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投稿・グランドデザイン(案)先取り実態の大田区で暮らして

全国「精神病」者集団会員 長野英子
 今厚生労働省は、グランドデザイン(案)というものを出し、三障害統一の「障害者自立支援給付法」(仮称)なる法案を準備し、障害者の地域での暮らしを破壊しようとしている。この流れは、国家は治安と防衛以外何もしない、分配をしないという宣言であり、いずれは改憲、生活保護も名称を「自立支援法」とでも名称をかえ、一切の福祉から国家が撤退するという方向への一里塚である。
 2002年11月に大田区に転居して23年ぶりの1人暮らしをはじめた。23年間家族による介護によって暮らしていたわたしは何もかもに途方にくれていた。引越し荷物の整理ができず困り果てて、主治医を決めるより何より即精神障害者ホームヘルプサービスを申し込んだ。窓口の保健師さんは家庭訪問を受けた。わたしは引越し荷物の片づけを手伝ってほしいと訴え、できれば荷物片付けのためにある程度まとまった時間の派遣を一定期間してほしいと要請した。ところが保健師さんいわく、「精神障害者というのは人と長時間いると疲れるから、せいぜい1度に1時間、まあはじめは30分」。さらに患者会の荷物については、ヘルパーは手伝えないとも説明していった。私は、これは患者会の荷物これは私物などと分けられるものではなく、すべてが私の生活であると主張したし、少なくとも私物と判断されたものについては片づけを手伝ってもらえると信じ込んでいた。
ところがようよう、2003年3月から月4回1回1時間の派遣が決められ、それでもなお片づけを手伝ってほしいといい続けていたが、7月になって何の理由の説明もなく月3回1回1時間に減らされた。私は行政不服審査法に基づき異議申し立てができると確認した上(後にこれは誤りと判明)で異議申し立てをし、同時に担当の課長にも質問状を送り、課長の回答文書で、そもそもヘルパー制度では引越し荷物の片付けはしないことになっているという事実を知った。
 わたしは2003年の2月に相談に行って以来8ヶ月間まったく情報を理解できないままで、ひたすら期待をし続け、放置され続けたのだ。最初の相談以来、ヘルパー制度で、何ができて何ができないかの説明すらなかった。
わたしは現在週1回1.5時間の支給を受けているものの、2つある部屋のうち1部屋は事務所と認定され、寝室と台所のみの掃除、というヘルパー派遣であり、いまだに片付かない荷物のために、衣替えもできずに風邪をひくという生活を送っており、ヘルパーをめぐる行政の対応、モニター訪問による消耗も重なって1昨年2回、昨年1回の入院もしている。
ともかく「困って相談に来た障害者」をいかに水際で追い返し、支給を始めたらモニター訪問で消耗させて、いかに支給を辞退させるか、という対応といわざるを得ない。入院が決まっていると告げているのに、早朝アポイントなしの訪問ということまでするのが大田区のやり方である。過剰な期待を持たせないこと、安全保障観の確保こそ支援の大前提と考えるが、その前提を踏みにじっては支援とはもはやいえない。その上で希望者が少ない、ニーズがないというのが大田区である。
私たち抜きで私たちのことを決めて始まったヘルパー制度のそもそもの欠陥であり、さらに権利主張をささえるサービスのないことが重大な欠陥である。わたしの入院費に比べれば、わたしのささやかなヘルパー派遣要求のほうがはるかに安上がりのはずである。
 身体障害者の場合も、2004年度から「大田区居宅介護支援費(移動介護)の支給決定に関する要綱」で移動介護は一律上限32時間(1日約1時間)を上限とするとした。これに対しこれまで124時間の移動介護を受けていた鈴木敬治さんが異議申し立て、区に対して決定見直しと要綱の上限規定撤廃をもとめる署名運動をしている。この一方的支給削減につき、「32時間に同意しろ、同意しなければ0にする」と保健師が脅迫して回っている。さらに斉藤保健師は「最近の若い女はひどい、だから障害者がどんどん生まれる。24時間介護保障などできるはずはない」とまで発言している。 グランドデザインどおりになって、すべてのサービス受給について障害認定がされるようになるとのことだが、まず追い返せ、削れ、という対応の大田区のやり方が、全国化することは間違いないし、すでに身体障害者については都内のいくつかの市・区で大田区同様の対応が始まっている。鈴木敬治さんの呼びかけている、同封の要綱撤廃の署名へご協力を訴える。
大田区の移動介護一律制限撤廃署名についてくわしくは、
http://popup.tok2.com/home2/nagano2/0412suzuki.htm

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