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投稿・作業所から

共同作業所Hot・Job利用者 大石正文

 私は非定型精神病である。アパートは東京の杉並区にあるのだが、今練馬区の共同作業所Hot・Jobに通所している。病院は練馬区のこころのクリニック石神井である。昨年か、陽和病院から別れて開設された。で、担当の先生は以前と変わらない。同じ先生で、もう担当になってから長く、私のことをすっかり分かっているので安心である。薬の出し方も良く、毎週の通院の時のインタビューで精神療法を兼ねたいろんな話をしてくれる。この先生が担当にならなければ、私は今のように比較的良い状態にならなかっただろう。
 Hot・Jobは、9年前にほっとすぺーす関町から別れる形で開所した。ほっとすぺーす関町は、故久良木幹雄さんがつくった作業所である。その前に久良木さんはほっとすぺーす練馬を開所していた。
 杉並西保健所デイケアに10年も通い、作業所をどうするかの段になった。杉並の作業所の話も出たが、私はイヤだと言った。すると、ほっとすぺーす関町開所の前日に、保健婦さんから関町の地図と一緒に案内が届いた。それでほっとすぺーす関町に通うことになったのだが、あの頃のことは懐かしい。所長だった、自身そううつ病の経験のある久良木さんの複合的で大きな人柄は、どこか慕いたくなるようなものだった。
 ほっとすぺーす関町にいた頃、私は調子が高くなると乱暴で過激なことを怒鳴ったりしていたが、今の担当の先生がそれを薬で治してしまった。それまでの先生は誰もそうしたことはしなかった。
 ほっとすぺーす関町では子供向け雑誌の付録の袋詰めとか、他の細かい手作業、カンつぶしなどをやった。午前中は班をつくって昼のための料理をつくった。それで昼ご飯はやすくて良いものが食べられた。
 「関町ニュース」という新聞のようなものも出していた。私も時々投稿したりした。その「関町ニュース」を発展させ、新聞発行や他の印刷のための作業所をつくろうということで、Hot・Jobがつくられた。 作業は、新聞Hot Timesの発行、それに名刺やビラの印刷を引き受けたりもする。他の作業所でニュースを出すのにHot・Jobに頼んだりすることもある。そうした時は、まずパソコンで打ち込み、編集をやる。パソコン勉強会も週2回ありボランティアが丁寧に教えてくれる。たいていの人はパソコンも大分上達している。私はワープロを少しやったが上達せず、パソコンは全くできない。しかし職員の人に無理にやらなくてもいいと言われている。
 私はHot・Jobに来て、初めてまともに近くなった。もう就労は無理だが、ずっとJobに通い続けようと思っている。何年か前私が入院した時、スタッフが見舞いに来てくれた。入院してもメンバーを見捨てない。退院し、作業所に戻って驚いたことがある。Hot・Jobの人達は、落ち着いていて穏やかな活力があり、実に具合がいいのである。精神科関係でもそれだけ良い悪いの状態の違いがある訳だが、具合の悪い人達でも、精神医学が発達してきており、薬もあるのだから、早く退院して作業所に通うなりの良い状態にすることができる筈である。要は、病院の医師のやる気の問題ではないか。
 就職して本当に社会復帰できる人は別だが、作業所は精神障害者の多くにとって、一種の理想社会と言うこともできる。ーマライゼーションということが言われて久しいが、その具体的有りようとして、作業所の果たすべき役割はますます大きなものになっていくと思う。

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