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精神障害者は障害年金査定でも差別?

全国「精神病」者集団会員 山本 真理

 先に障害年金と手帳の級に関するアンケートを「おりふれ通信」に同封していただいた。
 各地の仲間そして家族会の協力もあり、アンケートは722通集まった。匿名調査のためお一人お一人にご報告をする手段がないので、ここにご報告させていただく。さらに詳しい報告は長野英子のサイトの以下からダウンロードできる。
http://popup.tok2.com/home2/nagano2/gsmaterial.htm
任意抽出でもなく、コピーをして集めてくださった方も多く回収率も不明であるので統計的な分析は不可能であるが、たとえば以下のような声が自由記載に寄せられている。
・ 援助はそれだけ(年金)だから非常に困る。(2級から3級に落ちた)
・ 年金が少なく生活に困っています。今は両親が生きていて生活のよゆうがなく、遊ぶお金も少しは欲しい。
・ 私は今でさえ1種1級ですが、年々障害が進行していき不自由さが増しているのに、年金は全く増加しませんから困っています。長生きすればするほど困る気がしている。遠まわしに死へ誘導されちゃってるのかもしれない。バカにされているのなら、やめてもらいたい。将来不安です。
・ 生保受給しているのですが、手帳が3級になり加算が全くなくなりました。生活していくのに不安を感じます。3級でも多少の加算がつけられないものでしょうか。

自立支援法案では強引に「応益負担」が唱えられているが、精神障害者の所得保障の実態はなんら明らかにされないままに、32条の撤廃や負担増が強行されようとしている。
しかし年金を受給している精神障害者のほとんどは定期的に級の審査を受けており、診断書提出のたびに不安から病状悪化を招くものもいる。ひとり暮らしをしているから1級のはずがないという指導がされる地域もある。1級の人に医療費無料の施策がとられたら、1級の人が級を下げられる、などという地域もある。級を切り下げられたための自殺者すら出ている。わたしたちは非常に不安定な年金収入に頼らざるを得ない。生活保護受給者の場合でも3級となってしまうと、障害加算が0となってしまう。障害者ではなくなるのだ。
級別の人数統計すらないので精神障害者の所得保障を論ずる基礎資料すらない。仮に「応益負担」を論ずるなら、基本的な所得保障の実態把握は最低限の条件である。
上記の声を持って国会議員に訴えご協力をいただいて、厚生労働省より精神の障害による障害年金受給者の級別人数と年次推移の統計を入手した。共済年金は厚生労働省にはなく国民年金と厚生年金の人数であり、精神の障害には知的障害と神経障害も入るので、より詳細な分析にはもう少し資料および時間が必要である。
しかし添付のグラフにみられるように、精神障害の場合に他障害に比べ障害程度が低く査定されている疑いがある。さらに厚生年金と国民年金による級別構成比は極端に違う。1級の構成比の年次推移によると財政状況に障害認定が左右されている疑いもある。
自立支援法案では原則すべてのサービス受給について障害程度の査定がされることになっている。そうなれば今現在サービスを受けている精神障害者も「手も足も動く、目も耳も大丈夫」という形でサービスを拒否されていくことは十分予想される。そして障害程度認定自体が財政状況に左右されていくこともありうる。審査の透明さとい
う掛け声もむなしい。
そもそも精神の障害とはなんなのか、それすら専門職間でも意見の一致を見ていないのが現状であり、私たちの困っていること=ニーズに耳を傾けられない実態は先に大田区の例を報告したとおりである。いま必要なのは名目だけの三障害統合ではなく、私たち「精神病」者本人を中心としたより詳細な研究と討論が必要であるのは言うまでもない。そして何より一人一人の障害者が声を上げられる、人権主張とそれを支えるサービスこそが求められている。

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