました。
シンポジウムでは、フロアーからの発言が活発に行なわれ、限られた時間内では、ひとりひとりの人たちの発言を十分に聞くことができなかったことが残念でした。が、その中から特に印象に残ったことを記します。

○<高次機能障害>をもつ子供の母
 障害を認められていない、医療制度や社会保障制度の谷間におかれている『障害者』の存在を知って欲しい。支援が必要であることは同じなのに、高次機能障害は、各種の福祉サービスを受ける根拠となる、障害手帳をもてない人が多いのが現実である。今までは、手帳がなくてもサービスを受ける事ができたが、今後はどうなるか分からず不安である。
 
全国で、『精神障害』と言われる人たちは、259万人いて、そのうち障害者手帳を取得している人は31万人と約10人に一人の割合です。(04.3現在厚生労働省調べ)一方で障害手帳という物が重くのしかかっている現状があり、また他方では(精神障害の人にとっては、)障害者手帳が邪魔にはならない程度のものでしかない。この状況をどのように考えたらいいのかと複雑な思いに駆られました。

○<埼玉県・男性>
 所得保障と医療・福祉の応益(定率)負担は、別々に考えるべきだと思う。心臓が悪く、手術を繰り返している。1回の心臓手術には、300~400万円かかる。心臓が健康な人は、手術をする必要がない。生きていくために必要なことに対して何故、自己負担を強いられなければならないのか。自分は心臓に爆弾を抱えているのと同じ。国会にこのまま自爆テロを起こしたいほどの憤りを感じている。
私は、所得保障と応益負担は別々に考えるべきというこの男性の意見を聞いて、それまで、「お金を出すのが嫌だといっているのではない。お金がないのにどうやって1割負担ができるのか。先ず所得保障をきちんとして欲しい。」という言い方をしてきたが、それが間違いだと解りました。

今回、参加していたメンバーが、この人は、トマトハウスで一番若く利用期間も半年と一番短い人なのですが「フォーラムの終わりに質疑応答の時間があった。参加障害者の切羽詰った思いを聞いて、ここは日本ではない感じを受けた。」と感想を述べていたことも印象的でした。
私たちは、自分の身の回りのこと、目先のことにどうしても関心が向いてしまいがちです。誰もが病気や病気による障害を経験する可能性を持っているにもかかわらず、病気や障害を持っている人たちの状況を、他人事のようにしか感じられないのが正直なところです。また、障害をもつ人と健康な人では、障害に対しての感じ方、実感の持ち方も違います。だから、想いや気持ちなどは伝わりにくいのが現状です。様々な状況に置かれている人を、自分のこととして感じ、考えられるようになったら、もっと力強い運動が展開できると思います。
 「障害者自立支援法案」について、この間、トマトハウスのメンバー・スタッフと一緒に考え行動してきました。福祉を取り巻く状況が今までになく、危機的状況であるということを痛感しています。そして、めまぐるしく変わっていく情勢の中で『障害者』が自分で選ぶこと(選ばないこと)・自分で決めること・自分で責任をもつことを保障していくこと、その人自身の人生であるということ地域で当たり前に暮らしていくことを保障していきたいという基本的な姿勢は変わらずに持ち続けていきたいと思いました。
今後も様々な状況に置かれている仲間たちと繋がり、そして考え、行動していこうと思います。

追記
このフォーラムの時点では、参加者の誰もが総選挙の行方を気にしていました。選挙結果を受けて「障害者自立支援法案」も加速度的にすすめられていくのでしょう。これからは、<福祉>の時代ではなく、<治安>と<戦争>の時代になっていくのではないかとフロア-で誰かが言っていました。それを聞いて妙に納得してしまいました。

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» 所得保障と応益負担は別の問題 [正己の異論・反論]
『今、私たちに求められているもの ー感じること・繋がること・そして自ら行動することー』(おりふれ通信)を読んで http://orifure-net.cocolog-nifty.com/net/2005/09/post_3562.html 次の部分 ○<埼玉県・男性>  所得保障と医療・福祉の応益(定率)負担は、別々に考えるべきだと思う。心臓が悪く、手術を繰り返している。1回の心臓手術には、300〜400万円かかる。心臓が健康な人は、手術をする必要がない。生きていくために必要なことに対して何故... [続きを読む]

受信: 2005.10.06 09:38 午前

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