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写真集「ひとりひとりの人」 大西暢夫

大塚病院 佐藤朝子


 だいぶ前に、「精神病院に入院している患者さんを写しています」というカメラマンがテレビで紹介されているのを見たことがあった。そのテレビを見ていたときは、医療従事者ではない人がそんなに頻繁に出入りするぐらい病院は変わってきているのかぁ・・・ それにしても変わったカメラマンだなぁ、ぐらいにしか思っていませんでした。
 おりふれの編集委員会でこんな写真集が出たよという話になったときに、そういえばそんなカメラマンがいたな、と思い出し写真集を見せてもらうことにしました。
 写真に写っているのは、精神病院に入院している患者さんなのですが、なんとも皆『いい』顔をしているのです。満面の笑み、はにかんだ笑み、どの顔も自然体としての『ひと』が写されています。そのときにカメラマンが言っていたことを思い出しました。「撮影する日だけ病院に行くのではなく、何日も病院に通い、写してもいいよといってくれるまで写真はとらないんですよ」そうかぁ・・・ だから皆こんなにいい表情なのか、と改めて感じました。
 悪い子は精神病院に連れて行くぞ!と親に言われていたことが精神病に対する偏見の始まりだったらしいのですが、雑誌の取材で毎月精神障害者を撮影することがきっかけになり、今回の写真集発行になったと
いうことだそうです。
写真に添えられたコメントを読むと、これまた素直な感想で、写すほうも写されるほうも無理なく、そのとき感じた一瞬を大切に写してきたんだなということがよく伝わってきます。患者さんの表情が豊かなのは、普段接している皆さんはご存知だと思いますが、それを写真に収めるとなるとかなり難しいのではないかと思うわけです。その表情を引き出したカメラマン大西さんは、それまでに患者さんとある程度の関係を築いているでしょうし、病院の職員ではない大西さんだから、患者さんも違う表情を見せることがあるのかなと感じました。
「精神病院に入院している患者」としてではなく本当に「ひと」として楽しめる写真集になっている。ぜひ皆さんの職場でもご覧になってはどうでしょうか?

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